キリマンジャロ登山の記録⑦/ウフルピーク 5,895mへ
こんにちは!
今回はキリマンジャロ登頂日の様子をお届けします。
5泊6日の登山で1番大変な日がやってきました。
前回の様子はこちら👇
5日目は本当に大変でした。
頂上付近の記憶は断片的で、覚えているところと覚えていないところがあります。
写真は山頂以外のところでは撮れませんでした…
順を追って書いていこうかなと思っていたのですが、
日記の方が伝わりそうなので12/26の日記を置いておきます。
後でもう少し細かく覚えていることを書いていこうと思います。
〇5日目の流れ
まず、この日の流れだけ先に書かせてください。
22:00 起床 軽食
23:00頃 山頂に向かって出発
6:00過ぎ ギルマンズポイント5,681m到着
8:30 頃 ウフルピーク5,895m到着
お昼頃 キボハットに戻る(昼食)
14:30頃 ホロンボハットに向けて出発
17:30過ぎ ホロンボハット到着
お気づきの方もいるかと思いますが、この日のスケジュールは鬼でした。
登頂後キボハットまで下山したら、さらに10kmほど歩きホロンボハットまで下りなくてはならないのです。
タフ!
それでは、本題に戻ります。
〇この日の日記
この日の日記でした。
書きたいこと覚えていることまだあるので、
もう少しnoteにさせていただきます🙏
〇サミットプッシュ開始。
12/25 22:00起床します。
コールマンがインスタント麺を作って出してくれました。
とても寒かったのですが、お茶とインスタント麺をお腹に入れたら体が芯から温まりました。
あと私たちにかけ声を教えてくれました。
『One team, one dream. One line, to the top !』
コールマンのこと思い出すと心がキュッとするくらいに思い出深い人です。
23:00 出発
みんなで集合して、ガイドさんが予備のお水とか重いものを予め持ってくれました。
私はお水と防寒具だけを持った軽い状態で山頂に挑むことができたのです。
山頂への道は今までの緩い坂道ではなく、しっかり傾斜のある道を登りました。
九十九折にジグザグ進みました。
ペースは本当にゆっくりです。1歩をさらに刻んで半歩ずつくらい。
暗くて、寒くて、道も分からなくて、ヘッドライトに照らされた前の人のザックと足元だけを見て進んでいました。
夜空も見えていて、だけど余裕がないから綺麗だなぁとか思えなかったような気がします。
途中で休憩した時に、ガイドさんがエナジードリンクをお湯で割ったものをくれたのですが、これがとても美味しかったです。
エナジードリンクってあのような時に飲むものなんだなって後から思いました。
水を飲むと息が切れました。
水を飲むために止まっていたら他のチームの現地スタッフさんに『大丈夫かい!』って聞かれたので『アイムベリーストロングガール』とか言いました。
めちゃくちゃ笑われちゃったけど、『一緒に登れて嬉しいぜ』って言ってもらえました。
〇チョコレート休憩と弱音と励まし
しばらく進んだところだったと思います。
この時、本当に呼吸がつらくて、砂埃もすごくて、夜中で眠気もあるし、酸素が少なくて頭も冴えないし、肺が大変だぞっていう時に休憩があったんです。
ガイドのフレディがチョコレートをくれて、それが本当に美味しくて美味しくて。
だけど、きつくて。
ここで弱音を吐いてしまったんです、呼吸がつらいですって。
そしたら横にいたチームの人が肩をトントンと叩いてくれて、めちゃくちゃ励まされました。
言葉はなかったけど、でも本当にそれだけで大きな力をもらいました。忘れられない瞬間です。
再び歩き始める時にリーダーからもグータッチで『行ってこい!!』を貰って、また1歩1歩進みました。
〇どこまで続くのこの道は
上を見てはいけないと思いました。
登って登って、ちらっと見上げてしまうと、そこにはずっと続くヘッドライトの明かりと山の黒い影があって。
山頂は果てしなく遠く感じました。
全然近づいてこないんだもん。
でもギルマンズポイントに着いて、上が開けた時は本当に嬉しかったです。
〇ガイドのフレディとの時間
ギルマンズポイントに着いてからが大変でした。
ギルマンズポイントというのは認定ピークで、ここまで来たら登頂できたということになります。
ウフルピークは富士山で言う剣ヶ峰のような場所です。
5,895mに辿り着くには、このギルマンズポイントから更に200m登らなくてはなりません。
ギルマンズポイントからは雪が多かったので、チェーンスパイクをつけて進むことになりました。
少し進んだところで、心が限界を迎えました。
本当に恥ずかしいしみっともないけど、子どもみたいに泣いてしまいました。
力を出すためにはこれしかなかったのかもしれません。
泣いてしまった途端にフレディが駆けつけてきてくれて、『大丈夫〜大丈夫〜!!』と私の手を繋いで引っ張ってくれました。
『ハッピーでいてほしんだ』と言ってくれたと思います。英語わからないから多分だけど。
そこから2時間、ずっと手を繋いで一緒に歩いてくれました。
風が強くて体が振られそうになると、ギュッと支えてくれました。
ウフルピークは遠くないはずなのに全然着かなくて、
小さな丘を3つくらい越えたような気がします。
途中で雲海の中にタンザニアで2番目に高い山メルー山が見えました。
へろっへろになりながら、フレディに『あれはメルー山?』と聞いたら『そうだよ、きれいだね』と言ってくれました。
きれいでした。キリマンジャロの氷河も見えました。
いつか無くなってしまうらしいので、見れて良かったです。もうほぼ意識が遠くて記憶も薄いけど。
〇ウフルピーク。 Almost there.
歩いても歩いてもウフルピークが見えなくて。
でもある時、『ウフルはどこ〜?』って聞いたらフレディから『Almost there.』が返ってきました。
もうすぐそこ。これも忘れられない瞬間です。
言葉どおり、あと50mくらい先に看板が見えました。
へろへろ歩いて、やっと、やっと、やっと、到着しました。
『ハッピーになったかい?』フレディが聞いてくれました。
イエスと答えました。
〇下山!眠気とのたたかい
やっとの思いで山頂に着きましたが、ここから下りなくてはなりません。
もう限界で下りれるかわからないと思うくらいにへろへろでしたが、必ず下りなくてはいけません。
来た道をまた戻ります。
すごく眠かったです。眠気のピークでした。
本当の睡魔です。
だから山頂の記憶は飛び飛びです。
眠ってしまったという記憶はありませんが、しっかり残っている記憶は断片的です。
ウフルピークとギルマンズポイントの間にあるステラポイントというところでお茶を貰って休憩したこと。
ギルマンズポイントまであと少しのところで必死にリーダーの後ろを着いて行ったこと。
その絵だけは覚えています。
頭はふわふわしていて、自分が自分じゃないみたいで、頭1個後ろから自分が喋っているみたいなんです。
自分が2人いるみたいに、喋っている自分と、それを遠くで聞いている自分がいるみたいな。
ギルマンズポイントで少し休憩を貰ったのですが、
座った瞬間に眠ってしまいました。
ほんの少しです。
そこからまたしばらく下りたところで、また少し目を瞑りました。ほんの少しだけ。
でもすごいのが、下りるにつれて元気が出てくるんです。
さっきまであんなにへろへろで下りれないとさえ思ったのに、喋れるようになるし、笑顔も出るようになるし、意識も鮮明になる。
酸素すごい!を心から身体から実感しました。
下山は早かったです。
遥か下に見えるキボハットを目指して下りました。
〇腕を掴まれ駆け下る
途中まで下ったところで、ポーターの男の子が私を迎えに来てくれました。
それで腕をガっと組まれて下る、下る。
早すぎて何度も止めました。
へろへろでヒィヒィな私は、彼をなんとかゆっくりにさせようと、ずっと拙い英語で話しかけ続けていました。
ポレポレ〜!!わたし疲れたよ〜!!!
ちょっと止まって〜!!
あれは何〜??あれはスワヒリ語でなんて言うの〜?
疲れたよ〜!!早いよ〜!!!ひぃ〜!!
私の心臓はバクバクだよ〜!
足は爆発しているよ〜!!
彼はいつも『OK〜OK〜』『ポレポレ〜』
とだけ返してきました。
全然!相手にしてくれない!笑
怒らしちゃったかなと思って横を見るとにこにこしていました。笑
5,000mの標高でその時間もつらかったんですけど、かなり楽しい思い出です。
次の日、掴まれていた腕は筋肉痛になりました。
キボハットに到着したあとは、しばらく動くことが出来ませんでした。
コールマンが靴を脱がせてくれて、ジュースをくれて、お昼ご飯を作ってくれました。
ホッとしたのか、ご飯をたくさん食べることができました。
チームのみんなと笑顔で再会することができました。
山頂から持ち帰ったばかりの、ほやほやの思い出話が本当に楽しかったです。
〇ホロンボハットまで、また下る
本当に大変です。まだこの1日を終ることができません。
さらに10km歩いて下のホロンボハットまで下らねばなりません。
ああ。
身支度を整えて下ります。
帰り道は行きの時と違って、気持ちも楽で緊張感もなく景色を楽しみながら笑顔で下れました。
そう、笑顔で。
振り返ると不思議な気分になりました。
夢みたいな気分です。現実じゃないみたい。
〇ホロンボハット到着
18:00頃、ホロンボハットに到着しました。
チームの現地スタッフの皆さんがキリマンジャロソングでお祝いしてくれました!らぶ。
晩ご飯、いっぱい食べました!
美味しかった!
山頂から下りてきてからは気持ちも体も軽くて食欲も全開でした。
やっぱりホロンボハットから見る星空が1番きれいでした。
〇長い長い長ーーーーい1日おわり
やっと眠れる時が来ました。
何も気にせず、トイレも気にせず、ぐっすり眠れる時が。
ベッドに横になって日記を書き殴り、寝袋に入って思いっきり寝ました。
この日、やっと寝袋の快適さを知りました。
しっかり眠れました。朝まで起きませんでした。
幸せでした。
長くなってしまいましたが、5日目の記録です。
私はこの日、本当の疲れを知りました。
自分の弱いところも強いところも見えました。
山頂にいた自分はべそべそに泣いていて、思っていたのと違うような気がするけれど、それでもこの日を頑張って乗り越えてくれた自分に感謝しています。
次回、ゲートまで下山します。
帰国まで書いちゃお!
もうここからは楽しいです!!緊張感からの解放✨
書いている私も思い出し緊張感からの解放!笑
ホテルも豪華だったし、帰国日は飛行機まで時間があったので、サファリに連れて行ってもらったんです🦒
その様子をnoteにします!
今日は、おーーーわり!