何も知らない


#一筆書き1000

私は何も知らないなあと、最近よく思うようになった。何もというのはもちろん誇張ではあるけれど、知るということを正しく出来ていないのだと思う。だから何も知らないと思えてしまうんだろうなあと思う。なんというか、表面的な部分しか私は物事を知らないのだと思う。言葉は知っているけれど、意味を訊ねられたらあやふやな答えになってしまうし、歴史的事件の名称とか条約の名称は知っていても何が起きたのか、何を決めたのか知らない。ほら、あやふやってどういう意味なの? なんとなく、不安定っぽい感じ。ほら、それを知っているとは言わない。そう思う。何も知らないことにひどく絶望する。結構長い時間生きてきたとも思うけれど、特に病気でもないと思うけれど、何も知らない。知りたいと思っているはずだけれど。本当に? 興味がないだけではなくて? そうかもしれないけれど、だとしたら興味がないものが多すぎるってものだ。夢中になれるものがあれば何か変わるんですか? 変わるかもしれない。だといいね。なんかわからなくなってきた。そういえば、何かが話題になった時に、誰もが当然知っているという風に話が進んでいく時がある。自分は知らないのに。一般教養だよねと言われても、そんなこと習った記憶もない。常識でしょと言われて、そうなんだと思う。疎外感を感じる。それ自体は別に特に悲しいとか寂しいとかないけれど、なんとなく自分が空っぽであるかのように感じる。空っぽではないけれど、本当に少ない。いつも同じことを言い方を少し変えて誤魔化す日々。そんな歌詞みたいな文章で美化できればいいのに。語彙がないから説明ができない。自分がどう思ったのかを適切に表現できない。だから喋るのは苦手だ。だけれど書くのも苦手だ。調べられる分マシだけど。得意なものってありますか? ねえよ。打ち込んだことはありますか? ねえよ。知らねえっつってんの。強いていえば寝るのは得意かもしれない。10時間くらい寝れるし、むしろ7時間程度じゃ眠いし。寝ていようかな。何もしなくていいし。それが一番幸福に近いような気がする。ああ、だから私は人類が滅んで欲しいと思っているのかもしれない。人が嫌いというのはあるけれど、幸福ではあって欲しいから。今何時? 朝六時半? 終わってる、寝よう。


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