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贈る言葉

褒められると照れ臭くなって話を逸らそうとする。
心配されるのが嫌だから気丈に振舞う。
優しくされると落ち着かない気持ちになってしまう。
本当はどれもみんな求めているくせに、自分の弱さを他人に見せるのが怖くて仕方がない。
本心を隠して嘘の自分を演じている。

そしてそのうち心は破綻していく。
どれが本当の自分なのか。
どの感情も自分のものとは思えず何をしていても手ごたえが無い。
虚無感のようなものに包まれて何も言えなくなっていった。

そんな時
言葉をもらった。
「あなたが弱い人だって知ってるから。もっと甘えていいんだよ。」

ありふれた言葉かも知れない。
でもその時の僕の心には突き刺さった。
張りつめていたものが緩んで、胸に何か熱いものが込み上げてきた。
そして気がつくと涙を流していた。
泣いている理由も分からず、周りの人にバレないように必死に誤魔化した。

その時の僕の気持ちに寄り添った、友人からの言葉がどれほど大きくて暖かくて優しいものだったか。
心からそう思う。

その日以来、少しずつ僕は回復している。
弱さを隠すことが強さではない事
弱さを素直に出せるのも強さである事
そんなことを思ったりしている。

今日はホワイトデー
精一杯の心を込めて「ありがとう」の言葉を贈ろう。

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