白昼夢のような

「果樹園でもあるんだろうか、整然と樹木が立ち並んでいる奇妙な林だ」
「奇妙なのは木にぶら下がっている色とりどりの袋のようなものよ」
「なんだろうな、果実とは思えない大きさだな」
「まさか植物の人類に対するうっぷんが詰まっているのかしら」

「あそこの袋が震えだしたように見えるぞ」
「こっちのもよ、なんか不気味。はやくここから逃げ出しましょうよ」
「どうやら迷ってしまったらしいな。どっちへ行けば出られるんだ」
「気味悪く震えている袋のそばを通るしかないのかしら」

「これは悪夢だ、そのうち目が覚めるよ」
「現実逃避しないで欲しいわ、ここは迷いの森なの」
「赤い袋青い袋緑の袋が輝きだしたぞ」
「どうしましょう色彩が分からなくなってしまったわ」

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