成功法則その33【あきらめる前に専門家の意見を聞く】
壁にぶち当たった時、追い込まれたとき、人は悩み苦しみ解決策がなかなか見つかりません。特に「先に進むか撤退するか」という判断には慎重に決断には時間がかかります。
特に「撤退するか」という判断は、早すぎれば、みすみす得られる利益を放棄することになりますし、遅すぎれば負債を負ってしまったり手遅れになることが多々あります。
このような重要な判断の時は最終的にはその道の「専門家」に相談すべきだと考えています。病気の場合は主治医に相談するし、最近は別の医師にもセカンドオピニオンを求めることもあるでしょう。身近な医療分野では専門家の意見を仰ぐことが常識となっています。
一生に何度も経験しないような一大事のときはどうでしょうか。破産、起業、事業撤退、人権侵害、暴力、、、しかるべき地位のある人は顧問弁護士と契約しているので困ることはないと思いますが、一般の場合は専門家に相談した方が良いと思います。市役所には無料の相談窓口があります。
いろいろ考えてもダメな場合は最終的に「専門家」に相談しましょう。債務(負債)免除を受けられる場合、補助金(助成金)を受けられる場合。異なった方法を選択できる場合。撤退せずに多少の追加投資をして先に進んだ方が良い場合。今すぐ撤退した方が軽傷で済む場合。様々な場合があります。
私の苦い経験をお話しします。卒業して最初に努めた会計事務所で働いて得た給料の中から毎月貯金をしていました。これは将来独立して税理士事務所の開業資金に充てるためのお金です。多少まとまった額になったので人生初の株式投資を始めました。IBMというアメリカの会社の株式を買ったのですが、1週間後に大暴落して株価が半値になりました。ブラックマンデーだったと思います。
悔しくてたまらず、その後10年は保有していました。いわゆる塩漬けです。結局、独立したときにはこの資金は使えなかったのですが、10年持っても元に戻らないのだからと売却したところ、今度はすぐに株価は2倍になりました。半値になったときの2倍は悔しい思いをしました。
この頃は、あまり株式投資について勉強をしていなかったので知識もなく情報収集も怠っていました。しかし、この時に詳しい先輩や投資顧問との契約があれば、きちんと相談してもっと上手な資産運用をできたはずです。
もうひとつ私の経験をお話しします。今度は専門家に相談したので、結果がよかった場合の話です。親戚に個人事業をやっている人がいました。
この人は債務超過で破産状態となり、この人の配偶者が自分が被保険者となっている保険金で負債をなんとかしようと企み行方不明となってしまいました。遺書が見つかったのです。
冷静に考えれば、自己破産を申請すれば債務は免除となり、そのための裁判費用や弁護士費用も300万円あればなんとかなる話でした。その配偶者はそのような知識がなかったため、また誰にも相談せずに行方不明になるを敢行しました。自ら命を絶とうと山中をさまよい続けたようです。
知らせを受けた私はすぐに弁護士に相談しました。弁護士のアドバイスはつぎの通りでした。
① 警察に捜索願を出すべきだが、探してはもらえない。
② もし本人から電話があれば、
「すべて解決したから帰ってきなさい」と言いなさい。
③ 自己破産手続きに必要な300万円を集めなさい。
本人から他の親族あてに電話連絡があり、上記②を伝えました。この時に備えて、全親族が「すべて解決したから帰ってきなさい」という嘘をつくこと共有していました。
この話の顛末ですが、その配偶者はノコノコと帰ってきて捕獲され、お金を払って本人の個人事業を自己破産をしました。その後夫婦で普通に暮らしています。
私がこの時得た教訓はつぎの2つです。
① 最後は専門家に相談すべき。
② 嘘も方便