TEARS OF TRAGEDY ”Wonder Parade"@東京に参加して
連日暑い日が続く中での8月第1週の土曜日、メロディックメタルバンドTEARS OF TRAGEDYのライブに参加してきたので感想を書いておこうと思う。
TEARS OF TRAGEDYはこの7月に5thアルバムである「Wonder Arts」を発表している。今回はそのアルバム発売を受けた、レコ発的な側面もあるライブと言える。
元々昨年行った15周年記念の対バンにて2024年8月3日にライブ日程押さえてあるとの告知がされていおり、その前にアルバムが発表されることは予想されていたが、
今回のライブは、作品発表から1週間と数日あまりの短かさで開催されることとなった。
サポートに関しては、Drは5thアルバムのドラムアレンジを担当し、4thのライブから既にお馴染みのMAKI、そして今回注目なのがBaにSABEL TIGER/NoGODのHibikiが参加。
Hibikiについては、TORUと知り合ってから15年近くになるとのことで、その昔、Hibikiが当時在籍していたMardelasの立ち上げ時のサポートをしたことがあったり、これまたHibikiが在籍していたSilexとTEARSなどと魔界都市ツアーという対バンで全国回ったりしていた仲だ。
個人的にも魔界都市ツアーは参戦していたし、TEARSにHibikiが加わるということで感慨深い。
場所は新宿ReNY。
都庁の近くにある会場で、ビルの2階にあるジャンピング禁止の会場だ。
個人的には、CRETURE CRETUREの復活ライブ以来だと思うので1年以上ぶりか。
ここ開場前に螺旋階段のところに人が待機する形になり、その際螺旋階段のところが蒸し風呂みたいになるので導線が好きではない。
幸にして今回はチケット番号が早めで、それほど暑さに苦しまずに助かった。
会場内については、今回は下手側位置に陣取ってみることにした。
ライブは定時17:30にスタート。
なお、この日は映像収録が入っており、後々の映像作品発表も予想される。
セトリは以下の通り(熱中しすぎて中盤少し怪しい)。
Wonder Arts
The Sweet Scent of a Woman
SONIC DRIVE!
Innocent gram
Rebirth
蒼炎
Euclase
Nonsite
リベラリスト
rose
Morder
Eternal
Epitaph
∞
Be Inconsistent
Void Act
幽玄
BROSIS
(EN)
クロノメトリー
Spring Memory
ライブスタートすると幕があき、HARUKAがWonder Artsのイントロにあわせて踊りながら下手と上手を行ったり来たりするところからスタート。
上手はTORUとMAKI、下手がHAYATOとHibikiという配置。
今回3人メンバーのうち、TORUとHAYATOはアルバムやライブの宣材写真で着ていたと思われる赤い衣装で登場。
HARUKAは宣材とは違い、おそらくベトナムのアオザイをベースにした赤い衣装で、髪型も桃白白ヘアー(あれ呼び名なんて言うの?)のウィッグをつけていた。
当然のことながらWouder Artsの曲が主軸で、アルバムの世界観を存分に体現した物となった。
過去曲も代表曲が選出され、これまでワンマンで投入されてきた大作や高速キラーチューンのような曲はなかったものの、Be Inconsistentのようにかなり久しぶりにやった(それこそ魔界都市ツアー以来か?)曲もあった。
(Be Inconsistentは個人的にめちゃくちゃやって欲しい曲だったので、イントロだけで全身鳥肌。でもHARUKAは曲自体完全に忘れていたらしいw)
それにしてもWonder Artsの曲が素晴らしすぎる。
ライブにおいては各曲完全再現がされ、その極上のメロディに没頭「させられた」。
曲に吸いよせられるいうか、惹きつけられるというか。
それもこのアルバムのクオリティ故のことなのだろう。
演奏陣の安定感は素晴らしく、TORUはよくあの複雑で早いソロを確実に再現できるなと。最新作もそうなのだが、久しぶりに見たRebirthのソロヤバいだろ(もちろん褒め言葉)。
HAYATOは2台のキーボードを駆使し、いつも以上に手元が忙しかったように見えた。本人のMCからもそのことが伺え、たまにHibikiが絡みに行っても全然鍵盤から目を離さなかったw。
MAKIのドラムも非常に安定感があって素晴らしかった。新作のフレージングも、いろいろなパターンがあって凝ってるなという印象。
Epitaqhの前MCでHARUKAが、「次はMAKI君の曲だよ」と言っていたが、この辺りの発言からして、現在のTEARSの楽曲貢献度が高いことが伺える。
そして今回そこに華を添えるHibikiのベース。久々に生のプレイを見たが、凄いわ。こんなに釘付けにさせるベーシストもなかなかいないのではないか。
早い曲でも3フィンガーで終始指弾きで捌き、動きまくり隙間隙間で細かいフレーズのオカズを入れまくるのにはニヤニヤしてしまった。
さらにRebirthや蒼炎ではTORUと高速ユニゾンを披露、Void Actでの同じ手の動きのシンクロは、さながらDREAM THEATERのジョン・ペトルーシとジョン・マイアングの掛け合いを彷彿とさせた。
元々LIGHT BRINGERの屋台骨として独特なフレージングで曲を彩るHibikiが、TEARSと交わることでの化学反応に期待していた人は多いだろう。
ライブ開始前の外の待機列でも「今日Hibiki楽しみだよね」「Hibiki見るために下手側に行こう」などというやりとりも聞こえていた。
その期待に応えたプレイであったことは、会場の客も感じ取ったと思う。
MCでもTORUが、今回参加するにあたり、Hibikiのベースがかなりいいと感じたらしく、今後作品を作る際はお願いしようかなという話もあったので、ぜひ期待したいところ。
一方でTEARSのライブは、グダグダなMCも魅力の一つなのだが、
今回はいつもより抑えめながらも、要所要所でいつも通りのクスッと笑わせるMCには楽しませてもらった。
マッチングバンドってなんだよwww。
(Eternalが結婚式ソングに仕上がったということで、TEARSの現場で知り合った2人が結婚した際は、ノーギャラで演奏しに行くという話がでたのだが、それを受けてHAYATOが、今日のライブは合コン感覚で、我々マッチングバンドなんで、という言葉を受けたもの。)
それと過去の変なおじさんコスや雷様コスと言ったぶっ飛んだものはなかったが、クロノメトリーの時には何故かイリュージョン演出を本当にマジシャンを迎えて実施。何もない檻の中から一瞬にしてHARUKAが登場するという演出があった。
ライブ演奏以外の部分でも楽しんでほしいという、彼ららしい演出だったと言えよう。
あと、HAYATOバッハTシャツ、出たら買いますよw
以上素晴らしいライブを堪能し、終了時刻は既に21:00少し前くらい。
なんだかんだ、いつものTEARSのワンマンライブ並みに長いライブとなった。
この後、TEARSワンマンの恒例となっているお見送り会が行われたのだが、新宿ReNYの閉館が22:00ということで、ライブ終了した時点で時間が無くなっていた。
そのため、お見送り会のごく最初の方だけファンミーティングのようなやりとりがあったのだが、すぐにグータッチ会に変更となってしまった。
なので感想を伝える余地もなく3人とグータッチして速やかに退館した。
ワンマンでも対バンでもいつも思うことだが、ライブ本数を打たないのにこの素晴らしいクオリティ、もっと見たいという気にさせられる。
まだ未発表の告知があるらしく、どうやら年内のライブを匂わせるようようなMCもあったが、もっとたくさんライブをやって欲しい。
MCでも「マイペースでやっていきます」と相変わらず言っていたが、今回のライブが過去最高の動員だった(しかも初めてTEARSライブに来たという人が会場の1/3くらいいた)ということを考えても、元々認知されれば、気づいてもらえれば人を惹きつける魅力に溢れたバンドなのは間違いないわけで。
単発スポットのワンマンもいいが、もっとライブを打ってほしい。
ワンマンの全国ツアーもありなんじゃないか。
いずれにせよ、今回も素晴らしさの余韻に浸らせてもらいながら帰路についた。
17年目を迎えているこのバンドの挙動に、引き続き注目していきたい。