簿記・会計士財務会計論(現金及び預金)②!小口現金

こんにちは!相変わらず暑いですね、、早く涼しくなって欲しいですよね、、、秋はどこいったんでしょうか泣

さて本記事では前回に引き続き現金及び預金の論点について解説していきたいと思います。

さて前回では、
現金と当座預金以外の預金→(現金処理扱い&現金過不足)・(小口現金)
当座預金→(銀行勘定調整表)
のうち(現金処理扱い&現金過不足)を扱いました。

今回は残っているうち(小口現金)を解説していきます。

小口現金

小口現金は記憶に残っている方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか、、、そうまさかの令和5年短答式試験で2回連続で姿を現しましたよね、
予備校側もまさかまさかだったでしょう、、
この分野自体は3つのことさえ分かってしまえば簡単なんです。

しかし3つのことがよく分からないって方は、おそらく問題の経験値不足が起因するのかなと思います。小口現金自体予備校もあまり問題を作っていない事も挙げられます。

じゃあ3つのことってなんだよと読者様は思われているかなと思います。

では早速3つのことを簡単に説明したあと、数値例を用いながら解説していきたいと思います。

1つ目_インプレストシステム
インプレストシステムとは簡単に言えば、経理・財務部門が、小口現金を扱う部署に一定期間(例えば1週間とか)の間に使える決められた額の小口現金を渡し、その一定期間経過後に経理・財務部門が小口現金を使った額と同額を再び小口現金を扱う部門に渡す仕組みのことを言います。

2つ目_経理・財務部門の小口現金の渡し方は当座預金
小口現金はどのようにして渡されているのか❓そうその答えは自社振出小切手で渡しているのです。つまり、経理・財務部門は自社の現金を直接渡しているのではなく当座預金を減らしているということなのです。
そのため、小口現金が増えるとは同時に自社の当座預金を同額減らしているのです。
※自社振出小切手を振り出す場合は、当座預金が減るためです。

3つ目_仕訳を行うタイミング
経理・財務部門が仕訳を行うタイミングは、インプレストシステムの中で設定した一定期間経過後に、小口現金を使う部門から何にいくら使ったかを報告を受けたタイミングです。
これは、経理・財務部門は小口現金を使う部門から報告を受けないと、何にいくら使ったのか分からないからです。
また、その報告のタイミングも大切になってきます。報告のタイミングはインプレストシステムで設定した一定期間が経過した日になります。
つまり、経理・財務部門は自社振出小切手を小口現金を使う部門に渡すタイミングとも言い換えることもできます。

以上の3つが小口現金の問題を解く上で必要となる前提の知識になります。

ではこの3つの前提知識をもとに数値例を使って解説していきたいと思います。

問題 定額資金前渡制度を導入している財務・経理部門は小口現金を使う部門に、2月10日に10万円の小切手を振り出した。
財務・経理部門は毎月10日に小口現金を使う部門から報告を受け、補給を行っている。
小口現金を使う部門からの報告は以下である。
『2月分の報告』
2月25日 機械購入7万円

『3月分の報告』
3月20日 パソコン購入8万円

このとき、2月10日、2月25日、3月10日、3月20日、3月31日の仕訳をそれぞれ答えなさい。

解答解説は下記になります!


解答解説

2月10日の解答_
仕訳
小口現金100,000/当座預金100,000

→2月10日は仕訳を切ります。これは、上記3つ目のポイントに記載した通り財務・経理部門がお金の動きを把握できているためです。また、当座預金を貸方に書いているのは、上記2つ目のポイントにも記載した通り経理・財務部門は小口現金は自社振出小切手を振り出しているためです。


2月25日の解答_
仕訳なし。

→これは上記1つ目と3つ目の知識を使います。インプレストシステムを採用している以上経理・財務部門は小口現金を使う部門から報告を受けない限り、お金の流れを把握できないめ、仕訳を切る事ができません。つまり小口現金を使う部門が7万円の機械を購入したところで、経理・財務部門はその事象を把握する事ができないため仕訳を切ることができないのです。
じゃあいつ切るんだよ!と思われるかもしれません。その答えは3月10日を見てみましょう。


3月10日の解答_
仕訳
機械70,000/小口現金70,000
小口現金70,000/当座預金70,000

→これは上記1つ目と2つ目と3つ目の全ての知識を使って解きます。
早速2月25日の解説で書かせて頂いた仕訳がここで切られていますね!
そうインプレストシステムを採用している場合は、小口現金を補給するタイミングがあるということでしたよね!このタイミングで経理・財務部門は小口現金を使う部門から報告を受けお金の流れを把握でき仕訳を切れるのです。つまりここで、2月25日の機械の購入の事実を把握できるため仕訳を切るのです!
そして2つ目の仕訳ですが、インプレストシステムを採用している場合は最初に決められた額になるように一定の日に補充するのでしたよね!本例題では、毎月10日に小口現金を使う部門が10万円使えるようにする制度を採用する会社でした。そのため小口現金を使う部門が10日までに7万円を使っているため残額が10万円になるように、経理・財務部門が7万円分の自社振出小切手を小口現金を使う部門に振り出しているのです。


3月20日の解答_
仕訳なし。

→これは2月25日の理由と同じです!インプレストシステムを採用しているため経理・財務部門は小口現金を使う部門から報告を受けていないため、お金の流れを把握できないのでしたよね!そのため仕訳を切らないのです。


3月31日の解答_
パソコン80,000/小口現金80,000

→あれ?インプレストシステムで採用している10日じゃないのになんで仕訳を切っているの?と思われたかもしれません。では早速その答えについて解説していきたいと思います。
そう3月31日は例題の会社にとっては決算日です!経理・財務部門は会社の当期に発生した会計事象を把握しなければならないのです。そのため経理・財務部門は小口現金を使う部門から報告を受ける前に、自ら小口現金を使う部門にヒアリングをし、3月31日までに起きた会計事象を把握し仕訳を切るのです。そもそもそれが会計のルールですよね!決算日までに起きた会計事象を全て財務諸表に反映しなければならないからです。
ここで注意が1点必要です。10日ではないため、小口現金は補充しないということです。これは決算日という特別な日だからこそヒアリングだけであって、補充とは別に行っている行為だからです。ではいつ補充するのかというとそれはインプレストシステムで決められている日にちである4月10日です。
そのため、問題にはないですが4月10日には、補充だけの仕訳が切られるということになるのです。
※4月10日までに新しく小口現金が使われていたらその報告の仕分けを切りますが笑

以上が問題と解説になります。

どうでしょうか?小口現金分かった!って読者がなってくださればとても嬉しいです。
そしてここまで読んでくれてありがとうございます!次回は現金預金の最後の分野である銀行勘定を解説していきます!よろしくお願いします!















いいなと思ったら応援しよう!