オタクにしてくれてありがとう
「推しのATMじゃんwww」
家族や友達に何度もバカにされた。
オタクになる前は僕もバカにしてた。気持ち悪いとまで思っていた。
付き合えるはずのない女に遠くまで会いに行く。たった数秒話をするために何時間も働いて稼いだお金を使う。
意味がわからない。バカにされて当然だと思う。
約2年前、興味本位ででんぱ組のライブに行った。暇つぶしくらいの感覚だったし、昔の曲しか知らないから何も期待してなかったけど、思いのほか楽しかった。
何度かライブに行く中でオタクの姿を生で間近で見たり、オタクと話をするようになった。
その想いが届くことはないかもしれないのにいつでも推しの幸せを願って、
その声が届くことはないかもしれないのに全力で好きだと叫んで、
そんなオタクたちがかっこいいと思った。
あんなに大嫌いで気持ち悪いと思っていたオタクに憧れた。
気づけば僕もオタクになっていた。
オタクになってたくさんのものを得た。
県内どころか市内で全ての物事を完結していた引きこもり予備軍だった自分が1人で色々な場所に行けるようになった。
人と関わることを避けて生きてきた自分に同じものを愛する仲間ができた。
感情が表現できず心がないと言われていた自分が素直に楽しい、嬉しい、悔しいと口に出せるようになった。
いつか自分が消えるのを待つだけのしょうもない生き方をしていた自分が生きる希望や意味のようなものを見つけた気がした。
「オタクがATMじゃなくて、推しが賽銭箱」
どこかで聞いた素敵な言葉。
推しに会えたら幸せな気持ちになれる。
推しに会えるまで明日からまた頑張ろうって思える。
そのためならどんなに辛いことも頑張れるし、推しのために払うお金も全然惜しくない。
でんぱ組のオタクになってからの2年間、本当に楽しくて彩やかだった。
誰に何を言われようと、バカにされようと、気持ち悪いと思われようと、間違いなく今までの人生で一番幸せな2年間でした。
今なら心の底から自信を持って言える。
オタクはかっこいい。
オタクになってよかった。
僕をオタクにしてくれたでんぱ組、オタクは凄いんだと教えてくれたでんぱ組のオタクたち、ありがとう。
これからもずっとでんぱ組のオタクです。