宇宙へ 株式投資【三菱重工】027 三菱重工技報より⑧ 宇宙用ライフサイエンス実験装置の開発
著名投資家であるウォーレンバフェット氏の教え「その会社の社長になりたいと思えるような企業に投資せよ」・・・これに従い私も社長になりたいような会社を探しています。
私は小学生の頃からの憧れ・・・「宇宙」に関連した日本の株式会社「三菱重工」を会社四季報の中から見つけ出しました。この会社の社長になりたいくらい「三菱重工」という会社が大好きです。
もっと詳しくなりたいので、いろいろと調べ物をすることにしました。 今回のシリーズは次のような資料に基づいて情報収集を行っています。
・会社四季報(東洋経済)
・公式ホームページ(三菱重工)
・有価証券報告書(三菱重工)
・中期経営計画書(三菱重工)
・日本経済新聞
ちなみに猫の写真は内容と無関係です。私が猫好きなので選びました。
三菱重工の公式HP内に「三菱重工技報」の記載があるのを見つけました。ここには製品・技術に関するレポートがあります。そのうち「航空宇宙特集」というテーマが6件ありましたので、少しづつアップしてみたいと思います。
(027)三菱重工技報より⑧ 宇宙用ライフサイエンス実験装置の開発
Vol. 42 No. 5 (2005) 航空宇宙特集
宇宙用ライフサイエンス実験装置の開発
※ 上の論文をAIを使用して以下のとおりまとめました。2005年現在の情報です。
日本における宇宙実験装置の開発状況
日本は、スペースシャトルを用いた宇宙実験開始から約15年、主にライフサイエンス分野の実験装置開発に力を入れてきました。中でも、三菱重工が開発した水棲生物実験装置は、長期間の飼育が可能で、その技術は海外からも高く評価されています。
水棲生物実験装置: 最長3ヶ月の飼育が可能で、2006年頃の開発開始を目指しています。
細胞培養装置: 軌道上で1GとμG環境の比較実験を可能にする世界初の装置で、2007年夏期の打ち上げが予定されています。
回収カプセル型生物実験システム: 哺乳類(マウス)飼育実験装置を搭載した小型衛星で、生命維持技術や回収技術などの基礎技術取得を目指しています。
これらの装置開発を通して、日本は有人宇宙開発に必要な基盤技術の確立を目指しています。
主なポイント
ライフサイエンス分野への注力: 日本は宇宙実験において、生命科学分野の研究に特に力を入れています。
長期飼育が可能: 水棲生物実験装置は、長期間にわたる生物の観察を可能にすることで、より詳細な研究を可能にします。
世界初の装置: 細胞培養装置は、軌道上での重力比較実験という新たな可能性を開きました。
将来の有人宇宙開発への貢献: これらの装置開発は、将来の有人宇宙探査に必要な技術の基盤となります。
細胞培養装置
装置の目的と概要
国際宇宙ステーション(ISS)のJEMに搭載: 宇宙環境が細胞に与える影響を遺伝子や形状のレベルで研究するため。
主な構成: 細胞を培養するインキュベータ部と、培養環境を制御する制御装置。
特徴:
μG実験部と1G実験部: 軌道上で対照実験が可能。
精密な環境制御: 温度、湿度、CO2濃度などを厳密に管理。
供試体搭載: キャニスタと呼ばれる容器に収められた供試体を搭載。
技術開発のポイント
培養環境維持: 発熱による温度ムラを抑制するため、解析プログラムを用いた最適化や攪拌ファンを導入。
加速度の低減: 装置作動時の加速度が実験環境に影響を与えないよう、部品選定やバランス調整を徹底。
安全性: NASAの基準を満たすため、材料の制限や不燃化対策を実施。
装置の搭載と今後の予定
SAIBOラックに搭載: クリーンベンチとともにラックに組み込まれ、ISSに搭載される。
地上開発試験終了: 今後は、米国での整備作業や軌道上での運用に向けた準備が進められる。
まとめ
細胞培養装置は、宇宙環境における生命科学研究に重要な役割を果たす装置です。
精密な環境制御とμGと1Gの両環境での実験が可能であり、宇宙での細胞の反応を詳細に解析することができます。
今後の研究成果が、宇宙生物学の発展に大きく貢献することが期待されます。
水棲生物実験装置(AQH)
装置の目的と概要
国際宇宙ステーション(ISS)に搭載: 魚類や両生類を対象に、微小重力環境が生物に与える影響を世代を超えて研究するため。
主な対象生物: メダカ、ゼブラフィッシュ、アフリカツメガエルなど。
特徴:
完全閉鎖型飼育システム: 生物の排泄物を処理し、水質を維持。
自動給餌機構: 稚魚から成魚まで、成長に合わせて自動で給餌。
生物採取機構: 閉鎖水槽から卵や生物を採取可能。
気相保持部: 両生類が空気呼吸できるように水面を維持。
技術開発のポイント
長期間飼育: 3ヶ月の長期間飼育に対応するため、フィルターや人工肺の交換機構を導入。
生物へのアクセス: 閉鎖水槽から生物を採取し、地上での解析を可能にする機構を開発。
自動給餌: 成長に応じて給餌量を調整できる自動給餌機構を開発。
気相保持: 微小重力下でも水面を維持し、両生類の呼吸を可能にする機構を開発。
装置の規模と今後の予定
大型装置: ISSのJEMに搭載される。
中型装置: ロシアサービスモジュールなど、様々な搭載機会に対応可能。
小型装置: 無人実験にも対応可能。
今後の予定: 2006年頃の開発着手、2010年からの本格稼動を目指し、開発
を進めている。
回収カプセル型生物実験システム
システムの概要
目的: H-ⅡAロケットのピギーバックエリアを利用し、日本独自で哺乳類(マウス)を用いた宇宙実験を行う。
特徴:
哺乳類を用いた宇宙実験: 将来の有人宇宙開発に必要な医学データを取得。
薬効検定システム: 微小重力環境で自然発症型の病態マウスを作成し、薬の効果を検証。
生命維持技術と回収技術の取得: 将来の有人宇宙開発に必要な技術の習得。
構成: 帰還モジュール(回収カプセル)と軌道上モジュール。
技術開発の状況
目標:
帰還時の加速度低減: 生物への影響を緩和。
定点回収: 迅速な生物へのアクセス。
生命維持技術: 飼育環境の維持。
レイトアクセス/アーリアクセス: 打上げ直前/帰還後の生物の取り扱い。
生命維持技術:
飼育部: マウスの飼育環境を維持。
環境制御部: CO2除去、温度制御など。
クリノスタットを用いた基礎試験: マウスの狭閉環境への適応性を確認。
飛行計画
H-ⅡAロケットのピギーバックエリア: 主衛星と同様の軌道を周回。
今後の取り組み
各技術課題のクリア: システム概念を固める。
社外へのPR: 新規プロジェクトとして立ち上げる。
まとめ
JAXAの長期ビジョンと神戸造船所の取り組み
JAXAの長期ビジョンでは、宇宙ステーションJEMを利用した有人宇宙開発に向けた研究が示されています。神戸造船所は、このビジョンに沿って、水棲生物実験装置や回収カプセル型生物実験システムなどの開発に取り組んでいます。
水棲生物実験と回収カプセル型生物実験システムの意義
水棲生物実験:
突然変異体が多く得られ、ヒトの疾患モデルとして応用可能。
将来の有人宇宙開発に向けた重要な実験テーマ。
回収カプセル型生物実験システム:
回収技術と生命維持技術の取得により、将来の有人帰還システム開発に貢
献。
マウスの生態データは、地上での医薬関連データへの応用が期待できる。
新しい薬効検定システムとして、医薬メーカーとの共同研究も期待。
神戸造船所の今後の展望
神戸造船所は、これまでのライフサイエンス系実験装置開発の経験を基に、日本の有人宇宙開発に向けた研究に積極的に取り組んでいく予定です。
私は自宅で熱帯魚を飼っています。ヒメツメガエルという陸上ではなく水中のみで暮らす蛙もその中にいました。水槽を洗ったり、餌を与えたりするだけで大変な思いをしています。もっと複雑な仕組みを宇宙の過酷な環境で維持するのはさぞかし大変なことでしょう。
水生生物実験は今後の有人飛行にも役立てるようですが、「人類が宇宙で生活するにはどうしたらよいか」という視点で行われていると思います。
私も、今後熱帯魚の世話をするときは、「私がこの水槽の中で生活するにはどうしたらよいか。どのように水質や温度、酸素を保ち快適に泳げるか」という視点で行っていこうと思いました。
人類が宇宙で生活することは本当に大変なことだと思います。地球という環境は大変ありがたいものです。普通に生活できますから。ただ、その地球も宇宙空間に浮かんでいます。ということは地球をもうひとつ丸ごと創ってしまえばよいということですね。そこに住めばすべてが解決します。いきなり創るのは大変だから、既にあるものをリフォームして暮らそうというのが近道でしょうか。月とか火星とかが目指すところなのですね。