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総合内科専門医試験 コラム(1科目に何日かける?)

先生方、日々の勉強本当にお疲れ様です。

今回は1科目あたりどれくらいの勉強時間をかけるかについて書きたいと思います。

総合内科専門医試験では、専門分野は10科目に分類されています。
試験後には、「合否通知」と一緒に「個人別結果表」という各科の点数が記載された成績表が内科学会から郵送されてきます。
ここには、下に記載する10の専門分野ごとの自分の点数、全体平均値が記載されています。そして、この10科目は内科学会の公式の分類です。

この専門分野を結果表に記載されている順番通りに羅列すると、以下の通りです。

1. 消化器、2. 循環器、3. 内分泌・代謝、4. 腎臓、5. 呼吸器、6. 血液、7. 神経、8. アレルギー・膠原病、9. 感染症、10. 総合内科

さて、この10科目をどのように勉強していきましょう。

例えば、自分の専門が消化器内科であるとすれば、「1. 消化器」は自分の専門科なのでそれなりに知識があるので後回し、あとの9科目は専門外なのでしっかり勉強をしなければいけないことになります。

ここでまず考えていただきたいことは、「1科目にどれくらい時間を使えますか?」ということです。

1科目に1週間かけるなら9週間(2ヶ月ちょっと)です。
1科目に2週間かけるなら18週間(4ヶ月半)です。

すでに勉強されている先生はおわかりだと思います。
めちゃくちゃ難易度が高い問題が出題されるのに、ほとんど知識がない他科1科を1週間で完結させることはほぼ不可能です。2週間あってもそこそこ厳しい。

これに気がついた時、絶望します。「間に合わない、無理だわ」と。

例えば、「1. 消化器」が専門の先生が、2→3→4→5→6→7→8→9→10と相当な時間かけて他科の勉強をそれなりに終わらせたとします。これだけでもとんでもなく大変なのですが、10.が終わったころには2.3.4.5あたりの細かい知識はほとんど忘れています。なんなら、10.が終わったころに7.8.ですら大半は忘れている。

実際には1科目ごとにみっちり2週間という感じではなく、数日や1週間ずつで何周もするという勉強方法の先生もおられると思います。これはご自身に合った方法でいいと思います。

ただ、平均すれば4ヶ月前からはじめても1科目2週間はかけられないわけです。2023年は9月初旬に総合内科専門医試験が実施されますので、4ヶ月前はGW明けです。GW明けといえばまだ5月の前半であり、総合内科専門医試験なんてまだまだ先だという感覚になってしまいます。しかし、そこから勉強を開始しても、各科に2週間も勉強することができないという非常に厳しい現実があります。

ちなみに、10. 総合内科は対策がしにくいので、別の意味で悩みます。私が受験した2022年度の総合内科の問題では、「こんなの対策なんてできないわ」という問題が多数ありました。ただ、だからといって総合内科は勉強なしってわけにもいかないです。定番の疾患や項目もあります。これについては別の記事で書きます。

とにかくこの試験は内科すべてが出題範囲なので、範囲が広すぎます。
そして、1科目でも半端ないvolumeですし、問題の難易度が高く、要求される知識レベルも相当高いです。それでいて、勉強してもどんどん忘れていくし、その復習をするためにまた膨大な時間がかかります。

私が強く意識していたことは、「診療科ごとの縦の勉強をしながら、臓器横断的に横のつながりもからめていく」ということです。とにかく関連させて、縦と横で網目のようにして覚えていく。その都度、縦にも横にも復習して、理解を深めて、知識を定着させていく。

結果的には余裕を持って合格できたわけですが、やはり相当な時間が必要でした。

出題範囲は10科目です。自分の専門科以外で9科目もあります。まずはこのヤバさに気づくことです。試験はまだ先だからといって意図的にセーブしない。手を抜かない。
今日からでいいです。本気になってみてはいかがでしょうか。


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