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新成人の幼馴染組でお酒を飲んだ結果。

PM10:24 〇〇の家。


「「かんぱ〜い!!」」


俺の家のリビングに置かれたローテーブル、1ヶ月前に新調したばかりのカーペットに3人の幼馴染は座っている。

手にはまだ持ち慣れていない缶ビールやら缶チューハイやら。


??「いや〜私たちもこんな年齢なんだね〜♪」

??『大きくなったねぇ。』

〇〇「まぁね、幼稚園から一緒なのに、、、
   っていうか美空と桜って酒とか呑むの?」


美空「呑まな〜い!」 川崎「桜も!」

今日は『みんな20歳になったよ記念パーティー!』(一ノ瀬命名)の開催日。

日頃から連絡は取ってるけどタイミングが合わずに今日まで延期になってました。

それに俺と桜は大学が一緒だけど、美空は別の大学に進学したし、、、


美空「ん〜っ!
   2人とも会いたかったよ〜!」

〇〇「なに、もう酔ってんの?笑」

美空「ちーがーう!
   率直なこと言っただけじゃん、、、///」

川崎「まあまあ、美空が1番〇〇に会いたが」

美空「ちょっ!さくらっ!!」

〇〇「夜遅いんだからうるさくすんなよ笑
   俺の家だから文句も俺に飛んでくんのー。」


とまあこんな感じに騒がしいのは10何年前からずっと一緒。

幼稚園のお泊まり会では騒ぎすぎて先生の怒られ、中学校の修学旅行の自由時間では3人で逸れて怒られ、高校の体育祭では、、、、、まあちょっとね。


美空「もぉ、、、!
   お酒飲んで大暴れしてやる、、、、、」

川崎「じゃあ私も〜♪」

〇〇「だからやめろって!笑」


振り返ればいつの時代も思い出の中にはこの2人がいたな。

学校に登校するにも、勉強するにも、喧嘩するにも、、、

そういう"親友"がいるっていうのは幸せなんだな。


〇〇「そんじゃ俺も呑もっかな〜。」

川崎「いっきいっき〜!」

美空「がんばれ〜♪」

〇〇「昭和のパワハラ上司やめろ。笑」

コンビニで買ってきたさきいか、ポテトチップス、冷凍の枝豆などいろいろ。

いわゆるツマミってやつを桜と美空がたくさん買い込んできたのでありがたく貰う。

こういうのがあるのとないので酒の進むスピードは変わりますからね〜。


美空「うぇぇ、、、ちょっと苦いかも、、、、、」


おっ、美空はまだまだビールを飲み慣れていない様子。

昔から甘いものが大好きだからちょっと合わなかったかな、、、笑


川崎「美空はまだまだ子どもだね?
   さくらはまだまだ飲めましゅよ〜!」

〇〇「いや舌ベラ回ってないじゃん笑」


桜は桜で、驚きのスピードで酔いが回っている様子。

いつもより数倍ふにゃふにゃした喋り方に、、、笑


〇〇「ほらほら、急いで呑むと明日がしんどいぞ。
   ちょっとはセーブしとけ?」

川崎「うぇへへ、、、〇〇く〜んっ!」ギュッ

〇〇「抱きつくなー。」ナデナデ

川崎「んっふふ、、、///」


んー、俺も酔いが回ってきたかな。

俺の膝に乗りかかるように抱きついてきた桜の頭を撫でる。

普段だったら恥ずくて死んでもしないけど。


美空「むぅ、、、、、んんっ!!」ゴクゴクッ

〇〇「は?」

美空「んっ、、、んっ、、、、、、ぷはぁっ!!」カンッッ

〇〇「おい美空っ!そんな一気に飲むなって!」

美空「うぅ、、、うるしゃいっ!
   みーきゅんの目の前でイチャつくなー!」

よく分かんないけど美空が急に350mlの缶ビールを空になるまで一気に飲み干した。

あんな苦手だったのにどうした、、、?


美空「ほらみーきゅんも撫でろアホーッ!」ギュッ

〇〇「おいおい、、、」

美空「ほりゃぁ!
   美少女の頭をにゃでにゃでするチャンス!」

川崎「うぇへへ〜♪」


一気に酒を飲んだせいで顔が耳まで真っ赤になってしまった美空。

あとそんな美空の様子なんて全く知らんぷりの桜。


〇〇「はぁ、、、分かったよ、、、、、」ナデナデ

美空「うひひっ♪」

川崎「あー!さくたんも撫でて〜!」

〇〇「はいはい、、、」ナデナデ

川崎「やったぁ〜♪」


なんか急に2児の父親になった気持ちなんだが、、、

こいつらは元から甘えん坊気質ではあったけどここまでになるなんて見たことがない。


美空「えへへっ!
   〇〇の彼女になったみた〜い、、、///」

川崎「おっ、美空も私の気持ち分かるんだ〜♪」


美空「え?」
〇〇「は?」


川崎「私たちっていつも寝る時はこんなだよねぇ〜♪
   たまに〇〇が寝かせてくれない時も、、、///」


なんか桜が根も葉もないことをベラベラ喋ってるんだけど、、、

これも昔からよく見る光景かな。


美空「はっ、、、はぁぁっ?!」

川崎「あははっ!」

〇〇「美空もこんな嘘にいつまでも騙されんなよ〜
   あと桜は妄想で俺を使うのやめろ。」

美空「嘘なの、、、なんだよかったぁ、、、!!」


っていうか2人とも早く俺の膝から退いてくれないかな。

女友達を膝枕してるっていうよく分かんない構造になってるから。


美空「、、、、、、」 川崎「、、、、、、」

〇〇「え?なに急に黙って怖いんだけど、、、」


さっきまですごい騒がしかったのに、急に黙りこくって俺の足に体重をかけ始める。


川崎「〇〇はどっちが好き、、、かな。」

美空「えっ?!それ聞くのっ?!」


〇〇「なに"どっち"って?」


すると桜はゆっくり、美空はなんかドタバタしながら俺の太ももから起き上がる。

そして空いたツマミの袋や空き缶の散らかった机に両腕を乗せて何とか自立。

2人とも酔いが回ってフラフラしてる、、、


川崎「〇〇くんは高校のあれ覚えてますか〜?」

〇〇「あれ?」

美空「その、、、体育祭の借りもにょきょうしょぉ、、、」

〇〇「、、、借り物競走か。
   だけど別にそんな変なことなくね?」


こいつらよく覚えてんな、、、

とりあえずできる限りの嘘をついてその場しのぎを。


美空「〇〇の嘘つきー!
   あの後すっごい気まずそうにしてたくせに!」

川崎「そうだぞ〜?」


2年前、乃木坂高校の体育祭。


これは俺たちが18歳の高校3年生の時、夏場に行われた体育祭の時だ。

そして俺が借り物競走のメンバーとして選ばれた時です。


川崎「〇〇〜、頑張ってね〜?」

美空「いざとなったら私のこと使ってもいいよ?
   都合のいい女みたいに、、、、、」

〇〇「はいは〜い。」

美空「ちょっ!触れてよ〜!」

こんな感じにガヤガヤしながら俺は集合場所に行き、スタートラインに立った。

面倒なお題じゃなきゃいいけど、、、


『よーい、、、ドンっ!!』パンッ


スターターの声とピストルの音がした。

とりあえず他の奴らと同じくらいのスピードで走って札が置いてある机のところに、、、


〇〇「えーっと、、、、、は?」


美空「〇〇のお題はなんだろ?」

川崎「でもあの顔してるってことは
   あんま良いお題ではなさそうだねぇ。」


〇〇「、、、んんぅ、、、、、、」


美空「すごーい渋い顔してる。」

川崎「うん、私たちがアポ無しでお家に遊びに
   行った時みたいな顔してる〜笑」


〇〇「誰だよこのお題いれたの、、、!」

山下『あれれ〜?
   3コースの〇〇くんの足が止まってますね〜♪』

入れたのあいつか、、、、、放送部の山下美月。

余計なちょっかいが大好きなクラスメイトです。

今も放送部のテントの下でニヤニヤしながらこっちを見ている。


山下「さてさてっ!
   みーきゅんかさくたんか、、、どっちかな〜?」

〇〇「あんにゃろ、、、!」


川崎、美空「「??」」


どうしようかな、、、

この"お題"で波風立たせないようにするには、、、


??「お兄ちゃ〜ん!がんばれー!」

〇〇「あっ、いた、、、」


俺は桜と美空が待ってる応援席とは真逆の方向、俺に向かい一生懸命に声援を送ってる女の子の方へ向かう。


〇〇「彩!おいで!」

彩「えっ?!」

〇〇「いいからおいで!」

彩「うんっ!」


山下「あぁ、、、、、つまんないなぁ。」


俺は妹の彩を連れてゴールテープを2番目に切った。


彩「やったねお兄ちゃん!銀メダルー!」

〇〇「あーうん、ありがとね、、、」ナデナデ

彩「うんっ!」


川崎「ってやつ!覚えてるだろー!」

美空「そうだそぁだー!」

〇〇「だからなんだよ、、、
   あれは彩を連れてったから問題は」


美空「あの時のお題さ、私たち知ってるんだ〜。
   終わった時に美月さんに教えてもらった!」

川崎「ね!『あなたが好きでたまらない人』って!」


〇〇「あいつ、、、、、」


確かにあの時、俺が引いたのは『好きな人』っていうお題だった。

まあ彩は『お兄ちゃんはあーやが好きなんだ〜!』ってすごい喜んでくれたけど、、、


美空「そんで!
   私と桜のどっちと結婚しゅるのっ!!」ギュッ

〇〇「結婚って、、、ちょっと酔い過ぎだぞ。」

川崎「いやっ!
   〇〇はさくたんと結婚するのー!」ギュッ

〇〇「だから落ち着けって、、、」


なんか状況が何分か前に逆戻り。

酒臭い美女が両サイドから抱きついてきます。


〇〇「ったく、こいつらと酒飲むのやめよ、、、」


川崎「しょんなこと言わにゃいで、、、すぅ、、、」

美空「うん、、、もっとにょむ、、、、、すぅ、、」


〇〇「いや寝るんかい!」


もうこいつらの考えてること分かんないわ、、、


AM1:38


美空、川崎「「すぅ、、、、すぅ、、、、、、」」

〇〇「ぐぅ、、、、ふぅ、、、んんっ、、、あれ?」


2人をなだめ続けてたらいつの間にか眠ってしまったらしい。

いてて、、、、、こいつらの頭が乗っているから足がくそ痺れてる。


〇〇(、、、トイレ行きたいんだけど。)


あーくそ、まだ頭もはっきりしてないわ、、、

俺も酒はあんま強くないのに調子に乗っちゃったな〜。


〇〇(こいつら起こさないように、、、よっ、、、、、)

美空「んんっ、、、、、すぅ、、、」


まずは美空の頭を優しく持ち上げてクッションを代わりに。


川崎「すぅ、、、うひひっ、、、、、」

〇〇(何で笑ってんだ、、、っと、、、、、)


次に桜の頭をゆっくりと持ち上げ、今度は枕を間に挟んだ。

よし、足も自由になったしやっとトイレに行ける、、、


〇〇「よいしょ、、、」

美空、川崎「「すぅ、、、すぅ、、、、、」」


俺は2人を起こさないように静かに立ち、静かにドアを開けて廊下に出た。


美空「、、、、、、起きてる?」

川崎「うん、〇〇にチューされちゃった〜♪」

美空「そっ、、、そんなわけないでしょ!
   もう嘘には騙されませんっ!」

川崎「ちぇっ、、、」


ガチャッ、、、


廊下の方からトイレのドアが開く音がした。


美空「あっ、帰ってくるね、、、」

川崎「どうする?
   決着はまた今度ってことにする?」


美空「うん、、、もっとアピールしなきゃ♪」

川崎「今度はほんとにチューしてもらおっ♪」


ガチャッ


美空、川崎「「すぅ、、、すぅ、、、、、」」


〇〇「よく寝てんな〜。
   悪いけど俺はベッドの方で寝よ、、、」


一ノ瀬、川崎「「、、、、、、、、、」」


翌日、AM7:14


〇〇「すぅ、、、、すぅ、、、、」


なんか掛け布団がいつもより重いし暑い、、、

それにさっきから首元が一定のリズムで空気みたいなのが当たる。


〇〇「んんっ、、、なんだ、、、、、?」


あれ、起きあがろうとしたんだけど体が動かない。


〇〇(くっそ、、、よいしょっ!!)


フニュッ、、、


無理やり両手を動かすと何やら柔らかい感触が、、、


一ノ瀬「うにゃっ、、、///」 川崎「いやんっ、、、、///」


〇〇「はぁっ?!」


一ノ瀬「もぉ、、、朝から大胆だね、、、///」

川崎「そんなに急がないでもいいのに、、、///」

〇〇「おっ、、、!お前ら何やってんの?!」


俺の両脇にはいるはずのない2人の幼馴染、やけに服をはだけさせた状態で。

桜に至ってはブラ見えてるし、、、///


一ノ瀬「え?〇〇が抜け駆けしようとするから?」

川崎「1人だけベットはずるいよね〜?」


〇〇「わっ、悪かったから服ちゃんとして、、、///」


川崎「桜は眠いから無理〜♪」ドサッ

一ノ瀬「じゃあ美空もまだ眠い〜♪」ドサッ


川崎、一ノ瀬「「まだ一緒に寝てよ?」」


〇〇「はっ、、、はい、、、、、///」


決めた、こいつらと酒飲むのはもうやめよ、、、


川崎「次はいつにしよっか!」

一ノ瀬「今度はもっと長いお泊まりしよ?」


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