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応用情報の午後「経営戦略」は、日商簿記を勉強しても少し有利になる程度だと思った。

結論

応用情報技術者試験の午後問2「経営戦略」は日商簿記2級を勉強しても少し有利になる程度だと思いました。選択するなら簿記の有無関係なく対策した方がいいです。また逆も然り。日商簿記2級の勉強をしたい経営戦略選択経験者がいらっしゃれば、その時は対策をしてください。


応用情報の「経営戦略」は日商簿記経験者におすすめ?

応用情報技術者試験、午後で日商簿記経験者は「経営戦略」の選択がおすすめと聞いたこと無いでしょうか?
少なくとも、簿記の知識が無いと厳しいという話は、聞いたことがある人が多いと思います。

では、日商簿記2級合格経験あり、応用情報技術者試験を勉強中の私が、この言葉を受け取って経営戦略の過去問を解いた所感をまとめます。
そもそも簿記2級の後に応用情報を勉強しようという人も少ないと思いますが、参考になると幸いです。
ちなみに、私は日商簿記の勉強を財務の知識が無いところから始めてます。
「日商簿記2級だけ」という状態なので、いいサンプルになってると思います。

前提

この記事では日商簿記で「少し有利になる程度、大きく有利にはならない。」と結論付けてます。ですが理由は、「お互いに問いたい内容が違うから」です。日商簿記も経営戦略もそれぞれの難しさがあります。日商簿記の「難易度が足りてないから、経営戦略で大きく有利にならない」と言いたいのではないことをご理解いただけると幸いです。
そして、この記事では日商簿記2級まで学習したときの話になります。1級まで、あるいは日商以外の簿記を学習するとまた話は変わってくるかもしれないです。どうぞよろしくお願いいたします。

財務要素が無い問題だと歯が立たない

まず経営戦略の出題内容は広いです。過去問を見る限り、財務要素0の回も十分にあり得ます。これだと日商簿記経験者が有利に働くことはほぼありません。

財務要素も内容があまり被ってない

では財務要素のある問題が出題されれば、とても有利か?と言われると、そうでもないような気がしています。
経営戦略でよく見る指標ありますよね。「ROI・売上高対経常利益率・当座比率・固定資産回転率」とか。実はこれらの指標は簿記2級ではほぼ出ません。出るのは「損益分岐点・安全余裕率」ぐらいです。
ということで大量の指標を覚えなければなりません。財務要素も対策が必要なのです。
他にも出題傾向が違ったりと、簿記経験者が無対策でできる問題構成になってないように思います。
これは問いたい内容の違いから来てると思います。経営戦略では「財務諸表を正しく分析して、最適な経営戦略がとれるかを問いたい」と思います。一方、日商簿記では「会社のお金の動きを仕訳という形で正しく記録できるか。そして仕訳を集計して財務諸表を正しく作成できるかを問いたい」と思います。
経営戦略では仕訳や財務諸表を作成できる必要は無いですし、日商簿記では財務諸表を分析する必要は無いわけです。
問いたい内容の違いから、財務要素が絡む問題でもあまり有利に働かないと思います。

有利になる一面もある

「財務要素が無い問題だと歯が立たない」「財務要素も内容があまり被ってない」と、有利に働かないところばかり書きました。とは言っても有利になるなと思う一面もあります。
まず、財務諸表にある各勘定科目の意味は頭に入っている点。よく出てくる「売掛金」や「買掛金」、そして最もとっつきにくい「利益剰余金」とかが自然に染みついてるのは大きいと思います。そもそも、財務諸表・簿記一巡が何かを理解できている点も強い。
2つ目に利益の種類もすでに覚えている点。「営業利益」「経常利益」「当期純利益」など、多くの人が頭を悩ませるであろう利益の違いが既に身についているのも有利に働くと思います。ただ、これは簿記3級では出てきません。。。
3つ目に指標を覚えるのにかかるコストが低い点。先ほど、大量の指標を覚えないといけないと書きました。ですが、簿記を学習していると指標は覚えやすいと思います。他にも、指標が高いほど良いか・悪いかといった違いも理解しやすいのではないでしょうか。勘定科目の意味が頭に入ってる分、式の意味が想像しやすいからです。
番外編として、午前では簿記の仕訳といえる問題がたまに出ます。減価償却が論点になることが多いですね。他にも簿記経験者にとってはサービス問題になるものが出題されてます。簿記経験者は、「午前の勉強コストを抑えられること」の方が「午後の経営戦略が選択肢に入ること」よりメリットを感じるかもしれないです。

日商簿記経験に関わらず、選択するなら対策した方が良い

ということで、日商簿記2級を勉強しても少し有利になる程度だと思います。簿記の経験がある方には確かにおすすめなのかもしれませんが、過度に期待し過ぎない方が良いと思います。対策はした方が良いです。
そして、問いたい内容が違うから、日商簿記の経験が無い方でも経営戦略は対策できると思ってます。応用情報の経営戦略で今後も出題されるであろう知識は押さえたいところです。これは下記の記事が参考になると思います。

日商簿記も経営戦略もそれぞれの難しさがある

くどいようですが、日商簿記も経営戦略もそれぞれの難しさがあります。日商簿記には難しい論点、厳しい制限時間など受験者を苦しめる要素がたくさんあります。それぞれ違った難しさがあることはどうかご理解ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。この記事が参考になったという方が1人でもいらっしゃれば嬉しい限りです。
ちなみに、私は経営戦略をおそらく選択しないと思います。ただ、他の選択候補が難しすぎて、財務要素多めだった場合は選択するかもしれません。出たらラッキー程度に留めておきます。

以上です。

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