株主総会(2) 7378 アシロ

こんにちは。
今日はアシロについて書いてみます。
1/30に株主総会に出席しますので、決算書の中身を読んでみようと思います。

上場したのが、2021年の7月20日
公開価格は1160円で、マザーズ市場に上場しました。

初値は1480円、公開価格を27.6%上回る

主な事業は法律・弁護士業界とITを結びつけたリーガルメディアサイトの運営になります。
成 ⾧ 可 能 性 に 関 す る 説 明 資 料


業績

業績をみると、上場した22.10 月期は非常に高い成長性を感じますが、23.10月期は、少し成長に陰りが見られ、利益も大幅減益予想となっています。

四半期別の推移で、見ると、順調に伸ばしているように見えます。
利益率も20%以上と高い推移ですが、直近の8-10の利益は大幅に減益になっています。

PERの推移でみると、上場後でも40倍前後と、低く、前期までは、比較的、20倍前後で推移していましたが、今期の業績が大幅に減益になっていますので、PERはかなり割高になっているように見えます。

株主還元


この会社は、上場して一年になりますが、配当も出しています。
今期も増配の計画になっています。
配当利回りは2.04%としっかり出している印象です。

前期の配当性向も24.9%になります。

自社株買いなども実施しており、総還元性向は100%を超えています。
新興企業は比較的還元性向が低いので、この会社が株主還元に力を入れているのがよくわかります。


またログミーファイナンスに決算の書き起こしを開示しており、
IR活動にも積極的な印象を受けます。

フィスコ社より企業調査レポートも発行されています。


会社概要

弁護士業界とインターネットを結び付けた事業を展開しています。
主に3つに事業があります。
デジタル技術やウェブマーケティングノウハウを活用して、インターネット上で法律情報や弁護士情報を提供するリーガルメディアサイトの運営を主要な事業で、収益の7割を占めます。

沿革
2009年に代表の中山氏が創業。
2012に離婚弁護士ナビなど現在の主要事業になるリーガルメデイアを開始してます。
2020年に人材紹介事業のHR事業を開始
2022年4月から保険事業も開始してます。

リーガルメデイア事業には、弁護士ナビなどの10サイトを運営しています。
所用な顧客は法律事務所になります。

ビジネスモデル

リーガルメディア事業はユーザーが「Google」「Yahoo!検索」など大手検索サイトから検索
サイト内を閲覧して弁護士を見つけ、相談する。
収益は法律事務所から月額固定で、積み上げ式
派生メディア事業は、サービスを活用して転職支援会社へ登録
人材紹介会社や転職支援会社から、その成果に応じて成果報酬として広告収入をいただくモデル
HR事業では当社のサービスに登録したユーザーを転職の完了まで支援
転職した場合に、成果報酬として転職された方の年収の何パーセントかをいただくモデル
保険事業は弁護士保険の「ベンナビ弁護士保険」に加入いただいた個人の方から、毎月保険料を支払っていただくモデル

KPIも開示しています。
リーガルメディア事業は「掲載枠数×掲載単価」が売上
月次では顧客数を開示していますね。

収益モデルも詳しく開示しています。
売上収益は掲載件数と1件当たりの掲載枠単価になります。
掲載枠単価は月額定額になります。

国の政策として弁護士の数を増やしていく政策が進んでいます。そのため、弁護士が毎年増え続けています。
2000年は1.7万人でしたが、2021年は4.3万人と約2倍に増えています。
20年後には、6.4万人と拡大傾向になります。
ただ、一人当たりの国民数は減少しますので、弁護士の競争環境が激しくなるということで、広告出稿の需要の拡大が見込まれているようです。

派生メデイア・HR事業のKPIは、問い合わせ件数と新規登録者数になります。
第4四半期にかけてHR事業に積極的に投資したら、大きく伸ばすことができたことで、投資対効果が高いことで、今期の投資を増やしていくようです。
中計の計画でも2億→4億→8億と伸ばす計画になっています。

収益モデルは成約数と一人当たりの成約単価
検索経由、広告経由の新規登録者数を伸ばすことが重要になるようです。
検索経由では、CVRが重要になるようです。

広告経由の場合は、CPAをKPIにしているようです。


 入社者数(新規✖️成約率)に応じた成果報酬型になります。
検索経由と広告経由で、新規登録者を獲得しています。
それぞれのKPIはCVRとCPAとなっています。
新規登録者数を増やすことに注力しています。


保険事業は22年より始めたサービスになります。
保有契約件数がKPIとなります。
保有契約件数に比例して、収益が伸びるストック型のビジネスになります。
保有契約件数を伸ばすことが重要になりますが、やや保有件数は鈍化しているようです。

中期経営計画



売上成長は30%と目標としています。
2025年には売上55億 28年には100億を目指しています。
営業利益は11億を目指しています。
かなり高い目標となります。

そのため今期は、大規模な投資計画を実施します。
ブランド認知施策に伴う広告宣伝を積極的に行うようです。


そのためメイン事業であるリーガルメディアを安定させることが重要だと会社は捉え、ベンナビの認知度の引き上げに投資を行っていく予定。


今期の業績予想は、売上は30%程度の成長は持続する計画も
営業利益は、大幅な減益予定となっています。
ただ配当は前期と同じ程度維持する予定になります。

投資に6.8億円使いますので、売上の2割程度になります。
特に広告は前期の10倍以上使いますので、どういう風に投下していくのか注目したいと思います。

株主総会


1月30日 午前11時半より 開始
場所は、BIZ新宿1階になる多目的ホールにて行われました。
自宅を出る時間が遅く、ギリギリの時間になりました。
会場は前回のAB&C、と比較すると、かなり小さく会場になり、
取締役との距離が非常に近く、見やすかったと感じました。
会場には、15名程度の株主がいました。
ほとんどが男性だったのですが、スーツ姿で参加される投資家が多いです。
定刻通り、11時30分にスタートしました。
簡単に監査報告がありましたのが、特に監査から発言があるわけではありませんでした。
そのあと、事業報告がありました。
これは、音声による報告になりました。
前回のAB&Cと同じく、簡単に事業成績の発表があり、
そのあと、会社の課題についての発表がありました。

課題については4点ありました。
前回のAB&Cでもそうですが、この課題についてしっかりと時間をかけて、話しているのは印象的に受けました。

リーガルメディアの掲載枠数並びにブランド認知の拡大
今後の成長のために更なる掲載枠数の拡大が課題
対策:
営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の 強化により、新規契約数を増加
コンテンツの制作やサイトのUI/UX、デザイン、導線などの改善→ユーザー満足 度向上施策を実施
課題:ウェブマーケティングはGoogleの検索順位アルゴリズムの変動リスクがある。
対策:自然検索経由以外の流入経路を確保すること
そのために広告経由の流入を模索している。
「べンナビ」ブランドへの移行を予定。ブランド認知施策を推し進める
→指名検索経由での流入の増加


新規事業領域の拡大による新たな収益源の確保
リーガルメディアの依存度が高く、新たな事業を成長させ、よ り強固な収益基盤を築く
対策:派生メディアでは主力の転職メディア「キャリズム」において、取 扱い職種の拡大を進める
派生メディアの定義を「リーガルメディアからの派生分野」から、「既存ノウ ハウを生かした派生分野」に広げ、新たな分野(サイト)での事業展開を進める。
HR事業の人 員体制を強化することで、新規登録者数の増加を売上成長に
弁 護士費用保険の保有契約件数を増加させ、売上成長並びに早期の黒字化を図る。

組織体制の強化
更なる成長のため、人員確保と組織体制の整備が重要
掲載枠数の増加及びクライアントへのきめ細やかな対応を実施するために営 業担当者やカスタマーサクセス担当者の採用を進めていく
ウェブマーケティング人 材、開発を迅速に行える技術者、UI/UXを改善させることができるデザイナーの採用も適時に進 めていく必要
中途採用に加えて新卒採用も積極的に行っていく
運営サイトの安定的な稼働
システム保守体制の構築、運営サイトのユーザー数の増加に対応できるシステム環 境の整備、及び情報システムセキュリティの維持

その後、質疑応答がありました。
質問者は4名になります。
全て社長の中山さんが答えていました。
質問者に対して、丁寧にわかりやすく話されていて、非常に好感をもてる内容した。
そのあとに質問者にお伺いを立てて話されているのも非常に良かったです。
質問者も回答に対して、納得できるないようだったように感じました。
また質問者の中には、これだけ株価が下げているのにもかかわらず、昨年も株主総会に出席されている人もおり、この会社の社長に期待しているのだと感じました。

質問
アシロ少額短期保険についての収益性について
社長の回答によると、リーガルメディアの課題にあるように、検索サイトによる送客が多く、Googleの検索順位アルゴリズムの変動リスクが高い
それを解消するために、保険会社からの相談者を増やすことで、将来的な相談者を増やしていくのが社長のストーリー

四季報の業績予想がかなり近く、情報が漏れているのではないか?
広告の使い方について
主要株主ゴーデイアンの株主順位が2位に上がっていることについて

回答
中計の55億に関すると、それほど難しくないと感じているが、将来的に100億を目指すためには、今成長投資が必要だと感じている。
過去に話している内容と同じですね。
3.5億をべんなりに広告投資。
その他は保険事業による投資がメインで、契約者数を増やしていく考え
具体的にどのようにプロモーションをかけていくかはまだ決まっていない。
 
ゴーデイアンキャピタルについては、安いから購入を増やしいる。
特に何か経営に関わるような感じではない。


HR事業の成長性についての質問がありました。
売上に占める広告の比率は高いです。
ログミーの書き起こしでも書いていますが、広告効果が高いと感じて、積極的な投資をするようです。
ただ全体的な印象として、投資に対するスタンスが定まっていないと感じました。
どう投資するのが最適なのか?思考錯誤がありますので、投資した分がそのまま成長に繋がるのかは未知数だと感じます。
またこれまでは、検索サイト経由での送客だったのが、広告経由の送客を増やしていく考えで、会社のストーリー通りに進めていけるかが肝になるようにも思いました。
 

質問内容は、ほとんどログミーとかぶっていましたね。
社長も、想定した質問だったと思うので、きちんと回答することができたのだと思いますね。
この会社は上場後からログミーに書き起こしがありますのでいいですね。
決算資料もKPIなど、数値などもきちんと書かれているので、いいですね。
あまり、IT系の会社は得意ではないですが、このようにわかりやすく、IRを開示されているので、ビジネスも理解がしやすいです。
レポートもありますしね。 社長の受け答えもすごく良かったですし、こういう会社は投資したくなります。
今期は投資フェーズになりますので、今後はどうなるかわかりませんが、
今後も高い成長を維持したいようなので、期待したいと思う会社です。
株価もかなり割安な水準だと思います。

今回初めて、この会社について調べてみましたが、株主総会での株主の質問が非常にこの会社のビジネスを理解する上で参考になりました。
また振り返ることで、より理解も深まったと思いますし、株主総会は今年2度目でしたが、非常に勉強になるし、面白かったです。
企業によって雰囲気も違いますし、社長の人となりが見れて、普段の会社説明会とはまた違った発見があります。
何より、経営陣が一同に見れるのはこの時だけなので、見ているだけでも参考になります。

今年は年間10 回を目標に行きたいと思いますが、できるだけ可能ならば参加したいと思います。




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