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紅葉の韓国へ!
久しぶりに韓国に行ってきた。慶州(キョンジュ)という町の仏国寺(プルグッサ)の紅葉をどうしても見たかった。ずいぶん前に母と一緒に見たみごとな紅葉をもう一度!
母と初めて韓国へ!
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母がまだ元気だったとき、韓国旅行に誘ったらノッてきた。ちょうど今頃の季節。父も健在だったが、酸素は機械で吸っていたのでお留守番。国内旅行なら酸素会社の人が旅館に酸素濃縮器を設置してくれるし、移動中はボンベを使えば良い。しかし、いくら近い韓国といえど海外に行く勇気はなかった。「お母さん、行っておいで」と父は送り出してくれた。
釜山(プサン)から慶州(キョンジュ)まで友達が車で走ってくれた。仏国寺(プルグッサ)に着くと車椅子に母を乗せて友達と夫が交代で押してくれたことを思い出す。母はゆっくりでも歩けたのだが、仏国寺(プルグッサ)の中はとても広くて階段もあるし、車椅子で良かったと思う。
韓国の人は高齢者や女性にとても優しい。高齢で女性の母はこれ以上ないくらい優しくされて感動していた。後々まで「韓国の男性は優しい」と語ったものだ。
仏国寺(プルグッサ)は751年に建立が始まり、774年に完成した。ところが1593年、文禄の役で焼失。1765年に再建。一時は没落し放置されたが、1924年から朝鮮総督府による再建工事がなされた。
(朝鮮総督府は1910年に日本が設置した行政だ。韓国併合のために設置したという。)
仏国寺(プルグッサ)は1995年にユネスコの世界遺産に登録された。
なかなか大変な歴史である。
見事な紅葉!!
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母と行ったとき、赤や黄色、茶色、緑のグラデーションが見事だった!しかし紅葉の仕組みを聞いたときはかなり驚いたのだ。
例えば、赤くなるのはアントシアニンの働き。これは夏までは存在しない。葉が老化する途中で葉を光の害から守るために働くらしい。
そして黄色になるのはカロテノイドという色素なのだが、春から夏は目には見えない。秋になって葉の要素が分解されるとき見えるようになるという。これも光の害から植物を守るために働いている。
葉が緑から赤や黄色に変わるのではなく、持っている色が出てくるというわけだ。ちなみに赤に見えるのはカエデ系統、黄色に見えるのはイチョウ系統、茶色に見えるのはブナ系統が多いらしい。
自然の不思議に胸を打たれながら車椅子に乗った母と歩いた道。「きれいねえ!こんな紅葉見たことない」と繰り返し言っていたなあ!
タラバガニをたらふく食べる
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母と紅葉見物のあとは機張(キジャン)という町でカニを食べた。
大きな市場にいろんな店が所狭しと並んでいる。カニのお店は店頭に大きな水槽があった。一つにはタラバガニが、もう一つにはズワイガニがうじゃうじゃ入っている。その中から元気よく暴れているタラバガニをお店のお兄さんが取り出して重さを計る。でっかいヤツを2匹頼んだかな?
お店の2階に上がって前菜を食べていると、さっきのカニが蒸し上がってきた。食べやすいようにハサミが入っている。足の1本ずつがデカい!!殻から取り出してそのまま食べるも良し、ゴマの葉にくるんで、味噌漬けて食べるも良し。こんなカニ見たことない!感動的な大きさと美味しさ。
あったかくてフワフワのカニ♡フワフワなのに筋肉質を感じる歯ごたえ。最後はカニの甲羅に炒めごはんが乗ってくる。これが、ゴマ油の香りが豊かで、カニみそもたっぷり入って、ウ~!クセになる味なのだ。あ~シアワセ♡
2泊三日で美味しいものを片っ端から食べた。
参鶏湯(サンゲタン)、トッポギ、キンパ、アワビ、ヒラメ!
ヒラメの刺身は美味しいけど、厚みがあって量が多い。日本でヒラメの刺身を腹いっぱい食べた経験はないが、ここでは残してしまうほど。韓国では残すことは悪くない。
母はちょっと食べすぎて胃が痛くなった。薬を飲みながら「お父さんを置いてきて、自分ばっかり美味しいもの食べたからバチが当たったよ」と言う。「バチなんか当たらないよ。お父さんにお土産買っていこうね」と笑った思い出。
旅から帰ってからも「楽しかった、おいしかった」と思い出話に花が咲く。思い切って一緒に行って良かったなあ、としみじみ思う。
旅をする意味
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一緒に旅することがどんなにステキな事だったか、しみじみと思い返す。つまり、健康・経済・興味関心・人間関係・時間・・・全てが揃って旅ができる。そして帰ってから「あーだった、こーだった」と一緒に話せるのがまた楽しい。共有できるものが多いほど、幸せだ。
親子で旅するなんて、できそうでなかなか難しいのだ。母が韓国の思い出を後々まで楽しく語ってくれたのは本当に嬉しい。
母は、妹と旅したことは同じように「楽しかった」と妹と共有したはず。それぞれに母と共有できることがあるのだ。
子どもの頃は旅行なんてできなかったから(一度だけ覚悟の上で一世一代の旅行をしたけど)。
そして、ここまで書いてハタと気づいた!
私たち親子は「病気の父を支える」という大きな事柄を共有した。あきらめない強い気持ちで頑張った父を中心に、母、そして私たち姉妹は一心同体だったのだ!こんなに大きな共有事項があるだろうか?家族そろっての旅行は一度だけだったが、常に家族5人で心を一つにしていたことに今さら気づいた。すると何だか嬉しくなった。勇気を持てる気がする。
大人になってから辛いことなどいろいろあったけど(人並みに)、大きく見ると幸せな人生を歩んできたのかな、と思った。気づかせてくれたのはnote。ここに「書く」ことをしなかったら気づかなかった。ありがとうございます♡
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