音楽は世界を巡る〜カンボジアと中国編〜
数年前からカンボジア音楽をよく聴くようになった。子どもをあちこちの療育に送っていかねばならないのでその送迎時に聴いていることが多い。元々私はワールドミュージックに興味があって、外国を訪れる度に現地の店に行っては、「どんな曲が流行っているの?」「どれがおすすめ?」と店員さんに尋ねてはCDなどを購入しては聴いていたのだが、配信の時代でしかも発展途上国のアーティスト達もどんどん自分たちの作品をアップロードできるようになったので、各国の曲を聴くようになった。タイ、インドネシア、モンゴル、モン族のラップ、などなどぜひ興味がある人は調べてみてほしい。再生回数も1000万を超えているものも沢山あり、私だけでなく、すごく人気なのがわかる。
その中でたまたま出会ったのがカンボジア音楽である。
カンボジア?音楽?と思われるかもしれないが、私は彼の国は実はすごい才能の宝庫ではないか?と思っている。しかも、Youtube で見るとMV再生数M超えが数え切れないほどある(M=100万回)。1700万弱の人口からしてもすごい数だどわかる。本当に音楽好きな国民性なのだと思う。Britain's Got Talent と言うイギリスの有名ショー(かつてはスーザン・ボイルさんや日本の芸人安村さん)が出た番組の名を冠した Cambodia's Got Talentというショーも毎年開催されて、Youtubeでも見られるが、曲もバラエティに富み、伝統音楽からダンスミュージックまでと楽しめる。
最近は日本の有名ラッパーのAwichさんが向こうのラッパーと一緒に曲を作ったりしていて注目を浴びているとも聞く。
私のおすすめは Noly Record(ノーリー・レコード) と言う歌手。クメール語の説明しかないので本当かわからないが、作曲も歌も自分でしているらしい。私のお気に入りは
Crush
Lok Ko Yun (To sell the tractor)
残念ながら上の Crushの 歌詞の意味はわからない。いわゆる演歌のこぶしのような歌い方が聴いているが、リズムがやっぱりカンボジア風でかつポップだ。
下の Lok Ko Yunは「トラクターを売る」と言う意味のタイトルである。好きな女の子に結婚を申し込むため家で大切にしているトラクターを売っていくばくのお金を得たのだが、彼女は他の人と結婚してしまった。後悔しても知らない、私は助けない、と言う意味の内容だ。カンボジア人やタイ人の人がその歌を使ってイメージビデオを色々Youtubeに上げていて、それを見ると現地の人々や農村の様子なども垣間見られる。
懐かしい、と言うほどではないが、音楽の調子がどことなく日本のそれと通じるものがあるのが耳に心地よい理由かなあと思う。現地に住まわれていたこともある、ジャーナリストの木村文さんの話ではカンボジアに60−70年代にたくさんの日本音楽入り、現地の歌として根付いたものも多いと言う。(Session の2023年カンボジア特集などをポッドキャストで聴けるので詳しく知りたい方は調べて見てください。)
もう一つ、私がよく聴くのが、Mando-pop (中国本土のpop music) だ。Youtubeではゲーム音楽などもよく上げられているが、中国音楽や文化、華流が好きな人におすすめのコンテンツがある。2020年を最後に更新されなくなってしまったのだが、中国国際放送局日本語版のポッドキャスト 「中国メロディー」である。日本のポップソングのカバー曲だったり、中国で有名な曲、流行っている(当時)曲、ドラマの主題歌などが紹介されていて、歌詞や背景などが丁寧に説明されていて、へ〜と思うことが多い。昔の懐メロではなくて、おしゃれな今の曲も沢山紹介されている。
中でも私の印象に残るのはこれ!
稲香(タオ・シャン)稲の香
元々はジェイ・チョウ(Jay Chou)の稲香と言う有名曲だが、ある公立学校の先生が、アカペラに編曲し直して、学校の合唱部の生徒が歌ったものだ。
カップを使ったり体を叩いたり、机を叩いたりしての独特な演奏法と可憐なアカペラで、アモイ第6中(向こうでは高校と中学校はそれぞれ高中・初中と呼ばれている)が一挙に有名になり、ジェイ・チョウとも遂に共演した。
稲香
詳しくはぜひこの「中国メロディー」プログラムを聴いてほしいと思う。現在、中国に対して好感を持つ人が減っていると聴くが、音楽は国境をとっくに超えているし、今の中国の音楽文化にぜひ触れてほしいと思う。私は本当に感嘆した。
ついでに、Youtubeには他にも中国でのTikTok 音楽がよく出ている。本当に上手に作られているなあと感じるものも多い。特におお、すごいと思ったのは、各年に流行ったTikTok ミュージックのメドレーだ。中国の曲もあるが、アメリカ、韓国、日本の曲も混じっている。しかも、ネーミングが 「〇〇年大串焼」!! 例えば2024年は「2024年無敵大串焼」となっている。いろんな曲を串刺しにして一つの曲にまとめました!と言う意味だと私は勝手に思っているのだけれど、こういうネーミングセンスが素敵にわかってしまうのだよね、漢字を使う私たち。