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TGW物産は豊川グループ企業なのか~豊川祥子と祖父のAveMujicaを巡る取引考察~


TGW物産=豊川グループ企業です(断言)

というのが本記事の前提になります。公式による意地の悪いひっかけだったらごめんね。本記事は、AveMujica1話で開示された情報から、TGW物産=豊川グループとすることで見えてくることを検証していきます。

そもそもTGW物産って何なのよ

アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」13話で、AveMujicaのDebutMasquerade(デビューライブ)のポスターの協賛に記載されていた企業になります。

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」13話  ©BanG Dream! Project

字が小さいので拡大してみるしかないのですが、他が音楽系らしき企業の中で、異彩を放つのがTGW物産。ちなみに、物産の意味は「土地や建物」ですが、我々の現実で物産と言えばまず思い浮かぶのが三井物産(大手総合商社)でしょうか。もしライブに関係があるとしたら、この会場の持ち主だったりするのかもしれません。

そもそも謎の多いAveMujicaデビューライブ

この会場G-WAVEは、作中で結構な大舞台で使われていたハコです。そして、そのハコをデビュー時から抑えられるコネクションがあると柿本監督は振り返りインタビューで言及されていました。以下抜粋。

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」13話  ©BanG Dream! Project

最終話でAve Mujicaが立ったステージは、かつてRoseliaがFWF.(フューチャーワールドフェス)でパフォーマンスを行ったステージです。そのステージを抑えられるコネクションを持ち合わせているわけです。

AnimeRecorder『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』柿本広大監督の全話振り返りインタビュー後編

つまり、AveMujicaは
・デビューライブの協賛にTGW物産という非音楽系企業が参画しており
・いきなり結構な規模のライブ会場を抑えることが出来た
という特別な背景があったことになります。MyGO!!!!!13話時点では、「事務所に所属している」「(初華の口振りから)sumimiと同じ事務所である」までしか確定できず、祥子も赤羽貧乏暮らしをしている状態のため、コネクションについての確たる予想が難しかったのですが、AveMujica1話で、豊川グループ自体は存続しており、168億円の損失でも(婿のクビで済む)揺るがない企業だと判明しました。これにより、TGW物産=豊川グループがAveMujicaのスポンサーとなり、またそのコネクションを活かすことで、初動から規模のある立ち上げを行い、またスポンサー企業の令嬢である祥子自身も総指揮を執ることができたという、13話の疑問点への回答が可能になります。

でも祥子は豊川家を飛び出してるじゃん

そう、祥子はクビになった父親を追って豊川のお屋敷を飛び出しています。ですが、祥子が豊川本家と完全に絶縁状態とするには、不自然なシーンがMyGO!!!!!編では挿入されていました。

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」8話  ©BanG Dream! Project

MyGO!!!!!8話。睦からそよの家凸報告が来た後、公園に行く前に豊川のお屋敷の門の開閉音、そしてお屋敷の前を歩く祥子のシーンがあります。
この開閉音がした上で祥子がお屋敷に出入りしていないというのはさすがに不誠実な表現になるでしょう。といってもAveMujica1話をみるまでは、(豊川家自体が没落したのかと思って)出入りに確信が持てなかったのですが、1話を経た今、この時も相変わらず豊川の屋敷であることが確定しています。
では、この出入りは何か。言い換えれば、8話では何が進行していたのか。そう、AveMujica1話で明かされた祥子による初華のバンドへの勧誘、そして承諾です。祥子のお屋敷入りはこの後に行われています。

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」8話  ©BanG Dream! Project

つまり、この時点で祥子は初華というカードを手に入れています。大人気のアイドルsumimiの片割れ、作詞作曲をこなすギターボーカル。
そして若葉睦。彼女の参加承諾は13話になりますが、12話でのにゃむへの勧誘の際に話したように、13話で睦に迫ったように、若葉睦の参加もまた前提となっていたのがAveMujicaです。

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」13話  ©BanG Dream! Project

つまり、この時点で祥子には、『sumimiの初華』『若葉と森みなみの娘、若葉睦』という極めて商業的に価値のあるカードを手札に持つ(持ったように振舞える)状況となっています。
そしてその状況で豊川家に出入りする理由は?
AveMujica事業への参画(又はスポンサー入り)の交渉しかないでしょう。最短でメジャーデビューを目指すのには、メディアの仕掛けや会場の手配などが必要であり、それには事務所所属だけではなく資金やコネクションが必要です。また、自身がスポンサーの孫娘であれば、学生ながら事業の総指揮を取るにあたって権威付けも可能になります。
AveMujicaのデビューライブにおいて示唆されたコネクション、その答えこそ、豊川グループがスポンサーであることでしょう。

祥子が実家(本家)に頼るの? 祖父は受け入れるの?

懇願や単なる無償支援(タカリ)の依頼であれば祥子はしないでしょう。
「箱入りのお前が!」と言われながら家事労働アル中の介護までこなし、学校は特待生制度を利用するなど、あきらかな苦境でも一切実家を頼らなかった祥子です。気位の高さがそれを許しません。
ですが、成功の見込みのある事業計画を持ち込んでの『交渉』なら?
ビジネスの相手として対等に向き合えるのであれば、祥子は再び豊川家の門をくぐることを厭わないのではないでしょうか?
逆に言えば、交渉には成功を保証できるような強いカードがある必要があり、初華が確保できたからこそ豊川家に向かうことができた、と言えます。
また強いカードを活かし維持するにはコネクションと資金が必要です(初華がsumimiと並行して活動するのを関係者に納得させる必要)。初華が確保できた次は自身の持つ最大コネクションである豊川家を利用することで、有名人による話題性あるバンド事業計画を、成立の見込みあるものと仕立てあげたのでないでしょうか。
さて、一方の祖父です。祥子の父親である清告については母親(自身の娘)の生前から厳しくしていた通り、グループの総帥として厳格であり、孫娘とはいえ、一度出奔した者の頼みを無条件で容れるとは考えにくいです。しかし、娘の忘れ形見である孫娘と関係が切れたままでいいと考えるでしょうか? 一度婿養子を取ったのを見る限り、他に子供や孫はいないのでしょうし、グループを血縁で継がせることができるのは、祥子しかいません。
そんな状況で、当の孫娘が、強かにビジネスの話を持ち込んできたら?
そして、そのビジネスが十分に成功が見込めるものだったら?

祖父としての情ではなく、経営者としての判断で孫娘を支援するという建前が立ち、かつ祥子を豊川家に戻す道筋が引けます。
本音のところでは血縁の情かもしれませんが、祥子も祖父も、気位や立場が邪魔をして、素直に歩み寄ることが難しい状況です。
そんな状況ゆえに、事業者と出資者という仮面を身に着けたビジネスの舞台でなくては、祥子は実家の力を頼れず、祖父は孫娘を助けることができない。そんな、互いの強度ゆえに屈折した2人の取引がAveMujicaを成立させたのではないでしょうか。

「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」13話  ©BanG Dream! Project

そうしてみると、13話でライブ前に祥子が豊川の屋敷の前に佇んでいたのも、感情的なラインがみえてくる気がします。
AveMujica1話で見た通り、祥子は没落したこと自体は隠そうとしていますが、苦境には立ち向かう強靭な精神の持ち主でした。そんな彼女が、ただ過去を懐かしんだり惜しんだりという理由で屋敷の前にいるのは考えにくく、むしろ、支援を引き出した結果として、必ず成功をする決意や覚悟として向き合っていたのでないでしょうか?

今後の展開への影響とか

いずれ祥子が豊川家(祖父)に向き合う展開があるんじゃないでしょうか。
1話で飛び出した赤羽ボロアパートに戻らなければ、最終的にはお屋敷に戻るしかないんじゃという問題もありますし。
祐天寺が計画外に仮面を外した件について、祖父がスポンサーとしてビジネス行儀で詰めたりしたら、屈折した家族劇に神妙な面持ちでみることになりそう。
また、AveMujicaがスポンサーありきで成立しているということは、商業的に成功し続けなくては存続できないということでもあり、この角度からピンチを迎えるのかもしれません。この角度以前に祐天寺が離反してギスギスピンチだけど。

まとめ

・AveMujicaデビューライブ協賛のTGW物産は豊川グループ企業である。
・AveMujicaがデビューライブから大規模会場の確保や動員のプロモーションができた一因は豊川グループのコネクションや支援。
・祥子がMyGO!!!!!編で豊川の屋敷に出入りしていたのは、AveMujicaという事業についての交渉のため。
・祥子が睦の加入を前提・必須としていたのは、事業としての成功の見込みがなければ成立しないバンドであるため、有名人の娘である睦ありきで話が進んでいたから。

以上が要点になります。『TGW物産=豊川グループ』自体は、ここを外すのは創り手の意地が悪いから程度の論拠になりますが、MyGO!!!!!編での祥子が豊川の屋敷の前にいた(出入りした)描写、そしてAveMujicaのデビュー時からのコネクションの存在を考えると、豊川グループがAveMujica(祥子)の背後にいることは必至と判断しました。また祥子と祖父の関係についても、無能な元婿について出ていった孫娘がコネクションフル活用した事業計画ひっさげて乗り込んでくるのは、強かさに豊川の血を感じてめっちゃ乗りそうと見ました。感覚的な判断になりますが、それで通じ合うのは「らしい」んですよね、祥子はもとより、1話のわずかな描写しかない祖父の描写からも。隠れて支援するとかよりよっぽどらしい(協賛に名前が載ってたら隠れるも何もないですが……)。

以上、本記事にお付き合い頂きありがとうございました。この記事が、ここまで読んでくれた貴方の理解の助けになるものであることを祈りながら、筆をおかせていただきます。

ああでも、この記事がもし秘密を暴いていたのだったら──背徳感がクセになりますね。

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