2024年出会って良かった小説5選!
こんにちは!
本好きライターのりえです!
2024年もあとわずか。
今年は、106冊の本を読みました!
(Webライター関連の本も含めると+10冊くらい)
今日は、今年出会って良かったおススメの小説を紹介します♪
同士少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬
こちらは2024年の1冊目に読んだ本で、読んだ時の衝撃が今も残っている名作です。
戦争がなければ、全く違う人生を歩んでいたはずだったのに。
農村で生まれ育った優しく賢い主人公のセラフィマ。
戦争をきっかけに彼女の人生が、彼女の人間性が、根底から変わっていってしまう過程が本当に辛くて苦しかったです。
母を殺された復讐を心に誓って、狙撃兵になるべく訓練に勤しみ、女性を守りたい、と戦争に向かうセラフィマ。
そんなセラフィマが、殺した敵の数を誇るようになってしまったり、仲間の壮絶な死を目の当たりにする中で、自分の信念に疑問を抱いたり。
その一つ一つの描写に心が抉られました。
殺さなければ、殺される。
一瞬の判断ミスで死ぬ。
そんな極限の中で、生きなければならない地獄。
正しさも正義もそんなものどこにもない。
戦争の凄惨さをこれでもか、と感じさせる作品でした。
多くの人に読んでもらいたい作品です。
本のエンドロール 安藤祐介
一冊の本が出来上がるまでに、どれだけ多くの人が関わり、それぞれの仕事に心血を注いでいるのかが痛いほど伝わる、本好きにはたまらない一冊です。
初めは、仕事観を巡って反発し合っていた人同士が、仕事に真摯に向き合う中で徐々に歩み寄っていく過程に痺れました。
「本が好き、良い本を世に送り出したい!」という熱い気持ちが作品の端々から溢れています。
紙の本がどんどん売れなくなっていく時代背景もあって、情熱や夢だけではどうにもならない厳しい現実も…。
今手に取っている本たちの裏には、そんな厳しい現実と向き合いながら、自分の仕事を全うしている人たちがいるんだ…と胸が熱くなります!
【どう仕事するかは、どう生きるかに等しいのではないか】
ゲキアツなお仕事小説の要素もあり、本好きさんには特におススメです!
マリエ 千早茜
離婚を経験し、子どももなく、経済的にも自立しているマリエ。
一人でいることの自由さと開放感。
そんな中ふと出会った年下の由井くん。
たくさんの経験をして、いろんな感情を乗り越えてきたからこそ、慎重になったり、臆病になったり。
香りの描写とマリエの心情が絶妙にマッチしていて、千早さんらしい一冊でした。
同年代のマリエの揺れ動く気持ちに、共感しかありませんでした…。
マリエはなんでも自分で考えて、自分で答えを出して進んでいく凛とした女性でもあるけれど、相手からすると(男性からすると?)寂しさを感じさせてしまうのかな…
マリエもそうだけど、観月先輩やマキさんなど、かっこいい女性がたくさん出てくるのも良かったです!
全女性に推したい小説です♡
存在のすべてを 塩田武士
とにかく圧巻だったこちらの一冊。
30年前に起きた二児同時誘拐事件の真相には、ある写実画家の存在があった。
才能を生かせないもどかしさ、孤独、苦悩。
真実が徐々に明らかになるにつれ、切なさが募り、そしてこの物語全体が醸し出す圧倒的な美しさに引き込まれました。
事件の真相に迫る記者の門田や、誘拐事件に関わったたくさんの人たちの想いが丁寧に紡がれていて、みんなが魅力的だったし、人物描写が本当に素晴らしかったです。
わたしの知る花
手作りの画板を肩にぶら下げて、街の至る所で何やら絵を描いている謎の老人の平さん。
平さんの人生を辿っていくと、切なさが込み上げてきます。
普段、本を読んであまり泣くことはないのですが、この作品はもう…。
なんて不器用で真っ直ぐなの。
真っ直ぐ過ぎて胸がギュっとなります。
【あの時こうしていたら…】
人生にはそういうたくさんの”もしも”があって、タイミングがある。
そのタイミングを逃したら、永遠にチャンスが巡ってこないことだってある。
複雑に絡まり合ったそれぞれの人生が、丁寧に紐解かれていく過程がとにかく素晴らしかったです。
悔いのない人生を…なんて言うけれど、どんな人生も等しく尊いし、愛おしいとこの作品を読んで思いました。
自分の中にある、一歩深い感情に出会えます。
気になる本や読んだ本はありましたか?
皆さんの出会えて良かった本もぜひ教えてくださいね♪
では、また。