不自然の中の自然

「自然の中の不自然かな。岩を守るように樹ぎが取り囲んでいるわ」
「陽だまりが岩を包み込んでいるようだ」
「恋人たちの岩とも語らいの岩とも云われているのね」
「岩の上で眠りの世界に迷い込みそうな気がするよ」

「わくわくするわ、楽しくなって嬉しさがあふれ出てきたわ」
「君がか弱い女性に見えてきたぞ、いまにも風に紛れ込みそうに」
「それならばわたしは風の精かしら」
「だとしたら君を怒らせたら、とてつもなく怖いんだろうな」

「このまま時が止まってくれないかしらね」
「お日さまの恵みをいつまでも受けていたいよな」
「そうよ、いつまでもあなたといっしょにこうして居たいのよ」
「そうなんだけど陽が翳ってきた」

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