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僕の職業がアイドルのマネージャーになりました。 EP8

前回はこちら!

丹生「ついに白石さんの卒コンですか〜、、、」

岩本「最近な気もするけど3年も前なんだよねー。」

〇〇「え?もうそんな経つ?」

岩本「早いよねー。
   あの時〇〇ボロ泣きだったねー。」

丹生「え?!
   〇〇さん泣いちゃったんですか?!」

〇〇「いやそんなに、、、」

岩本「めちゃくちゃ泣いてたよ笑。
   まぁ私も他のメンバーもだけど笑。」

丹生「感動的なライブでしたもんね!
   私も配信を見てて泣いちゃいました、、、」

ピコンッ

丹生「あれ?LINEの着信、、、蓮加さん?」

岩本「、、、むふふ。」

〇〇「まさか、、、ちょっと丹生ちゃん!!」

丹生「はっ、、、はい!ごめんなさい!」

〇〇「いや謝って欲しいんじゃなくて携帯みして!」

岩本「だめだよアイドルのスマホみちゃー笑。」

〇〇「ヘラヘラしてる蓮加、、、間違いないな。」

丹生「どうぞ!
   蓮加さんからは動画が送られて来ました!」

〇〇「ありが、、、、、、蓮加ーー!!」

蓮加「あっはは!」

丹生「何の動画ですか?
   えーっと、、、、、、、こっ、、、これは!!」

『ねっ、、、姉ちゃん、、、ありがどぉ、、、』グスッ

卒コン当日、めちゃくちゃに泣いてる〇〇の動画でした。

〇〇「これ誰が撮ったんだよー!」


2020/5/7

2020年5月5・6・7日と乃木坂46は東京ドームでライブを行う予定だ。

一昨日からの2日間、乃木坂46は東京ドームでのライブを終えた。

そして今日は姉ちゃんの卒業コンサート当日だ。

僕は和、冨里さんと一緒に東京ドームへ向かう。

冨里「、、、、、、」ガタガタ

〇〇「大丈夫?めっちゃ震えてるけど、、、」

冨里「だってこれからライブだよ!」

和「それだけで緊張しちゃうもんね、、、」

冨里「どうしよぉ、、、」

〇〇「これから乃木坂を目指すんでしょ?
   だったらこの空気に慣れとかなきゃ!」

和「、、、そうだよね!」

冨里「、、、うん!」


そんな事を話してるうちに東京ドームに到着。

〇〇「ちょっと遅れちゃったかな、、、ん?」

ドタドタドタドタッ、、、

麻衣「〇〇ー!」ギュッ

〇〇「うげっ、、、!」ドサッ

前の方から凄いスピードで走ってきた姉ちゃんに押し倒される。

そして、その後ろからはあやめがトコトコとやってきた。

あやめ「おはよ〇〇。」

〇〇「おはよ、、、姉ちゃんどけてくれない?」

あやめ「はーい。」ギュッ

返事をしたあやめは倒れてる僕と姉ちゃんに覆い被さってきた。

〇〇「話聞いてた?」

麻衣「あやめちゃんも甘えたいお年頃なのー。
   そうだよねー!」

あやめ「はい!2日もまともに話してないもん〜♪」

〇〇「2日だけでこんなになる?」

あやめ「なるも〜ん♪」ギュッ

〇〇「ったく、、、
   あと20分でリハーサル始まるから急ぐよ!」

僕は2人をなんとか押し退け、リハーサルの準備に取り掛かろう、、、としたが。

あやめ「〇〇おんぶー。」
麻衣「おんぶー。」

いや本当に2日話してないだけでこんなになる?

今日はやったらと絡んでくる2人。

〇〇「27歳が16歳と同じ要求しないで?
   さっさと行くよ!」

麻衣「、、、年齢の事はシンプルに傷つく。」

和「あっ、、、私たちはどうすればいい?」

〇〇「和と冨里さんはこの通路を真っ直ぐ行って
   突き当たりを右ね?そこに楽屋があるから
   そこで待ってて!」

僕は姉ちゃんとあやめを引っ張りながら言う。

和「わかったー!」
冨里「はーい!」

〇〇「うん!僕も2人を運んだらすぐ行くー!」

あやめ「むぎゅぅ、、、、、、」
麻衣「もっとやさしくして、、、」


東京ドーム、センターステージ。

〇〇「僕は他のスタッフさんに挨拶してくるから
   2人はゼッケンつけてリハーサルね!」

あやめ「〇〇ぎゅーして。」
麻衣「わたしもぎゅー。」

〇〇「それじゃ行ってくるね!
   、、、、、、あっ!おはようございます!」

僕は遠くに演出を担当している方を見つけ、挨拶へ回る。

2人のことは無視させていただきます。

あやめ「麻衣さーん、、、」

麻衣「あやめちゃーん、、、」

あやめ「最近の〇〇は冷たすぎませんか、、、」

麻衣「だよねー、、、」

あやめ「あっ!いいこと考えました!
    今日、一緒にお風呂突撃しませんか?」

麻衣「あ!それいいね!」

なんか2人が盛り上がってるけど、、、

〇〇「めっちゃ聞こえてるから。来ないでよ?」

あやめ、麻衣「「、、、、、、はい。」」


僕は沢山のスタッフさんに挨拶をし終え、和たちが待つ楽屋へ足を運んだ。

〇〇「ふたりともお待たせ、、、って大丈夫?」

和、冨里「「、、、、、、」」ガタガタ

冨里さんの緊張が和にも移り、2人で震えていた。

和「私みたいなのがこんな裏側に、、、」
冨里「オーディション受けるだけなのに、、、」

〇〇「姉ちゃんが勝手にやった事だから
   気張らなくていいよ笑。はい深呼吸!!」

和「すぅー、、、、、、」
冨里「はぁー、、、、、、」

和「すぅー、、、、、、」
冨里「はぁー、、、、、、」

〇〇「いやどっちか一方しか出来んのか。
   吸って吐いてよ。」


和「あー緊張する、、、」
冨里「だね、、、」

2人ともこのまま待ってたら耐えられなそうだな、、、

うーん、そうだなぁ、、、、、、あっ!

2人とも乃木坂入りたいならリハーサルの見学してみるのもいいのかな?

そうして僕は提案してみる。

〇〇「どうせだったらリハーサルも見てみる?」

和、冨里「「えっ!!」」

2人は目を輝かせて僕をみる。

和「行きたい!」
冨里「私も見てみたい!」


東京ドーム、スタンド席。

現在、ステージ上では"しあわせの保護色"のリハーサルが行われている。

和「わぁ、、、保護色だぁ!!」

冨里「MVの麻衣さんの表情が大好きなんだ〜♪」

和「えっ!私も私も!!」

2人は乃木坂談義に突入してしまった。

〇〇「あんまり騒がしくない様にね?」

和「はーい!それでさ!」
冨里「うんうん!」

〇〇「ほんとに分かってるのかな、、、」

2人が楽しそうに話してる様子を見てると、、、

ポンポンッ

僕の右肩が2回叩かれ、姉ちゃんと仲良しのある人の声がした。

??「よっ!久しぶりやな〜♪」

〇〇「あっ!今日のライブにいらしてたんですね?
   西野さん!」

西野七瀬。

姉ちゃんと同じ1期生のメンバーの1人。

昔から姉ちゃんと仲が良く、家にもよく遊びに来ていたため仲がいい。

今は女優として活躍中。


西野「まいやんのラストライブやから、、、って!」

〇〇「はい?」

西野「なんやその堅苦しい口調は!」

〇〇「いや今はマネージャーですし、、、」

西野「しかも西野さんってなんやねん、、、
   昔はよく"七瀬お姉ちゃん"って呼んでくれた
   やんか〜!」

〇〇「僕も16歳なんで。年相応ってやつですよ。」

西野「いややー!七瀬お姉ちゃんがええ!」

〇〇「駄々をこねないでください、、、」

西野「呼んでくれたらこねない!」

めんどくさい交換条件出してきたな、、、

しょうがないか、、、

〇〇「、、、、、、ちゃん。」

西野「え?なんやって〜♪」

くっそ、、、何でこんなに楽しそうなんだ、、、

〇〇「はぁ、、、七瀬お姉ちゃん、、、///」

西野「はーい♪」

なんだこの付き合いたてバカップルみたいなやり取り、、、

西野「〇〇がいるなら一緒に見たいなぁ。」

〇〇「それは別にいいですけど、、、」

西野「あっ。敬語も外してな?」

〇〇「いやもう癖みたいになって」

西野「駄々こねるで?」

〇〇「、、、いいよ。」

西野「うん♪」


七瀬姉ちゃん、、、人の扱いうますぎだろ、、、

〇〇「あと2人一緒に見る人がいるから紹介するね。」

西野「〇〇に友達おったん?」

〇〇「いるわ、、、おーい!2人とも〜!」

僕は話し込んでいる2人に声をかける。

井上「ん?どうしたの〇〇、、、」
冨里「〇〇くんも一緒に乃木坂の、、、」

西野「えー可愛い子やん!〇〇の友達??」

井上、冨里「「、、、、、、、、」」

2人とも動かなくなってしまった。

西野「、、、2人とも動かへん。」

〇〇「七瀬姉ちゃんが声かけたからね、、、
   ほらほら!目を覚ましなよー!」ユサユサ

和、冨里「「、、、、、、はっ!!」」

〇〇「立ったまま気絶する人初めてみた笑」

和「いま目の前になぁちゃんが、、、」
冨里「幻覚だよね、、、」

西野「なぁちゃんやで?」

和、冨里「「、、、、、、、、、、、、」」

また2人が動かなくなってしまった。

〇〇「もういいわ。」


そうしてついに開演10分前。

僕たちはメンバーの円陣を見学していた。

メンバーが全員揃った時、キャプテンの秋元真夏が口を開く。

秋元「それじゃあ今日から3日間のライブ!
   よろしくお願いします!」

「「「よろしくお願いします!」」」

秋元「どの公演もしっかり出し切って!」

「「「「はい!!」」」

秋元「まいやんに安心してもらえる様に
   集中を切らさずにやり切るよ!!」

「「「「はいっ!!」」」」

秋元「せーの!!」

「努力、感謝、笑顔、うちらは乃木坂上り坂46!!」


西野「いやー今日の円陣は気合が入ってたなぁ!」

〇〇「だね!」

井上「、、、あの中に入りたいな。」
冨里「、、、ステージで乃木坂の曲を歌いたいな。」

西野「おっ!2人とも燃えてるな〜。」

〇〇「あの円陣見たら焚き付けられるよね!」

井上「これからもっと頑張らなきゃ!」
冨里「うん!」

〇〇「あっ!そろそろ開演だから3人は座席に
   行っといて!」

冨里「〇〇くんは?」

〇〇「僕はまだ舞台袖でやることあるから。」

西野「うちもみんなに会うからまた後でな!」

和、冨里「「はい!」」

そう言って僕と七瀬姉ちゃんはその場に残り、メンバーの元へ行こうとする、、、

しかしその時。

??「あれっ!西野がいるじゃん!」
??「ほんとだー!久しぶりだなー!」

その時、2人の男性の声が背後からした。

西野「あっ!おひさしぶりですー!
   設楽さんに日村さん!」

設楽「久しぶりだね〜。卒業して以来じゃない?」

日村「ほんとだよ!いや〜嬉しいわ!」

西野「えへへ!うちも嬉しいですよ!」

設楽「、、、その隣のかっこいい子は誰?」

〇〇「、、、、、、、、、」ガタガタ

やばい。

さっきの2人みたいに震えてきた。

なぜなら僕はバナナマンさんの大ファんだから。

ライブDVDも全部持ってるし、ラジオも毎回聞いている。

特に好きなのは"赤えんぴつ"。

設楽「大丈夫?めちゃくちゃ震えてるけど笑。」

西野「あー、、、〇〇はお二人の大ファンやから笑。」

日村「あれそうなの?ありがたいね〜!」

設楽「〇〇、、、、、、あっ!白石の弟か!」

僕の名前を聞いて設楽さんが思い出したらしい。

姉ちゃんは乃木坂工事中で僕の話をめちゃくちゃするらしい。

オンエアでも何回か僕とのエピソードトークが流れている。

設楽「白石が工事中でよく弟の話するからな〜笑。」

西野「月1でしてますもんね笑。」

日村「この子が〇〇くんね?
   やっぱ白石姉弟は美形だなぁ、、、」

〇〇「いっ、、、いえ!そんなことは全く!」

設楽「はっはっは!〇〇君が美形じゃなかったら
   日村さん自殺しなきゃいけないよ笑。」

日村「ちょっと設楽さん笑。
   なんちゃうこと言うんだよ笑。」

あー、、、バナナマンさんのやりとりは最高だ、、、

こんな感じに僕が浸っていると。

スタッフ「すみませーんバナナマンのお2人!
     乃木坂工事中の撮影を再開しまーす!」

設楽「おっ。それじゃあ2人ともまたね。」

そう言って2人はテレビ撮影のクルーの元へ。

〇〇「はぁ、、、緊張した、、、」

西野「写真くらい撮ったらええのに。」

〇〇「写真なんて撮れないよ!緊張しすぎて!」

西野「〇〇はチキンやなぁ、、、」

〇〇「なんも言えない、、、」

西野「それじゃあ皆んなに会ってくるな〜。」


本番5分前のステージ裏。

僕はライブ前の影ナレの準備をしていた。

えっと、今日の影ナレは姉ちゃん1人か。

、、、今日でアイドル白石麻衣は終了。

今まで、すぐ側で姉ちゃんが色々なものを乃木坂に捧げてきた姿を見てきた。

その姉ちゃんが卒業というのは感慨深いものがある。

姉ちゃんの最後にしみじみとしていると、、、

麻衣「あっ!〇〇だ〜!」

〇〇「もう影ナレの時間だから準備してね?」

西野「はーい!」


〇〇「いやなんで七瀬姉ちゃんもいるのよ、、、」

西野「さっき今野さんに会ってな?
   うちも影ナレやることになってん!」

設楽「ついでに俺らもやるから笑。」

日村「なんか豪華な影ナレだね笑。」

後ろから七瀬姉ちゃんとバナナマンのお2人もやって来た。

〇〇「はっ、、、、こっ、、、こちらが原稿です!!」

設楽「そんな緊張しないでもいいよ笑。」

西野「ほんとにチキンやなぁ笑。」


〇〇「それでは3秒前。3、、、2、、、1、、、はい!」

麻衣「本日は乃木坂46白石麻衣卒業コンサートに
   ご来場いただきまして誠にありがとう
   ございます!白石麻衣です!!」

会場の方から割れんばかりの歓声が響いてくる。

麻衣「開演に先立ちまして、ご来場の皆様に
   お願い申し上げます。」

姉ちゃんが普段通りの原稿を読み進めていく。

すると、、、

麻衣「また開演中、ステージに駆け寄る、、、
   あー!一気に読んでると疲れるなぁー!」

わざとらしい演技を始める姉ちゃん。

麻衣「あっ!ちょっと良いところに暇そうな人が
   3人いますねー!これ読んで!」

西野「もうしゃあないなぁ、、、」

設楽「誰が暇そうな人だよ笑。
   そんなの日村さんくらいだよ笑。」

日村「いや俺も充分忙しい方だわ!」

3人の声に一段と歓声が大きくなる。

西野「えーっと、、、ここからか!コホンッ!
   また開演中、ステージに駆け寄る行為、
   握手等を求める行為、、、」

3人でローテーションしながら読み進めていく。

そうして影ナレも最終局面に。

日村「間も無く開演となります!!」
設楽「コンコースにおいでのお客様はお早めに
   ご自分の席にお戻りください!」

全ての文章を読み終わった時、姉ちゃんが影ナレに復帰した。

麻衣「あ!終わりました?」

西野「ちょっとまいやん!何やってたん?」

麻衣「喉乾いちゃったからお水飲んでた!」

設楽「おいこら笑。」

日村「俺らが必死に読んでるってのに笑。」

麻衣「あははっ!ごめんなさーい笑。」

西野「ほら早く締めて!」

麻衣「はーい!さぁみなさーん!
   今日はアイドル白石麻衣、最後の日です!
   盛り上がる準備は出来てますかー?」

「「「「「 いえーーい!!」」」」」

麻衣「最高の思い出を一緒に作りましょー!!」

「「「「「 いえーーい!!」」」」」


影ナレが終わり、僕は七瀬姉ちゃんと一緒に関係者席へ向かった。

席に着くと、和と冨里さんが凄い興奮していた。

和「ちょっと〇〇!早くこれ持って!!」

そう言って2本のサイリウムを僕に手渡す。

冨里「色は麻衣さんのにしといたから!」

〇〇「はいはい。」

七瀬「うちもまいやんの色にしよー。」

っていうかサイリウム綺麗だな、、、

冨里「私ね!これが初めてのライブなんだぁ!」

西野「サイリウム綺麗やろー?」

冨里「はい!やっぱりステージから見るサイリウム
   も綺麗に見えますか?」

西野「もちろん!めちゃくちゃ綺麗やで!」

冨里「やっぱりそうなんだ、、、!!」

西野「奈央ちゃんもいつか見れるとええなぁ!
   今度のオーディション受けるんやろ?」

冨里「はい!絶対に合格して見せます!」

西野「うんうん!その意気や!」

冨里「あっ!私、西野さんの"光合成希望"が
   大好きなんですよー!」

西野「ほんまに!嬉しいなぁ〜♪」


和「ねぇ〇〇、、、」

〇〇「なに?」

和「奈央ちゃんがいつの間にか西野さんと
  打ち解けてるんだけど、、、」

〇〇「和も混ざれば良いじゃん。」

和「無理だよぉ、、、奈央ちゃんが異常すぎる、、、」


そんなこんなでもう開演間近。

会場から"乃木坂46コール"が徐々に大きくなっていく。

そうして会場のライトが全て消え、Overtureが始まる、、、!!


Overtureが観客のボルテージをガンガンに上げる。

ファンのコールが会場に響き渡り、紫色のペンライトが勢いよく動いている。

ついにOvertureが終わる瞬間、スモークが会場に噴出された。

スモークが晴ると、メインステージ上に1人立っている。

白石麻衣だ。

そして、ギターの音が聞こえると、、、

麻衣「東京ドーム、、、、、、騒げぇーーー!!」

姉ちゃんの卒業コンサートがついに始まった。


それから姉ちゃんの乃木坂としての活動をなぞるようなセットリストが会場を盛り上げた。

数々の名曲を歌い終わった後、七瀬姉ちゃんが、、、

西野「ちょっと席外すな〜♪」

〇〇「えっ?」

そう言っていなくなってしまった。

なんでこんな中盤に、、、


ライブMC

麻衣「いやー本当に凄いね!
   ファンのみんなの勢いに飛ばされそう笑。」

真夏「ね!やっぱ卒業コンサートはいつも以上に
   盛り上がるね、、、悲しいけど笑。」

麻衣「真夏は最初から泣きそうだもん笑。」

真夏「双子のお姉ちゃんが卒業しちゃうから笑。」

麻衣「だからそれは違うってー!」

ライブMCは姉ちゃんと真夏さんで行われていた。

真夏「もうずっとMCしてたいなー。
   そしたらまいやんも卒業できないでしょ?」

麻衣「何言ってるのー笑。
   ほら早く次の曲紹介してー!」

真夏「はーい、、、、それじゃあ次はこちらです!」

真夏さんがそう言うと会場は暗転した。

そしてメインステージからある人物がスライドアップで登場し、ある曲が流れた。

、、、、、姉ちゃんとさっきまで隣にいた人のユニット曲。

心のモノローグだ。


七瀬姉ちゃんの登場に、会場は大いに盛り上がった。

心のモノローグが終わると、七瀬姉ちゃんは
姉ちゃんにハグをしてステージを去った。


〇〇「おかえり七瀬姉ちゃん。」

西野「ふぅ、、、久々に踊ったなぁ、、、」

冨里「七瀬さん!凄かったです!」

西野「ほんま?よかったわぁ〜♪」

和「はっ、、、はい!本当にかっこよかったです!」

西野「和ちゃんもありがとな!」

和「なっ、、、和ちゃん、、、///」


そこからライブは名曲の連続だった。

そうしてライブはラストの曲へ。

麻衣「本日は私、白石麻衣の卒業コンサートに
   お越しいただきありがとうございました。」

ドレス姿に着替えた姉ちゃんが話し始めた。

麻衣「私が乃木坂に入ってもう9年が経ちました。
   辛いこと、悔しいこと、悲しいことも、
   何度も壁にぶつかったことがありました。」

姉ちゃんが乃木坂に入って9年。

その間、僕には想像もできない苦難を経験して来ただろう。

家に帰ってくる時、姉ちゃんが泣いていることが数回あった。

その時に僕は何もできず、母さんと見守ることしかできないことが悔しかったことをよく覚えている。

そんな僕が乃木坂46のマネージャーになって、姉ちゃんと同じ職場で働くようになって、、、

少しは役に立ててたかな、、、


姉ちゃんのスピーチが終わり、今日のライブもフィナーレを迎える。

麻衣「それでは、本日最後の楽曲になります。
   聞いてください。じゃあね。」


ライブ終了後。

僕は七瀬姉ちゃんと一緒に楽屋へ向かう。

和と冨里さんはメンバー間に水を刺したくないらしく、先に帰宅することになった。

ガチャッ

僕と七瀬姉ちゃんは楽屋の扉を開ける。

するとメンバーのすすり泣く声で楽屋が埋まっていた。

〇〇「みなさんお疲れ様でした!」
西野「みんなお疲れー!」

できるだけ明るくいようと2人で話し合って登場したのだが、あまりみんなから反応がない、、、

〇〇「、、、ちょっとまずかったかな?」
西野「、、、テンション間違えたか。」

すると。

「「「、、、2人ともーー!!」」」ギュッ

メンバーのみんなが僕たち目掛けて走って来た。

〇〇「うおっ、、、よしよし。」ナデナデ

西野「みんな泣きすぎやって笑。」ナデナデ


メンバーの面倒をあらかた見終えた後、僕は姉ちゃんを探しに行った。

どうやらまだステージ上にいるらしい。


メインステージ。

麻衣「、、、、、、終わっちゃったなぁ。」

私は9年間と言う月日をこの場所で過ごして来た。

スピーチでも言ったように、辛いことも沢山あった。

でも比にならないくらい、楽しいことも沢山あった。

本当に、、、この場所でよかった、、、

タタタタッ

後ろから誰かが走ってくる足音がした。

〇〇「姉ちゃん!」

麻衣「おっ、愛しの〇〇だ〜♪」

いつものふざけた感じで〇〇に言う。

さぁ次は〇〇から『何言ってんの』みたいな言葉が出てくる、、、

〇〇「、、、9年間お疲れ様。」ギュッ

麻衣「、、、えっ?」

〇〇が私に抱きついて来た。

日頃、私から抱きつくことは数え切れないくらいあった。

しかし〇〇から抱きつかれたことは1度もない。

麻衣「どっ、、、どうしたの〇〇?」

〇〇「、、、僕は姉ちゃんの支えになれたかな。」

少しずつ言葉を紡いでいく〇〇。

〇〇「僕は姉ちゃんが泣いてる時さ。
   何も出来なかったのがずっと悔しくてさ、、、」

確かに乃木坂に入った当初、泣いて家に帰ることが多かった。

〇〇やお母さんに心配をかけないように
明るく振る舞ってたんだけどなぁ。

どうやらバレバレだったみたい。

〇〇「乃木坂のマネージャーになって、姉ちゃん
   や他のメンバーの皆さんを支えられるよう
   に頑張って来たんだけど、、、」

麻衣「、、、ありがとう。充分支えられてたよ。」

私は知っている。

〇〇が私のために頑張ってくれていたこと。

お母さんが忙しい時は朝ごはんを作ってくれてたこと。

私の出てる雑誌とか読んで、ちゃんとした感想くれること。

マネージャーになっても、私の名前を色んなところで売ってくれてたし。

昔からずーっと〇〇には支えられてたよ。

あぁ、、、やばいな。

泣いちゃいそう、、、だな、、、

〇〇「ねっ、、、姉ちゃん、、、ありがどぉ、、、」グスッ

麻衣「うん、、、私からもありがとう!」グスッ

ステージの上、姉弟だけの空間。

本当にいい弟を持ったなぁ、、、

麻衣「あっ!2人で写真撮ろうよ!」

〇〇「、、、いま泣いてるから無理。」

麻衣「そんなの私も一緒だから!
   いい思い出になるよー!」

私は〇〇の横に並び、〇〇のスマホを奪い取り内カメラにする。

麻衣「はい!チーズ!」

写真に写っているのは涙でぐしゃぐしゃになった
私たちの顔。

、、、今までありがとう〇〇。

これからもよろしくね!


other side...

西野「あれー?〇〇どこ行ったんやろ、、、」

私はメンバーの相手をしていたら急にいなくなった〇〇を探していた。

西野「うーん、、、あっ!おったおった!」

私はどこかに向かって走っている〇〇を見つけ、その後ろをついていく。

向かった先はさっきまでライブが行われていたステージの上。

そこにはまいやんが立っていた。

、、、これは行かへん方がええな。

私はステージの上を2人の空間にした、、、わけではない。

舞台袖からスマホのカメラを起動して、その一部始終を撮影し始めた。

だって、どんなやり取りするか聞きたいやん!


うぅ、、、

あの2人見てたら泣けてくるわ、、、

ほんまにええ姉弟やなぁ!

この動画みんなに広めたろ!


この3年後、〇〇から死ぬほど怒られた西野さんでした。

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