物価目標がなぜ2%か

中央銀行が物価の安定的な水準を2%と設定している理由は、次の3つの主な点が挙げられます。

1. デフレーションのリスク回避:もしインフレーションがゼロ近くになってしまうと、経済が少し悪化するだけでデフレーション(物価下落)に陥ってしまう可能性があります。デフレーションは消費や投資を抑制し、経済の停滞を引き起こすため、それを回避する意味でも2%の目標が設定されています。

2. 名目利子率のマイナス化回避:物価上昇率が非常に低いと、中央銀行は名目利子率(表面上の利息率)をさらに下げる余地がなくなり、金融政策の運用が困難になる可能性があります。物価安定の目標を2%に設定することで、名目利子率がマイナスになることを避け、政策の運用に柔軟性を持たせることができます。

3. 期待インフレーションの管理:2%という明確な目標があると、市場参加者や一般の人々は物価が将来的に2%上昇するという期待を持つことになります。これにより、インフレ率の予測が容易になり、経済活動における意思決定がスムーズになります。

これらの理由から、多くの中央銀行が物価安定の目標を年間2%のインフレーション率として設定しています。

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