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推しに推されてるようです、、、
私立乃木坂高校、2ーB。
〇〇「はぁ、、、
やっぱめちゃくちゃ可愛いわ、、、」
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教室の最後列の左端。
高校生ならば誰もが憧れる席に僕、井上〇〇は座っている。
隣は空席だ。
だから人に気を使うことなく思う存分に動画を見ることができる!
そして眺めるのは先日に行われた『乃木坂46 5期生お見立て会』だ。
もちろんYouTubeでリアタイはしていた。
しかし、ある1人のメンバーを見るために何度も見返している。
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一ノ瀬美空さん。
彼女の弾ける笑顔に3秒で心を打ち抜かれてしまったんだ。
それに天性のアイドル適性!
見ているだけで幸せな気持ちになる凄い人なんだよなぁ、、、!
だけど、、、
美空ちゃんとはどこかで会ったことがあるような気がすんだよな。
それに会話もした気がするし。
どこだったっけかなぁ、、、
でもまぁ、そんなことあるわけないか笑。
〇〇「早く握手会とか行きたいなぁ、、、」
独り言を呟いていると教室に担任が入ってきた。
また面倒な授業が始まるのかと少し憂鬱な気分になりながらスマホをカバンにしまった。
先生「突然だが今日から転校生がこのクラスに
来るぞー。」
〇〇「え?」
この時期に転校生なんて珍しいな、、、
あっ、僕の隣がずっと空席だったのは転校生のためだったのか。
なるほどなるほど。
先生「それじゃあ入ってきてくれー。」
僕は正直、男だろうが女だろうが外国人だろうがどうでも良かった。
あーでも席は僕の隣だろうから話しやすい人がいいなー。
そんなことを思いつつ、頬杖をつきながら転校生が来るのを待っていた。
しかし次の瞬間から僕の高校生活が一変していく気がした。
??「失礼します!」
その声と同時に教室の扉が開き、転校生が入ってきた。
ひらりとスカートが見えた。
女の子だ。
うわー女の子と上手く話せるかなー、、、
僕って女友達とか居ないから不安だな、、、
え??
僕は目の前に置かれている光景を疑った。
先生「それじゃあ軽く自己紹介を頼む。」
一ノ瀬「福岡県から来ました、一ノ瀬美空と
言います!よろしくお願いします!」
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パチパチパチ、、、
クラス中が拍手をし、美空ちゃんに歓迎ムードを作り始める。
しかし僕は拍手どころの話ではなかった。
え?!
何で美空ちゃんがこのクラスに居るの?!
先生「それじゃあみんな仲良くしろよー。」
クラスメイト「「「はーい。」」」
一ノ瀬「先生!私の席ってどこになりますか?」
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先生「えーっと、、、」
頼む先生!!
僕の隣だけはやめてください!!
多分だけどなにも手につかなくなりそうです!!
ちゃんと明日から課題出しますからー!!
先生「一ノ瀬の席は最後列の窓際から2番目。
〇〇の隣な。」
一ノ瀬「はい!」
美空ちゃんが席に着くまで、クラスメイトのざわめきは治らなかった。
「めちゃくちゃ可愛い、、、!!」
「あんな顔に生まれたかったなぁ。」
「後で話しかけに行こうぜ!」
一ノ瀬「よいしょっと。よろしくね!」
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〇〇「よっ、、、よろしく、、、///」
一ノ瀬「〇〇君って呼んでいいかな?」
ごふっ、、、
推しに名前を呼ばれる破壊力ヤバすぎ、、、
一ノ瀬「私のことは美空でもみーきゅんでも
くーちゃんでも何でもいいよ!」
〇〇「じゃあ、、、美空ちゃんで、」
一ノ瀬「うん分かった!」
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あーー!!!
いちいち笑顔がキラキラしてて心臓に悪い!!
一ノ瀬「それでお願いなんだけどさ、、、」
〇〇「なっ、、、なに?」
一ノ瀬「まだ教科書とか届いてなくて
良かったら〇〇くんの見せて欲しいな💕」
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、、、、、、よし耐えた。
僕はいま舌を噛んで何とか踏みとどまっています。
ヤバすぎでしょ。
初っ端から飛ばしすぎやて。
〇〇「うっ、、、うん!大丈夫だよ!」
一ノ瀬「ありがとー!
それじゃあ、、、、、、よいしょっと!」
〇〇「え?」
一ノ瀬「ん?」
〇〇「なにしてるの?」
一ノ瀬「机寄せてる!
私って目が良くないから、、、ダメかな?」
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、、、、、、っ!!!
このままのペースで行ったら今日で僕の舌べら無くなるぞ?
この可愛さに耐え続けるって幸せすぎて辛い、、、
幸せと辛いって似てるな。
逆にしても普通に成立しそう。
そんなくだらない事を考えて頭を別の方に持っていかないと死ぬ。
美空ちゃんの可愛さにやられて死ぬ気がする。
〇〇「あー、僕の教科書使っていいよ!
多分だけどそんな難しくない授業だから!」
一ノ瀬「そっか、、、」
僕は一ノ瀬さんへ強引に教科書を押し付けて何とか自我を保った。
一ノ瀬「むぅ、、、、、、」
休み時間。
僕は授業が終わるチャイムが鳴った瞬間、僕は急いで教室から出た。
理由は簡単。
普通に心臓が保たないから。
次の授業が始まるまではトイレで時間を潰そう、、、
そうだ。
美空ちゃんの動画を見て少しでも耐性つけとこ。
まずは工事中の自己紹介から、、、
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そして約10分、僕は出来る限りの体制をつけてから教室へ戻った。
ガラララッ、、、
「一ノ瀬さん本当にかわいいね!」
「好きな食べ物とかってなに?今度いっしょに食べにいこーよ!」
「LINEとかやってる?交換しよ!」
一ノ瀬「あはは、、、」
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僕が教室に戻ると、クラスの中は美空ちゃんを中心に大きな人だかりが出来ていた。
やっぱり人気者だよなぁ。
ん?
でもなんか美空ちゃんの顔が疲れてるような、、、?
すると、次の授業を行う先生が教室の中へ。
先生「そろそろ授業始めるから席つけー!」
「えーなんでだよ!」
「もうちょいだけー!」
先生「早く席に着かなかったやつは留年なー。」
なんちゅう横暴教師だと思いつつ、みんなは渋々と自分の席へと戻って行った。
僕もそれに倣って自分の席へ。
すると皆から解放された一ノ瀬さんが僕に話しかけてきた。
一ノ瀬「あっ、〇〇君どこ行ってたの?」
〇〇「ちょっと他のクラスの子に会いに行ってて。」
一ノ瀬「そうなんだ、、、」
まぁそんな友達いないけど。
でも美空ちゃんに嘘つくのって心が痛む、、、
一ノ瀬「その友達って女の子?」
〇〇「え?」
まさかの質問に少しの間が出来てしまった。
まぁ男友達にしとくか。
〇〇「男だけど、、、」
一ノ瀬「そうなんだ〜♪」
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なぜか笑顔になる一ノ瀬さん。
〇〇「まぁ僕に女友達なんていないから笑。」
一ノ瀬「え?」
〇〇「え?」
一ノ瀬「私は?」
〇〇「えっ、、、友達って言っていいの?」
一ノ瀬「当たり前じゃん!
ちょっと傷ついちゃうなぁ、、、」
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〇〇「ごっ、、、ごめん!
じゃあこれから友達としてよろしくね!」
一ノ瀬「うん!
、、、、、、今は友達でもいっかな。」ボソッ
〇〇「ん?」
一ノ瀬「なんでもないよ〜♪」
〇〇「、、、そっか?
っていうか大変そうだったね?」
一ノ瀬「なにが?」
〇〇「いやさっき、クラスメイトのみんなに
囲まれててさ。」
一ノ瀬「あー、、、少し疲れちゃったかな笑。
でもアイドルだから慣れてかなきゃ!」
〇〇「すごいプロ意識だね、、、!」
一ノ瀬「心配してくれてありがと!
"やっぱり"〇〇くんは優しいね!」
〇〇「そんなことないよ笑。」
ん?やっぱりって、、、??
先生「おーい〇〇、一ノ瀬!
もう授業始まってるぞ〜。」
一ノ瀬、〇〇「「ごめんなさい、、、」」
僕と美空ちゃんは先生に怒られた後、一度顔を見合わせて笑う。
すると美空ちゃんが口パクで。
一ノ瀬(おこられちゃったね笑。)
〇〇(そうだね笑。)
その2人だけの空間が何より幸せだった。
こんな経験ができる一般人います?
こんな感覚に、僕の頭に浮かんだ疑問はすぐに消え去ってしまった。
それから僕は美空ちゃんとよく話をするようになった。
まぁ僕が一方的に話しかけられてるようなもんだけど。
一ノ瀬「ねぇ〇〇君!五期生の新しいMV見た?」
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〇〇「みたけど、、、」
一ノ瀬「そっかそっか!それでどうだった?!」
〇〇「なにが?」
一ノ瀬「もう!私だよわ・た・し!!」
〇〇「あー、、、やっぱり可愛いなって。」
一ノ瀬「、、、それだけなの?」
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少し潤んだ目をして僕を見つめる美空ちゃん。
〇〇「あっ!他にも表現力だったり、要所要所の
アイドル感もすごい良かったよ!」
一ノ瀬「えへへ〜///」
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なにこの子。
こんな可愛く笑う人類っていたんだ、、、
一ノ瀬「あっそうだ!
これオフショットなんだけどさ〜♪」
〇〇「うんうん、、、」
その日の放課後。
やっば!
今日が締め切りの課題を出すの忘れてた〜!
僕は廊下を爆速で走り、自分の教室へ向かっていった。
〇〇「ふぅ、、、なんとか間に合いそう。」
安堵した気持ちを抱え、教室の扉を開けて自分の机へ。
〇〇「えーっと課題は、、、ん?」
机の中をガサゴソと物色していると、一枚の手紙のようなものが出てきた。
白色の封筒が可愛らしいハートのシールで留められている。
〇〇「なんだろこれ?」
宛名は「〇〇君へ」。
差出人は、、、一ノ瀬美空?!
僕ははやる気持ちを抑えながら丁寧にシールを剥がして手紙を開けた。
〇〇くんへ。
まず、突然こんな手紙を送ってごめんね。
自分の口で言葉にするのが難しかったから
お手紙を書かせてもらいました。
なんで私が〇〇くんにお手紙を書いたかっていうとね?
私は〇〇君のことが大好きだからです。
急にこんな事を言われてもビックリするよね。
私が〇〇君の事を気になり出したのは、この学校に初めて来た時です。
その時、私は学校の中で迷っていました、、、
すると高学年の人たち2〜3人が私に話しかけてきました。
それは俺たちと一緒にどっか抜け出そうよってこと。
私は凄い怖かった。
だけど、すれ違う人はみんな見て見ぬ振り。
私に頼れる人は誰もいませんでした。
でもその時、ひとりだけ私を助けてくれた人がいたね。
そう、〇〇くん。
足は震えてたし声も裏返ってて、逆に私が心配になっちゃう位だったけど(笑)
だけどね。
あのときの〇〇くんは世界で1番かっこよかったよ!
本当だったら今すぐ気持ちを伝えたいけど、私はもう乃木坂46の五期生として活動しています。
だからせめて、〇〇君には私を推しに
してもらおうかなって!
それで色々とアプローチをかけようかなーって
思ってたの!
だけど〇〇くんは既に私を推しにしてたね〜♪
だからこれからはね?
〇〇君が他のメンバーに推し変をしないように
いっぱい可愛くなる!
これからも私のことをずっと見ててほしいな!
〇〇君の推しより💕
P.S
〇〇君を推してる私 & 私を推してる〇〇君の関係って相思相愛なのかな〜♪
あっそうだ!!
僕はこの手紙を読んで思い出した。
確かに上級生に絡まれてる女の子を助けたことあったな〜。
だから美空ちゃんに見覚えがあったんだ!
、、、、、、ってか!!
そんなこと言ってる場合じゃないわ!!
僕のことが好き??
どんな夢じゃ!!
ははっ、、、ないない笑。
もう美空ちゃんも面白いイタズラするな〜笑。
僕はその手紙を持ってたクリアファイルに入れ、目的の課題もきちんと回収して教室を去った。
明日、美空ちゃんに聞いてみよ。
翌日、教室。
一ノ瀬「あっ、、、〇〇くんおはよ、、、///」
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なんだか美空ちゃんの顔が赤いような、、、
まぁ気のせいか。
〇〇「おはよ!」
一ノ瀬「、、、お手紙見てくれたかな?」
〇〇「うん、ちゃんと読んだよ!」
一ノ瀬「そっかぁ///」
〇〇「うん!」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、
一ノ瀬「え?」
〇〇「え?」
一ノ瀬「、、、一応は告白のつもりだったんだけど。」
〇〇「え?」
一ノ瀬「まさか『冗談だろ〜』って流してた?」
〇〇「、、、ごめん。」
一ノ瀬「もう!ちょっと来て!!」
そう言って美空ちゃんは僕の手を引っ張って屋上へ連れて行った。
屋上。
美空「、、、ひどいよ、、、〇〇君ってば。」
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〇〇「ごめん!!」
一ノ瀬「あーあー。
傷ついちゃったなぁ〜。」
美空ちゃんの気持ちを蔑ろにするなんて最低だ、、、
でもなんだか美空ちゃんがニヤニヤしてるような?
いやいや!
そんなバカなこと考えてる場合じゃないっ!!
〇〇「本当にごめんっ!"なんでもする"!」
一ノ瀬「、、、なんでも?」
僕がその言葉を口にした瞬間、美空ちゃんがニヤリと笑った。
一ノ瀬「そっかそっか〜♪
私のためになんでもしてくれるのか〜♪」
そうすると美空ちゃんは僕の前にピョンっと立つ。
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一ノ瀬「今度さ!
私たち五期生のお見立て会やるんだ!」
〇〇「あー、、、
この前は居なかったメンバーを含めて?」
一ノ瀬「うん!それ見に来てよ!」
〇〇「え?」
一ノ瀬「この前に『チケット取れた!』って
言ってたでしょ?」
〇〇「まぁ、、、」
一ノ瀬「その時は私のグッズしか付けちゃ
ダメだよ!」
〇〇「美空ちゃんのだけ?」
一ノ瀬「うん!もし他のメンバーのグッズを
付けてたら、、、ね💕」
〇〇「はっ、、、はい!」
一ノ瀬「うむ!いい返事だ!」
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そしてお見立て会当日。
〇〇(元から美空ちゃんのグッズを付けて
参戦する気だったけど、、、)
僕は先日、美空ちゃんから言われた通りに美空ちゃんのタオルとペンライトを彼女の物で揃えた。
しかし、、、
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ランダム生写真では美空ちゃんを自引きする事はできなかった。
なのでしょうがなく、井上和ちゃんの生写真を首からぶら下げた硬質ケースにしまった。
〇〇「ヒキの写真だし美空ちゃんも見えないよな。」
、、、そう思ったんだけど。
お見立て会の翌日。
僕はまた一ノ瀬さんに呼び出されていた。
今度は手紙とかではなく直接。
一ノ瀬「、、、、、、、、、」
〇〇「、、、、、、あのー。」
一ノ瀬「お静かに。」
〇〇「、、、、、、はい。」
一ノ瀬「なんで和の生写真を持ってたんですかー?」
〇〇「いやこればかりは運の」
一ノ瀬「言い訳無用!!」
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〇〇「、、、はい。」
この後、1時間ほど美空ちゃんに叱られました。
推しに推されるのってめちゃくちゃ難しい、、、
美空「次に約束を破ったら許さないぞ💕」
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〈お知らせ〉
これから大学のテスト期間に入るため、8月の上旬まで更新が滞ると思います。
それまで気長にお待ちください、、、🙇