ANTHEM OVERLOAD&ETERNAL WARRIOR完全再現ライブに参加して
年度末も差し迫ってきた3月16日。
そろそろキャリアも40周年が迫ってきた国産ヘヴィメタルバンドの雄であるANTHEMの今年最初のライブに参加してきたので、簡単に感想を綴っておく。
ANTHEMは本来2020年に、35周年記念の序章的ライブとして、2021年にバンドを再開した直後に出された「SEVEN HILLS」『OVERLOAD」「ETERNAL WARRIOR」の3枚の完全再現ライブを、2020年の前半で1公演ずつ行う予定だった。
しかしご存知の通り、2020年2月から、世の中はコロナ禍となってしまったことから、ギリギリのタイミングで行われた「SEVEN HILLS」完全再現以外のライブは中止となってしまった。
そこから4年の時を経て、中止となった「OVERLOAD」と「ETERNAL WARRIOR」の完全再現を一つの公演でまとめてやってしまおうと企画されたのが今回のライブである。
アルバム2枚分の完全再現をやろうというのは中々聞いたことがないし、
柴田御大もMCで、「ライブ開始前に、やっぱり、無理だよねぇと言ってたんですが」とか言っちゃうくらい準備は大変だった模様w。
会場は、活動再開後のANTHEMの聖地である「クラブチッタ川崎」。
ただANTHEMのライブとしてはクラブチッタは意外と久しぶりかな?(昨年の関東公演はZEPP新宿と横浜ベイホールだったし。)
なお、2部構成にするからなのか、この日はクラブチッタとしては珍しく、全席指定だった。やはりライブが長くなったので、席があったのは非常にありがたかったが、これ名阪はどうなってんだろう。
<第1部 OVERLOAD完全再現>
REVENGE
THE VOICES
DEMON'S RIDE
ROUGH AND WILD
RESCUE YOU
GROUND ZERO
OVERLOAD
DESERT OF THE SEA
GOTTA GO
ETERNAL MIND
まずはOVERLOAD完全再現が先行。
MCで語られていたが、柴田直人が前作「SEVEN HILLS」から審査判断基準を格段に厳しくしたため、清水昭男としては作成に苦労したアルバムであるとのこと。(確かに過去のいくつかのインタビューでは清水はOVERLOADが苦労したアルバムとしてよく口に出している印象はある。)
冒頭1曲目からキーの高いREVENGEが来るわけだが、流石にこの後の難曲に備えて無理はせず、メロディーを少し変えていた。
時々方々のインタビューで語られてはいるが、坂本英三時代の楽曲のキーが森川之雄に合っていないことがある(主に坂本時代が高すぎるという問題)ということで現在やっていない(やれない)曲もあるようだが、完全再現となるとそうはいかない。
ただ、別に個人的に違和感はそれほどなかったかな。
この後のETERNAL WARRIORの楽曲もそうだが、今回はそもそもの楽曲のキー変更をした曲は無く、曲によってメロディアレンジをしているものが少しあったくらいで、あとはそのままだったはず。
ETERNAL MINDは史上初演奏だったそうだ。
アルバムの流れは決してライブ用の流れでは無いとはよく言われるが、OVERLOADは冒頭から最後まで、ライブ再現としても良い流れだなと感じた。客が合唱できやすい曲が多かったのもポイントかな。
個人的にはDESERT OF THE SEAのBメロのタッピングをやらなくなっちゃったのは残念(ATTITUDE2017発売ライブでの同曲ではタッピングちゃんとやってたと記憶している)
<第2部 ETERNAL WARRIOR完全再現>
ONSLAUGHT
ETERNAL WARRIOR
SOUL CRY
LIFE GOES ON
LET THE NEW DAYS COME
DISTRESS
BLEEDING
OMEGA MAN
EASY MOTHER
MIND SLIDE
15分のインターバルを挟んで、ETERNAL WARRIORの完全再現の第2部へ。
結成20周年に向けて作成された本作は、OVERLOADに比べるとバリエーション豊かな楽曲群が並ぶアルバムである。
MCでのエピソードによると、あまりにギターとベースのレコーディングが大変で、追い込みすぎた結果、朝型真っ暗な地下スタジオの部屋でビールを飲むという「闇ビール」という儀式が行われていたというw。(平衡感覚の無い真っ暗な部屋で飲むためめちゃくちゃ酔うらしい)
第一部のOVERLOADに比べると、前半一気に上がって、そこから不思議な雰囲気になる流れではあるが、個人的には、森川Voが合うアルバムだなというのが個人的な一番の印象。
MCで「現体制によるETERNAL WARRIORが完成したと思っている」と柴田御大も言っていた通り、ミドルテンポで重心の低い楽曲が、今の森川Voに凄くハマって更に重心が低くなって良い感じ。LET THE NEW DAYS COME〜DISTRESSは全然音源よりも好みで、こんなに良い曲だったのか、と楽曲への印象が変わった。
演奏面ではLIFE GOES ONの冒頭は音源ではアルペジオになっているが、チョーキングによる白玉を中心とした演奏に変更されていた。
<ENCORE>
WHEELS OF FIRE
MASTER OF DISASTER
WILD ANTHEM
2枚のアルバム完全再現を無事乗り越えて、アンコールで披露されたのは
最新作「CRIMSON&JET BLACK」からの2曲をドロップ。
アッパーチューンの楽曲2曲を出したというのもあるが、
この2曲の演奏をみて、バンドが一気にエネルギッシュになったように
感じたところ。やはり現行ANTHEMの感覚的な部分、チューニングに現在最も合った楽曲なんだなと認識した。
最後はお約束のWILD ANTHEMで大盛り上がりでライブは終了。
色々なANTHEMの側面が見れたという意味では、実に中身の濃いライブでお腹いっぱい。
今回のツアーは東名阪のライブでこの後も名阪が行われるが、初日ながらANTHEMの魅力全開の最高のライブだった。