【簿記2級学習・工業簿記】『経費』などの工場でかかったお金は、最終的に『売上原価』となって費用に計上される
結論
工場で、製品を製造するためにかかったお金(賃金・経費など)は、最終的に『売上原価』として費用に計上されることになります。
ところで学習を進めると『経費』『賃金』などを貸方で仕訳することがあります。
最初はこのことに違和感を感じるかもしれません。
ですが、これらは最終的には『売上原価』として費用に計上される。なので『経費』『賃金』などを貸方で仕訳することは、最終的に『売上原価』として費用に計上するまでの過程なんだと考えると良いかと思いました。
解説
製造原価は、製品が売れた時に費用として計上
工業簿記では「製品」を製造して販売します。そして製品が売れた時、「売上原価」を費用として計上します。この売上原価とは、売れた製品を「製造するのにかけたお金(製造原価)」になります。
つまり、「製造原価は、その製品が売れた時に初めて費用として計上する」のです。
製造原価になる範囲は「工場での活動ほぼ全て」
そして、「製造にかけたお金の範囲」は、どうやらかなり広くとられているようです。
具体的には「工場での活動ほぼ全て」ということになります。
製品の材料代
製品を作る方の賃金
工場での水道光熱費
製造機械の減価償却費
工場事務の方の賃金
工場で働く方の福利厚生費etc…
例
例として、下記の工場Aを考えてみます。
工場Aでは、B社へのオーダーメイド品1つを1年かけて製造・販売した
工場Aが当期に製造・販売した製品はその1つだけである
上記の場合、工場AはB社へ製品を販売した時点で、『売上原価』を費用計上します。
『経費』『賃金』を貸方で仕訳するのは『売上原価』で費用計上するまでの過程
売上原価によって費用計上されることを説明しました。
ところで工業簿記では、『賃金』や『経費』などを貸方で仕訳することがあります。(消費)
このことに最初は違和感を感じるかもしれません。商業簿記では『給料』『水道光熱費』などは費用として、ただちに借方で仕訳をしてたためです。
しかし、工業簿記では最終的に『売上原価』で費用計上する。貸方で仕訳しているのはその過程だから問題ないと考えればいいと思います。
※「消費」時の仕訳については、以前に投稿した記事が参考になります。
売れた分しか費用計上しない
製造原価は製品が売れた時に初めて「売上原価」として費用計上すると説明しました。つまり、製造した製品が全く売れなければ、「費用0」になってしまうのでしょうか?
誤解を恐れずに言うと、おそらくそうだと思われます。ただ、この場合「製品」などの残高がとても大きくなっているのではないかと思います。
売れた製品1個に対して、どれくらい「売上原価」として費用計上するのか
当記事では「製品1個だけを作ってそれを売った」という極端な例を出しました。この場合だと、製造した1個に製品に「工場活動でかかったお金全て」を「売上原価」として費用計上すればよかったので分かりやすいです。
しかし、実際はたくさんの製品を製造して売るのがほとんどです。
ではその場合、製品1個が売れた時、「売上原価」としてどれくらいの費用を計上すればいいのでしょうか?言い換えると、売れた製品1個に対して、「製造原価」をどれくらいのせればいいのでしょうか?
これを工業簿記で学習する「原価計算」によって求めていくことになるのです。
まとめ
製品を製造するためにかかったお金(賃金・経費など)は、最終的に『売上原価』として費用に計上される
『経費』『賃金』などを貸方で仕訳することがあるが、それは『売上原価』として費用に計上するまでの過程
製品を製造するためにかかったお金である「製造原価」の範囲は「工場での活動ほぼ全て」
製品1個に対してどれくらいの「製造原価」をのせるのか、それは「原価計算」で求めていくことになる
おわりに
簿記2級学習のためにまとめました。
記事を書くことを通して理解が深まったと思います。
そしてこの記事が他の方の理解の助けになれば幸いです。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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