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もしも高校卒業以来、連絡は取ってたけど会っていなかった幼馴染が妊娠してたらドッキリ。
麗奈「えへへ、、、〇〇驚くかな〜♪」
守屋麗奈が座っている塗装の剥げかけたベンチ、この公園は昔から人がいないからなぁ。
私は小学校から変わらない風景に少しの安心感を覚えていた。
ただ、、、、、
麗奈「よいしょっ、、、、、タオル詰めすぎちゃったかな、、、」
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そう言いながら大きく膨れたお腹をさする姿は本物の妊婦のようだ。
なぜ私がこんな姿をしているかって?
それは今日、幼馴染の〇〇が上京先から帰ってくるからです!
麗奈「これみたらクールな〇〇もびっくりだよね!」
井上〇〇とは幼稚園からの幼馴染、私の思い出にはどんな時も〇〇が一緒にいたなぁ。
だけど高校を卒業の時、私たちは初めて離れ離れになっちゃいました。
〇〇は東京の大学に進学、私は近くの会社に就職、、、
OLとして慣れない仕事をこなしてる時も彼のことを思い出しちゃったり。
別に付き合うとか婚約とか、幼馴染以外の特別な関係性があったわけじゃないけど。
麗奈「早く会いたいな、、、」
心の中にぽっかりと、大きな穴が空いてしまった気分が1年も続いて、、、
ついに〇〇が地元に帰省してくることに!
普通に会うのも癪だからなんかドッキリをしてやろうってことです!
麗奈が待つこと数十分。
麗奈「うぅ、、、寒い、、、、、」
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3月も下旬だというのに冬並みの寒さです、、、
冷たい風に凍えながら〇〇を待っていると、公園の入り口あたりに少し大人っぽくなった彼が、、、!!
〇〇「、、、えっと、、、、、」キョロキョロ
麗奈「あっ!〇〇〜!!」
ベンチに座りながら、そしてお腹からタオルが落ちないよう気遣いながらやっと会えた人に手を振る。
久々に顔を見たけど、、、、、やっぱ安心する、、、
そんな彼も、私を見つけると微笑んでくれました!
〇〇「おっ、久々だ、、、な、、、、、」
おぉっ!流石の〇〇も私のお腹に気付いたみたいです!
鳩が豆鉄砲をたべちゃったよう、、、あれくったようだっけ?
とにかく驚いてるみたい!
麗奈「見てみて〇〇〜!私のお腹〜♪」
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本当に赤ちゃんがいるみたいにお腹を撫でてみたり、ヨシヨシしてみたり!
結構リアルなんじゃないかな!?
〇〇「えっ、、、、、、」
そんな私を見て、なんか急にお爺ちゃんみたいな力無い歩き方になってしまった〇〇。
うひひ、、、、、これはめちゃくちゃ驚いてるぞ〜!
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麗奈「どうどう?!」
〇〇「、、、、、、あっ、何やってんの!!」
麗奈「えっ!?」
数秒の間が空いて、急に私の方へ駆け寄ってくる〇〇。
そしてすぐに私の肩を優しく支えながらベンチへと促してくる。
〇〇「ほら、大事な命を授かってんだから無理すんなって!これも着て暖かくしとけって!
麗奈「あっ、、、ありがとう、、、」
自分の着ていたロングコートを雑に脱いで、優しく私に掛けてくれる。
フードまですっぽりと頭にかぶせてくれるけど、オーバーサイズだから前が見えない、、、
だけど〇〇の暖かさが全身に伝ってくる、、、久しぶりに感じる彼の暖かさだ。
〇〇「わざわざこんなところに、、、、さ、、、」グスッ
麗奈「〇〇、、、?」
〇〇「あぁ、ごめん、、、なんか泣けてきた、、、笑」
目に涙を溜めて寂しそうに、だけど気持ちを隠すように不自然な笑顔を作っている。
今までこんな顔見たことない、、、
〇〇「まじか、、、麗奈が母親になるのか、、、、、」
麗奈「あっ、あのね!」
〇〇「もう何ヶ月なの?LINEとかで言ってくれればいいのに」
麗奈「だから待ってって!違うの!」
1人でどんどん話を進めていっちゃう〇〇を何とか止めて、話をようやく自分のペースに出来た。
麗奈「嘘だよ嘘っ!ほらちゃんと触ってみて!」
〇〇「えっ、旦那さんに悪いし」
麗奈「早く触って!」
無理やり〇〇の手を取ってタオルで膨らんだお腹を触らせる。
フニフニとした感触を直に触らせてドッキリであることを伝える。
麗奈「ほら!〇〇を驚かせようと思ってドッキリしてたの!」
〇〇「えっ、、、じゃあ子どもは、、、、」
麗奈「出来てないってば〜!」
私の言葉を聞いてようやく、〇〇を状況を理解したみたい。
こんなに察し悪かったっけ、、、
〇〇「はぁぁぁ、、、良かった、、、、、」
麗奈「え?良かった?」
〇〇「マジで麗奈が結婚したのかと思った、、、」
ベンチに大きくのけ反りながら安堵の言葉を漏らす〇〇。
そんな驚いてくれたんだ、、、
麗奈「へへっ!ドッキリ大成功〜♪」
〇〇「、、、、、、、、、」グスッ
え?〇〇が泣いちゃった、、、?
いつも冷静で落ち着いた〇〇がこんな取り乱すなんてほんっとうに見たことがない。
麗奈「だっ、、、大丈夫?!」オロオロ
〇〇「大丈夫じゃねぇよ、、、」
麗奈「どうしたの、、、?お腹痛い?」
〇〇「小学生じゃねぇんだから、、、」
彼は溢れそうな涙を指で乱暴に拭い、大きなため息を吐きながら私に向き合ってくる。
そして右手を私の方に伸ばして、、、
麗奈「むにゅっ、、、にゃに、、、、、、」
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〇〇「ガチで焦ったし、死ぬほど悔しかったんだけど?」
麗奈「にゃんで、、、?」
〇〇「僕以外のやつにさ、麗奈が盗られたかと思ったんだけど」
そう言って私のほっぺたを摘んだ手を戻し、またため息。
いたた、、、、ん?
今の〇〇って何て言ってた?
麗奈「私のこと盗られる、、、って?」
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〇〇「、、、、あのさ、彼氏いる?」
麗奈「えっ?!」
〇〇「いるの?」
何でそんなの急に聞いてくるの、、、///
高校までは〇〇とずっといたし、就職してからは忙しかったし、、、
恋愛なんてしている時間も余裕もなかった。
麗奈「付き合ってる人は居ないけど、、、///」
〇〇「そっか。じゃあ僕と付き合お」
麗奈「うんいいよ、、、、、、え??」
〇〇「だから僕と付き合って?」
麗奈「えぇっ?!」
真っ直ぐと私の目を見つめてくる〇〇、どうやら真剣みたいだけど、、、
麗奈「なんで、、、///」
〇〇「ずっと麗奈が大好きだったから、僕だけの麗奈にしたいから、、、、、って重いか」
麗奈「ふぇぇ、、、、、///」
〇〇「麗奈のちょっと抜けてるところも、明るい性格もさ、、、」
さっきまで寒さで凍えていたほっぺが熱を帯び、真っ赤になっていくのを感じている。
そんな私とは対照的に〇〇は淡々と私の好きなところをずーーっと話してくれている、、、///
〇〇「、、、とか麗奈の好きなところはいっぱいあるよ」
麗奈「もう許してぇ、、、///」
〇〇「で、麗奈は僕のことどう思ってる、、、かな」
麗奈「うぅ、、、大好きだよぉ、、、、、///」ギューッ
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恥ずかしさのあまり、〇〇の方に倒れ込む、、、けど。
お腹のタオルがつっかえてちょっと届かない、、、
〇〇「あとでたくさんぎゅーしよっか?」
麗奈「する、、、///」
〇〇「、、、もっと早く言えば良かったな」
麗奈「〇〇のせいで私の方がドキドキしちゃったじゃん!」
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私はお腹に詰めていたタオルを全て取り出しながら頬を膨らませる。
麗奈「よいしょ、、、ふぅ、、、、、」
〇〇「、、、、、、、、、」チラッ
重さが抜け、スッキリとしたお腹を見ている〇〇。
そんなにびっくりしたのかな?
〇〇「、、、、、、あのさ」
麗奈「ん〜?」
〇〇「僕もちゃんと経済的に自立できたら2人で暮らそ」
麗奈「うんっ!〇〇とならお婆ちゃんになっても楽しそう!」
〇〇「そうだね笑」
2人でお腹に入れてたタオルを持ち、手を繋げるようにして私のうちへ。
いつかはこんなドッキリじゃなくて、、、ね!
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数年後。
麗奈「ねぇ〜!そろそろお医者さんのところ行かなきゃ!」
〇〇「準備できてるよー」
麗奈「えっ!じゃあ服着るの手伝ってー!」
〇〇「はいはい笑」
あれから〇〇も大学を卒業し、結局は地元からちょっと離れた良い会社に就職しました。
そして夢にまで見た〇〇との同棲生活!
〇〇「大丈夫?お腹きつくない?」
麗奈「うん!ありがとぉ!」
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数年間のカップル生活を経て、ついに私たちの元にも赤ちゃんがやって来ました!
あっ、今度はタオルを詰めたやつじゃなくて本物です!
〇〇「じゃあ行こっか」
麗奈「うんっ!」
マタニティウェアに袖を通して、〇〇に手を引いてもらって駐車場へ。
ドライバー〇〇さんの安全運転で病院へ行きます。
〇〇「大丈夫?段差とか気をつけてね?」
麗奈「だいじょうぶで〜す!」
〇〇「いや麗奈って抜けてるところあるから、、、」
麗奈「そんなことないもん!もうママになるんだよ!」
赤ちゃんが出来たって判明してから、〇〇もママみたいに過保護になっちゃいました。笑
今も車に乗ろうとしてるだけでいろいろ気を遣ってくれる。
〇〇「足元気をつけてね」
麗奈「分かってるって〜、、、、、いたっ!」ゴンッ
〇〇「ほら頭ぶつけた、、、」
、、、、、、これから気をつければ良いからね。
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病院へ向かう車の中。
麗奈「名前とか何が良いかな〜♪」
〇〇「女の子だから綺麗なのが良いな、、、麗奈みたいに」
麗奈「じゃあ麗奈にする?」
〇〇「なんでだよ」
産まれてくるまであと3ヶ月くらい、早く赤ちゃんに会いたい気持ちが日に日に強くなっていく。
以前に病院へ行った時に性別は女の子だって分かりました!
麗奈「〇〇みたいにクールな子かな?」
〇〇「麗奈みたいにおっちょこちょいの子かも」
麗奈「なにそれ〜!」
〇〇「まあどっちにしろ可愛いだろうな〜」
麗奈「当たり前だよね〜♪」
2人で築き上げてきたこれまでの過去、そしてこれからも。
あっ、今度は"3人"でかな?
とにかく、未来が楽しみでしょうがないです!
麗奈「〇〇!ありがとう!」
〇〇「こっちのセリフね」
麗奈「えへへっ!これからもよろしくっ!」
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