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キリマンジャロ登山の記録⑥/ホロンボハット〜キボハット4,720m

こんにちは!
キリマンジャロ登山4日目の記録です📖🖊

前回はこちら👇

前回4,000mの世界に足を踏み入れましたが
今回は4,720mまで歩みを進めます。
ホロンボハットからキボハットまでは、標高差1,000m。
距離は10km程あります。

山頂は遠くに見えているけど、次の日の朝にはその5,895mにいるはずなのです。
ずっとずっと目指していたけど、想像がつかなくて夢にさえ見れなかった場所がすぐそこにある。
明日の昼にはもう山頂から下りてきている。
そう思うとすごく不思議な気分でした。

だぁ、思い出すだけで緊張してきちゃう。
まだあの場所に行ってから1ヶ月経ってないんだな。
すごく遠い記憶に感じるけれど、まだ私の中に残ってくれているみたいです。良かった。

実は登山中に日記をメモ帳に書き留めていました。
ここからはその日記も一緒にnoteに記せていけたらと思っております。
本当は手で書いたその文字でお伝えしたいのですが、誤字😭脱字😱が多くて見せられないので、色の違う枠のところにデジタル文字で打たせて頂きます。
はぁ🥹

〇キリマンジャロ4日目、早朝。
早朝、真っ暗な中トイレに起きハットに戻る途中で上の方を見ると、一筋の明かりがスっーと山頂までのびていました。
きらきら、きらきら、ずっと遠くの方で高くまで。
ドキドキしました。
だって私も明日はあそこにいるはずだから。
あれは、私たちの明日の姿だから。
あの場所ではどんなことが待っているんだろうと、ただただその光を見つめました。

〇おはよう4日目!Appetite is good ?
4日目の朝が来ました。いつものように過ごして朝ごはんを食べて健康チェックです。
いくつかの質問をガイドさんから聞かれます。
聞かれる質問はいつも同じです。
いつか書いた気がするけれど、

①1~10までで体調自己評価(10が最高元気)
②appetite

この②の意味、私は4日目くらいまで分からずにいました。えへへ。
とりあえず悪いところは無さそうだったので、
『Good😁👍』と毎回言っていました。
でも4日目にして気になったので、チームの人にこっそり聞いたら『食欲だよ』って。
わぁ、正直あんまりなかった時もあったなぁ。
なんて思いました。何の話だよってね。
appetite話でした。


〇スタート!4,720mキボハットへ。
ひゃー!ついに未知すぎる世界へ足を踏み入れます!
ここからなかなかにハードな旅が始まるのです。
ふ〜〜〜〜〜〜。
とりあえず深呼吸しておこう。

8:30頃かと思いますが、3,720mのホロンボハットを出発しました。

見慣れぬ木

これは『ジャイアントセネシオ』です🌳
この木は予習して行ったので、私の中では有名人のような木でした。
ほんとにあった〜!!という感じです。

キリマンジャロどーーーん

朝は大きな傘雲を被っていたんです。
ひりひりしました。
雪積もっているだろうし、すごく風が強そう。
行くしかないんだけどねん!

ポレポレ〜と少し長めの坂を登りきって後ろを振り返ると雲海!きれい!

撮ってもらった写真📸

山火事注意の看板。と、山頂。と、私。
上はスワヒリ語です。
『タハダリウシチョメモト』
今、Google先生に読んでもらいました。

やぁ!

休憩中に近くに寄ってきた鳥🕊️
こういう高い所でも立派に生きている生物を見ると、元気を貰います。
すごいです、高所の生き物。かっこいい。

果てしない高山砂漠帯

4,000mを超えると、高山砂漠帯になります。
『サドル帯』といいました。
ご覧ください。
これは!本当に砂漠です!
なーーーんにもありません。
キボハットまではこんな感じで緩い坂を登ります。
ここで山頂の雪が減っているのを見て、少しホッとしました。

そしてここを歩いている時に雲の中からヘリコプターが何回も飛んできました。
高山病になってしまった人や動けなくなってしまった人をヘリコプターがキボハットまで救助しに行っているのです。
明日は我が身。
もういつなってもおかしくない高山病にドキドキしながら道を進みました。
深呼吸・水分補給・ポレポレ

この辺りだったと思うのですが、途中で何組かの人とすれ違いました。
時間や場所的に今日、山頂に行ったであろう人です。
元気ににこにこ下りていました。
私も明日は笑ってここを通れるかな、きっと笑っておりてこよう。そう思いました。

〇お昼タイム!キボまでラストスパート
砂漠を歩いて歩いて、この日のランチタイムです!

お弁当🍱

朝、袋に1人ずつこんな感じのお弁当をもらえました。
でも消化で酸素を使うから、いっぱい食べるのがこわくて、ここでは少ししか食べられませんでした。
焼き芋みたいな甘〜いバナナと、カップケーキと、揚げ餃子みたいなのを半分くらい食べました。
結構食べてるじゃん!

深呼吸・水分補給

ご飯の後はキボハットまでラストスパートです!
もう近いぞ!

近づいている…!!

さっきまであんなに遠くに見ていたのに
山頂がどんどん近づいてきます。
明日通る道まで見えちゃって…!!!
見えている道は今までと全然斜度が違います。
ひぃ。
やっぱり思い出すとあの時の体になっちゃうよ。
どきどきする。

お隣ピーク、マウェンジ峰

すぐ隣のピークです。
キリマンジャロは3つの峰があります。
《シラ峰》《キボ峰》《マウェンジ峰》
登山者が目指すのはキボ峰です。

マウェンジ峰、ずいぶん小ぶりに見えてしまいますがこちらも5,100m程あります。
見た目がかっこいいです。
強いプリンみたい🍮

砂漠の向こうは大雲海なんです。
地平線の彼方が丸く見えるように
雲海も丸く眼下いっぱいに広がっていました。
不思議だ。

〇キボハット到着!4,720m

15:33 キボハット到着

この時はとても喜びました。みんなと一緒に喜びました。嬉しかった。
ガイドさんやポーターさんやチームの人と握手やハイタッチをしました。

ここで仮眠をとり、この日の夜中に山頂へ向かいます。
山頂アタックとかサミットプッシュとかかっこいい言い方があります。
トイレに行くと息が切れます。
空気がすごく乾燥していて、深呼吸をすると喉がカラカラになります。
とても寒いです。日没を迎えるともっと寒くなります。
食欲はあるようで、ないようで、少しありました。
夜は眠れませんでした。
とにかく呼吸をしていました。
たくさん服を着ました。
ヘッドライトの電池を新しくして、真夜中のアタックに備えました。
緊張しました。
チームの雰囲気も緊張していたように思います。
でも近くなった山頂を見た時、絶対に行こうと思いました。
右足と左足を交互に出せば着くとか当たり前体操みたいなことを念じました。

17:42 晩ご飯。
緊張であんまり食べられませんでした

ここではじめて、appetite がGoodでないことを伝えました。ちょっとあるよって言いました。
それが大事なんだとガイドさんが言ってくれました。
まだ高山病の症状はありませんでした。

18:00頃、寝袋に入りました。
22:00起床です。
そして23:00にアタック開始です。

〇この日の日記

12/25 キリマンジャロ4日目
あさ、まっしろな頂にのびるヘッドライトの明かり、明日の私たちを見ているみたいでドキドキした。
おはようストレッチ、モーニングティー、いつものように過ごす。起きがけのチャイはおいしい。いつもありがとうコールマン。アサンテサーナ。
今は何と4,700m過ぎに滞在している。
もうすでに闘いというかんじがする。あんまりにも初めての感覚。
私は今、どこにいるのか不思議でならない。
宇宙よりもどこにいるのかわからない。
今日もひたすら歩いた。呼吸を忘れずに、ゆっくりゆっくり歩いた。
話しながら進むとあっという間に時も距離も過ぎてゆくのだ。こんなに苦しいことしているのにね。
サドル帯は砂漠のように本当になーーーんにもない。「ない」は「ハクナ」。
できることは全てやるのみ。やれることは全てやる。人事を尽くして天命を待つ。この登山の合言葉になっている。
にしても、低酸素室とは全然違う。
1人になるときっときつい。みんなが居てくれて良かった。きっと明日はもっときびしい闘いになる。
できることは呼吸、水分とる、ゆっくり歩く。
今までさんざんやってきたことだから。
近くなっている山頂を見て、いけると思った。
必ずやろうと誓った。大丈夫。ハクナマタタだからね。
キボについて、みんなと喜びを分かちあって、荷物持ってくれたポーターさんに
『wewe ni pole sana』って言ったら、
『Asante sana』と返してくれた。
嬉しかった!今日1番!!勉強して良かった!
よし、明日必ず山頂に立とう!!!
がんばれ私!
がんばれみんな!

〇お守だった葉書
去年、富士山に登った時。
自分に宛てた葉書を山頂のポストから送りました。
ここで自分へ送った言葉を何度も何度も頭の中で繰り返しながらキリマンジャロを登っていました。
【信じています。大丈夫。きっときっと大丈夫。
キリマンジャロのてっぺんで会いたい自分に会ってきてください。】

さて、私は会いたい自分に会えたのでしょうか…

次回、5,895mアフリカの屋根、山頂ウフルピークに向かいます。

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