見出し画像

【留学&出版就活】アメリカから就活体験記!〜後編〜

こんにちは、ほっかいろです。2022年9月から7ヶ月間カリフォルニア大学アーバイン校に留学していました。

大学4年生の秋から5年の春までの留学だったので、現地で日本の就活を経験しました。

前編では、12月までの私が出版業界を目指すことになった経緯をご紹介しました。まだご覧になっていない方は以下の記事をぜひご覧ください🙌

後編では、1月〜5月の内定までの私が受けたユニークな出版業界の選考をお伝えします!留学中の方や出版業界を目指す方のご参考になれば幸いです!

【1月】アメリカに日本語の書籍売ってない問題に直面 in US

12月に書籍編集者になりたいと志してから、とある大問題に気づきました。

日本語の書籍が、、アメリカには、、売ってない!!

出版業界志望の学生にとって身近に日本語の書籍が手に入らないなんて非常に大問題です。

日本から持ってきた本は数冊あるけれど、それも数年前に発売されたものが多く、選考対策には不十分でした。

しかも、電子書籍も駄目でした。アメリカにいるとアメリカ版のKindleに仕様が変わってしまい、日本の電子書籍を購入・ダウンロードできなかったのです。

3月までの留学で、最近の日本語の書籍を読めないまま出版社の面接に挑むなんて無茶すぎる、、、どうしよう、、、

そんな中、我ながら天才的なアイデアが脳に降臨してまいりました✨名付けて、

日本のVPNに繋げたら日本の書籍をKindleで読める説!

てことで思いたったが吉日、NordVPNを申し込みました。そしてVPNをTokyoに繋げると、、、

日本の書籍が、、、買えた!!読めた!!!🥹

今の技術ってすごいです。Kindleを開発してくれた方、電子書籍を出版してくれた方、NordVPNを提供してくれる方、私が電子書籍を読むまでに携わった全ての人に感謝の気持ちで一杯でした。もしこの記事を読んでくださっている方に従事者がいらっしゃれば!本当にありがとうございます😭

出版就活生なのに周りに書籍がない問題は無事に解決しました。そこから1月は選考を受ける各出版社の話題の書籍と名著を一通り読み耽りました。

【2月】大手出版のzoom面接とドキドキWebテ!in US

ES提出とWebテスト

2月、大手出版の選考が始まりました。まずは書類選考。出版社のESはとにかく書く量が多い!!2月上旬は毎日ひーひー言いながら、時には韓国人ルームメイトに夜ご飯を作ってもらい、日本人留学生の友達に添削してもらい、何とかESを提出しました。

そして、KADOKAWA、小学館や講談社の書類選考に通過しました。

次はWebテスト!KADOKAWAと小学館は自分のパソコンで受けることができました。講談社だけ、テスト会場で受ける形式でした。

Irvineで講談社のWebテスト

ちなみに私が訪れたWebテストの会場はアメリカのコミュニティカレッジ内にありました。

「英語に囲まれた環境で、ほんまに日本語のテストが表示されるんかいな!」と半信半疑でしたが、しっかり日本語でWebテストを受けることができました。

そんなこんなで無事3社のWebテを突破。次は3社ともzoomでの一次面接です(*'ω'*)

zoomで一次面接!

まずはKADOKAWAの一次面接!優しそうな社員さんが面接官で、面接官の反応から「絶対通過した!」と確信したのですが、落ちました(´⊙ω⊙`)ウソーン

落とされたらやる気が湧いてくるタチです。面接の反省を振り返り(今回は面接官の良さげな反応に対して調子に乗ってしまいました🥺)次は小学館の一次面接!

小学館の一次zoom面接は面接官3対学生1人でした。めちゃんこ緊張しました。zoom開いたらいきなり3人いるんやもん!心の準備ができないまま、しどろもどろな回答を繰り返していましたが、なぜか通過。二次面接に進めることになりました。

講談社の一次面接は正直よく覚えていませんが、無事に二次面接に進めることになりました。図鑑がやりたいということを伝えた記憶があります。なんで覚えてないかというと、この後の怒濤の超絶ユニーク面接ラッシュに記憶がかき消されてしまったからです(´⊙ω⊙`)

【3月】帰国と対面面接 in US & Japan

かぶってしまった面接とFinal

3月、帰国する月です。3月中旬はカリフォルニア大学アーバイン校のFinal Week(テスト週)でした

だがしかし!!

小学館と講談社の対面面接がFinal Weekに被ってました。だいぶピンチ!!期末試験を受けられなかったら成績が大幅に下がります。給付の奨学金を受けていた私にとって、成績が下がるのは避けたいことでした。

1人では埒が開かないのでクラスメイトや寮の友達に相談しました。みんな口を揃えて「テストはどうにかなるから、帰国して面接受けた方が良い」と言ってくれました。

アメリカの(特に私が留学した大学の)良いところは、言えば協力してくれるところです。「次の対面面接は人生の一大チャンスやから期末をオンラインで日本から受けさせてもらえませんかあああ😭」と、つたない英語で教授に直談判しに行きました。

教授からの返事は、「Sure!! テストはzoomで日本から受けてOKだよ!時差に気をつけて。面接頑張ってね!」でした。Thank you, Professor!

3月中旬、現地の友達に見送られて帰国。面接ラッシュが始まりました!

ドキドキ!小学館の二次面接

まずは小学館の二次面接。とその前に、巷で聞いていた小学館のユニークすぎる4択50問の試験を20分で解きました。「サッカーW杯でゴールを決めていないのはこのうち誰?」という時事から高校生物基礎の問題まで、情報のアンテナの広さを試されているようでした。

試験を解き終わった後は、面接です。面接官は2人でした。「質問にも上手く答えれた!」と受かった気満々でいたら、陽気そうな面接官が一言。

「無茶振りなんだけど、鞄の中から1つアイテムを選んで、それを僕らに面白くプレゼンしてくださ〜い!」

ハニャ⁇

天変地異のパニックになりました。ですが、ここで留学経験が活きました。帰国したばかりだったので、ズボラな私の鞄の中には留学先の大学で必死に集めたUCI特製アリクイシールが運良く入っていたのです!

私が通っていたUCI(カリフォルニア大学アーバイン校)では、学校のマスコットであるアリクイを、なぜか生徒が勝手にシールにしてキャンパス内でゲリラ的に配るという謎イベントがしばしば発生します。

そしてそのシールをタンブラーに貼ると、そのタンブラーはGucciやDior並みのブランド力を発揮するのです。このヒステリックな習慣に便乗したいと、私も留学中は必死にキャンパス内を駆け巡り、このシールを集めていました。

これを面接官に説明すると、すごく面白がってくださりました。良かった〜!!何とか二次試験を通過し、三次試験に進めることになりました。

友達と集めたUCIのアリクイシール

講談社の二次面接

小学館の二次面接の次は、講談社の二次面接でした。講談社は、何と言っても本社が立派!!待合室だった部屋からは、東京の景色が一望できました。とある社員の方は、「講談社が好きすぎて講談社の本しか読めないよ〜笑」と仰っていました。素敵な会社です。3人の面接官に『汝、星のごとく』への愛をこれでもかと伝え、無事通過することができました。

小学館も講談社も三次面接に進むことができました。結論から言いますと、小学館は四次面接で、講談社は三次面接で落ちました(;ω;)決定的な原因は、漫画に疎いことです😭小学館、講談社それぞれ弁解させてくなはれ!!

小学館の三次・四次面接

まず、小学館の三次面接から!この面接は、面接15分、作文(三題噺)原稿用紙2枚、企画書10個(A4 5枚にそれぞれ詳しく書く)をトータル2時間で仕上げるというトライアスロンのような過酷さを秘めていました。何とかくらいつき、四次面接に進むことができました。

そして四次面接!何と1日がかりで、午前中は面接の前に健康診断がありました。注射では採血されました。私の血も小学館を形作る大切な要素になることを願って、、(ならない)

午後の小学館の四次面接は、それはそれは緊張感が違います。役員の方が5人いる部屋に学生1人で入り、15分の面接をします。それを2部屋(計10名の役員の方々と面接)繰り返します。

どうしてこの企画がやりたいのか、図鑑を作るとしたらビジュアルはどうするのかなど、根掘り葉掘り聞いてくださります。どの役員の方も仕事熱心で、学生が考えた一企画に鋭く突っ込んでくれたり、質問で掘り下げて学生の良いところを沢山引き出そうとしてくださりました。

一方、肝心の私は役員の多さに圧倒され、全然上手く答えられなかった〜!のと、あとは三大出版といえば、そう、漫画!

実用書や新書、小説が好きな私にとって、漫画は普段あまり読んでいませんでした。そりゃ落ちますわ(´;ω;`)血まで捧げたのに( ;∀;)

講談社の三次面接

講談社の三次面接は、面接官6人対学生1人で30分間の面接でした。講談社の役員であろう面接官の方は、ユーモアのある方が多い印象でした。

どの方もフィクションや漫画の世界をすごく大切にしていらっしゃる方でした。「フィクションは読むの?」と聞かれ、好きな小説を何冊か挙げました(`・∀・´)

ここまでは順調だったのですが、、漫画に対する知識の浅はかさをまあまあ詰められて撃沈しました(;ω;)講談社の方々がそれだけ真剣に漫画というコンテンツに向き合っているということだと思います。

講談社の役員の方々の、漫画に対する情熱と真剣さがたった30分の面接を通しただけでも伝わってきました。この方々の頑張りがあるから、日本の漫画が世界に誇れるコンテンツなんだと実感しました。

【4月】大手出版落ちたあああ!再出発の巻 in Japan

てことで大手出版の面接が終わりました!そもそも大手出版の三次面接や四次面接まで進めたことが奇跡です✨「もしかして自分ほんまに出版社入れるかも٩( ᐛ )و」と自信を持つことができました。

そして学習参考書系やビジネス系の出版社などにESを提出し、Webテストを突破、面接に進めることになりました。

出版就活の何が楽しいかって、自分が愛してやまない本の担当編集者さんが面接官だったということがよくあるんです。ちょっとしたオタ活ができます。

例えば、学習参考書系の出版社。高校受験も大学受験も塾に行かずに参考書だけで乗り切った私にとって、学習参考書系の出版社の面接はひたすら面接官に感謝を伝える場と化しました。

「この参考書編集してたのはあなただったんですか!ここがすごく分かりやすかったポイントで高校時代よく助けられていました🥲」なんて面接そっちのけで参考書マニアのありったけの熱を伝えました(笑)

そして、ビジネス・実用系の出版社。5社ほど受けたのですが、どの会社でも私が大好きな本の担当編集者さんが面接官でした。

「〇〇めっちゃ好きなんです!ファンです!この本の企画はどうやって生まれたんですか?著者はどうやって決めたんですか?」なんて担当編集者さんがいれば質問攻め。面接そっちのけで若干オタ活頑張りました(`・ω・´)

【5月】出版社内定 in Japan

そんなこんなでほぼオタ活と化した私の出版就活でしたが、運良くGW頃に学習参考書系とビジネス系の2社に内定をもらうことができました!

内定を貰えた時はもう嬉しくて嬉しくて、天にも舞いそうな気持ちでした。

そして選考に進んでいた他の出版社に選考辞退の連絡をしました。内定をいただいた会社どちらにしようか悩みに悩んだ挙句2社の内の1社に内定承諾をさせていただきました。

【まとめ】当時を振り返って

就活を始めた頃の私は、海運業界に運命を感じていました。しかし、海運会社の人に仕事の話を聞かせていただいたり、出版社の方にもお話していただいたりして、最終的に出版社で書籍編集者になりたいという夢に辿り着くことができました。

「就活」と聞くと、度重なる御祈りメールに心折れる大変なイメージが先行しがちですが、私が思うに本質は違います。

私にとって就活は、先に社会人になった人生の先輩達が、業界を問わず自分の進路を真剣に考えてくれ、素敵な出会いに恵まれた期間でした。

そして、アメリカに留学しながら日本の就活をするのは容易なことではありませんでした。それも教授やクラスメイト、寮の友達やルームメイトの協力のおかげで乗り切ることができました。

もし今、留学中で日本の就活をする方や、出版社を受ける方がいらっしゃれば、頑張ってください!心から応援しています。

この記事が少しでも皆さんのお役に立てたら幸いです。長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました!!

いいなと思ったら応援しよう!