好奇心の罠
「おまえ市長だろ、ニイニ地区でなにが起こってんだ」
「知らんよ、いったいなんだってんだ、そんなに血相かえることか」
「タダでもいらない土地を買いあさっている奴がいる、知りたいよな」
「工業団地でもつくるきかな、調べてみるよ」
「県知事や国会議員も知らないだと、知ってても言えないんじゃねえか」
「みんな揃って知らないっていってんだものどうしようもない」
「ひょっとしてお前なんでだか判ったんだろう、話せない訳もな」
「疑うなよ、そんなに疑いだしたらきりがないぞ」
「絶対ニイニ地区でなにか起こっているんだ、あんな土地売れるわけがない」
「土地を買った連中は個人や個人会社だぞ、それもバラバラだ」
「影で操っている奴がいるはずだ、侵略者が買い占めているんだろうか」
「諦めるんだな、国家機密なら国民に知らせるようなことせんよ」