精神の宇宙

  異常事態
「物質領域で地震などの自然災害が起こるように精神にも異常が発生する」
「それが精神領域でも発生したというのね」
「だってみんなが不安になっているんだ、なにか起こったとしか思えない」
「この世界が物質領域だけでできているのではない証なのかしら」

「もういつもの日常とは異なる、これまでと違う予感があるんだ」
「それであらゆる生き物が穏やかでいられないのね」
「これまでにない出来事がおこりそうで心配なんだよ」
「未知への恐怖かしら、穏やかさに慣れてしまったから無理はないのかな」

「良くないことになりそうだ、怖いな」
「それが明日というものかしら、新しい今までにない出会い」
「それで幅広い豊かな気持ちを持てるようになるのだろうか」
「なにか殻を破るのと同じようだわ」

  宇宙の一面
「むろん仮説ですけど、精神領域での距離は物質領域とは全く異なるの」
「そこも世界の一端なんだろう、どう違うと言うんだ」
「近くても遠く、遠くても近い場合があるの、もちろん遠くて遠いことも」
「距離感がこれまでの常識と違うってことだな」

「感性の世界とも言えるわね、心理はそこの一部分なのよ」
「根性とか信念や心、魂の世界なんだろうか」
「とうぜん精神領域の一部分よ、いわば出来事のようなものね」
「じゃあ光速や絶対零度ってのはどうなんだろう」

「うーん。縁の世界ね。良縁血縁腐れ縁などと言うでしょう」
「縁が切れたなんてのもあるな、近くて遠いし遠くても近い」
「縁は精神領域での宇宙空間のようなものよ、まあこれも仮説だけど」
「じゃあぼく達の魂は宇宙を漂っているようなものか、心細いわけだ」
 
  目的の地へ
「無事お目覚めおめでとうございます、いつもながらはらはらしますわ」
「おはよう、今回も笑顔を見ることができて嬉しいよ」
「それで精神領域の観測はいつもと変わりはなかったのでしょうね」
「機械がほとんど役立たないからな、なかなか客観的変化が捉えられん」

「五感で感じられないものを観測するのは不可能なのでしょうか」
「虫の知らせや以心伝心、知識の伝播共有化は精神領域で起こっている」
「それをどうやって客観化できるのかしら」
「焦ってもしかたがない、存在はそのうち証明されると信じて探るんだ」

「変人あつかいされているわよ、それで良いの?」
「変人とは個性だよ、強さの違いだけだし変人に変人と言われてるだけだ」
「精神領域が可視化されれば、そういうことも一目瞭然なのでしょうね」
「ほめ言葉だと思って研究に専念しようよな」

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