卸営業
世の中、生成AIのおかげで「DX」が再び注目されてきたように感じます。
Kaizenの須藤さんからのアドバイスで、Googleトレンドを定期的にチェックしています。「DX」については、過去5年間でじわじわと上昇傾向にあり、なぜか年始に数値が跳ね上がってますね。「今年こそはDXやるぞ」という年始の決意表明でしょうか。
消費財流通業界も同じですね。いろんなとこでDXを掲げていますが、「流通業界のDXとは何か?」を考え始めると、「分かりません」というのが正直な出発点です。正確には仮説はあるものの、それを実証したことがないので、断言できないんです。そこは熟成しきった30年モノのビジネスとは違います。だから、リテールDXに本気で取り組む一部の企業は、「現時点での仮説(目標)を大切にしつつ、柔軟に変化させる戦略」をとっています。
では、流通とは一体何をしているのでしょうか。その基本的な部分はGPTくんにお任せするとして、もっとグレイな話をしていきましょう。今回から早速、卸売業の営業活動に焦点を当てます。
「とにかくクソ忙しい」 卸売業の営業は、朝から晩まで非常に忙しいです。主に「バイヤー対応」「社内対応」「メーカー対応」の三つに整理します。「営業」って基本的にそういうものですが、常に誰かのために動いている「愛の奴隷」と自嘲しています。いや自自嘲というより誇りに思ってるかも。「むしろ言われたい」的な。結構流通界隈では好評です笑。
「バイヤー対応」では、商品に関するあらゆる問い合わせ、商品手配、欠品対応、クレーム対応などを行います。J-MORAに代表する商品登録もここに入りますね。私の当時は、朝から晩まで小売業の本部にいて、ほとんど一緒にいました。その得意先が好きだったのもありますが、別々にいると5分に一度は電話がかかってくるので、一緒にいた方が効率的だったんです。
「社内対応」は、資料作成などが主です。営業は対外的な売上のほぼ全ての情報を握っている、唯一の部署であるため、様々な報告が必要になります。構造上、やむを得ないことだと思っています。ここではコツが必要で、例えば得意先や特定メーカーの進捗など、常に聞かれることへの答えを準備しておきました。んま、いろいろな企業の現場と会話していますが、どこも一緒すね。
「メーカー対応」では、どの卸売業から商品を仕入れるかを決める「帳合」という商習慣があります。例えば「ハウス食品のカレーはこちらの問屋さんから仕入れます」といった感じです。メーカーの帳合が多ければ多いほど、商談や問い合わせが増え、忙しくなります。私は当時、約500社の帳合を管理していて、神セブンと呼ばれる売り上げ上位のメーカーさんといつも一緒にいました。一方で小規模のメーカーさんのポテンシャルを100%引き出せなかったのは今でも悔やまれます。
そうそう、たぶん、卸売営業は「ドM」でなければ務まらないでしょうね。あるいは「自己犠牲」とも言えるかもしれません。それを総じて「泥臭い」と呼んでいます。
うわ、気づけば簡単に1000文字を超えてしまいました。
次回は、3つの活動の中でも「バイヤー対応」について詳しく掘り下げます。
※扉絵「伝統的な泥臭さとデジタルの効率性を融合させた、現代の卸売営業担当者」を生成。手がいっぱい、、、、、
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