歴史修復
「意外とあっさりしているのね、もっとゴテゴテしているのかと思ったわ」
「タイムマシンだからといって複雑な装置をむき出しにはしないよ」
「でも実験機でしょう、見栄えなど気にする必要ないじゃない」
「時間って無理に移動するとなると空気のように抵抗があるんだ」
「なあに、行きたい未来や過去にいけないの?」
「時間螺旋階段理論って知ってるよな、同じ時間軸の段しか移動できない」
「それが一万年単位ですって、移動する意味あるのかしら」
「歴史を調べることや人類の行く末は判るじゃないか」
「一万年も昔に遡ったらどう歴史を変えることができるのかしら」
「池に小石を投げ入れてできる波紋と同じ、いずれ波は収まってしまう」
「歴史を変えることはできないと言うのね」
「そんなにガッカリするなよ、そんなに歴史を変えたかったのか」