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CASIOPEA-P4 'RIGHT NOW -WINTER-'@東京に参加して

12月もいよいよあと半月となった12月15日。
国内フュージョンの雄、CASIOPEA-P4の年内最終公演を見てきたので感想を綴っておこうと思う。

活動歴としては約45年となる国産フュージョンバンドCASIOPEAは、現在4期目の編成となっている。
2012年に活動を再開してからは、ただのCASIOPEAではなく、CASIOPEA 3rdと名乗っていたが、スペシャルサポートメンバーだった神保彰によるサポート終了及び今井義頼の新メンバー加入に伴い、CASIOPEA-P4となり現在に至る。
バンドは今年前半に最新アルバム「RIGHT NOW」をリリースし、今回のライブはそのアルバムを中心に据えた冬のライブという位置付け、だけのはずだった。
ところが、12月頭にキーボードの大高清美が今月いっぱいで脱退することがオフィシャルから発表された。
ということで、今回の冬公演は、急遽「RIGHT NOW  WINTER-Kiyomi FINAL」と銘打たれ、実質的にはCASIOPEA4期目のP4としてのラストライブとなった。
正直コロナ明けからは、色々タイミングもあってCASIOPEAのライブからは遠ざかっていたのだが、大高卒業をネットで知り、まだチケットを確保できたので急遽参加を決めた次第だ。

個人的にCASIOPEAを最後に生で見たのは、記憶では、映像作品にもなっているメルパルクホールでの40周年記念ライブが最後かな?
そうか、あれは2019年12月のライブでコロナの直前。もう4年も経っていることに驚きだ。
思えば個人的にCASIOPEAのライブを初めて生で見たのは、東京JAZZ2012。
6年の休止を経て、ついに復活ということでの1発目のライブがこのライブだった。
CASIOPEAに興味を持った時には既に活動休止中だったことから、本当に復活してくれるのかとワクワクしながら見に行ったのを思い出す。
大高清美はここから加入し、本日まで12年所属していたということになる。
個人的には、故:菅沼孝三とのユニットである、adoreというプロジェクトで存在を知っていたので、CASIOPEAの復活も驚いたが、大高清美の加入というのも驚いたものだ。
「オルガンサウンドはCASIOPEAに合わない」などの声は、昔からのファンから言われたりもしていたが、3rdの曲は当然大高のオルガンなしに成立し得ない個性がある。
卒業理由は特段語られていないが、前任の向谷実の後任としてバンドのキーボディストとという核の部分を、12年もの間担い続けてきたことは、疑いなく賞賛に値する。

今回のライブ会場はヒューリックホール東京。
日比谷にあるビルの11階にあるこの会場は、個人的に初めて足を踏み入れる会場で、こんなところに900人規模のホールがあるのは知らなかった。
今回比較的後ろの席で見ていたが、元々は映画館だったところを改造したという会場ということで、後ろからでも会場は見やすい構造になっていた。
ライブ開始まで席で待っていたところ、開始10分前に、大高清美による影アナが開始された。
基本的にはナルチョいじりの影アナで、最後となる公演での粋な計らいという感じだ。

オンタイムになり暗転、少しダンサブルなSEが流れると速やかにメンバーがステージに登場。そのままリフを刻み出してライブスタート。
セトリは以下の通り。

DOMINO LINE
FIGHT MAN
BEYOND THE GALAXY
DREAMER`S DREAM
A BEAM OF HOPE
THE TIME HAS COME
THE HOPEFUL WORLD
WHICH WAY?
NO PLACE LIKE HERE
CHALLENGERS
ADMIRATION
HOUR OF THE RAINBOW
90's A GO GO
LOOK UP THE STAR
HAPPINESS
EYES OF THE MIND
GALACTIC FUNK
ASAYAKE

(EN1)
TODAY FOR TOMORROW
GOLDEN WAVES
(EN2)
PAL

先述の通り、このライブは元々最新アルバム「RIGHT NOW」(野呂曰く、「今じゃね?」のニュアンスでつけたタイトルとのこと。)を主軸にしたライブであるため、やはりRIGHT NOWの楽曲が中心、それどころか、この日はアルバム完全再現という、中々大胆なセトリとなっている。
大高ラストのライブなので、3rdの大高曲をたくさん出してくるかなとか考えていたが、そんなこともなく(苦笑)、RIGHT NOW全曲+過去の代表曲という構成になっている。
MCによると、このセトリは野呂一生(ひとなま)という、野呂一生(いっせい)という別人(?)が考えているようで、鳴瀬が「アルバム全曲やるとか、覚えられないからやめて」とボヤいていたw。
しかも「誰がリーダーかは知りませんけど、CASIOPEAというバンドはリハーサルでほぼ全曲やるので、リハーサル終わりでもう限界」とのこと(もちろん鳴瀬御大談)。
一応頭の3曲は1期、2期、3期の簡単な歴史の振り返りということらしい。ただ冒頭SEからのいきなりDOMINO LINEなので、会場はすぐにボルテージが上がり、最初から結構な人数が立ち上がってライブを見ていた。
この日はEYES OF THE MINDからもほぼ全員立ち上がって見ていたし、昔の曲だけかと言われるとそうではなく、CHALLENGERSでも立ち上がる人がいるなど、自分が参加してきたCASIOPEAライブの中では一番客の熱量が高かったかなという印象。

今回P4のライブは初めて見たわけなので、神保の後任である今井のドラムプレイを見るのも初めでだった。
個人的に、今井については加入前から知っていた。
色々なライブサポートやRECに参加しているというのはあるが、Switch等で発売されているRPG「オクトパストラベラー」シリーズの音楽のドラムを担当しているということで個人的に知っていたので、CASIOPEA加入が発表された時は少々驚いた。
プレイについては、神保との比較という点では、タムタムのフィルやチャイナシンバル等の入れ方などは、神保のそれよりもやや手数が多い感じに見えたかな(まあ、そもそも神保のドラムがそもそも手数が多いというのはあるが)。ドラムソロが入る曲では、結構詰め込んでいるドラミングをしているように見えた。
特に違和感があったわけではないが、カッチリしてソリッドなドラムサウンドになったかなという印象を個人的に受けた。
まあ、長いこと神保彰のドラミングで構成されていたバンドなので、今井の色が存分に出るようになるのはこれからだろう。
ただMCは達者であり、「僕の作ったHOUR OF THE RAINBOW。いつも「何時だよ」と聞かれますが、答えは一つです。2時です。虹だけに」と上手いことまとめていた(お約束なのかもしれないが)。

上記にも書いたが、鳴瀬のMCは相変わらず面白かった。
メンバーの中で一番MCも喋っていたし、2回目のアンコールの時は、1回目終了後にステージ袖に引っ込まず、そのまま客にアンコールを煽り、さらに最前席の客を1人会場に上げ、アンコールを煽らせる一面もあった。
というか、鳴瀬御大はもう75歳なのか。元気すぎるだろw。
ただ90's A GO GOなんかでは、バシバシスラップして、超スピードでストロークをすると、腕前は健在。
記憶が間違ってなければ、そもそもCASIOPEA 3rdを開始したのも、鳴瀬が「自分が動けるうちにまたやろう」と野呂に言ったのがきっかけの一つだとか。チョパレボも含め最高なプレイをまだまだ見たいところだ。

ライブは約2時間15分で終了。最後野呂から大高に花束を渡して終了した。
久しぶりに安定と王道のCASIOPEAサウンドを堪能し、充実した夜だった。
この日の模様は3月にWOWOWで放送されるということだが、おそらく半年後くらいには映像作品にもなるのではないだろうか。
大高脱退のアナウンスでは、バンドは継続していくことを明言している。
45年目にして再び新たなステージへ進むCASIOPEAの新たな動向に期待したい。







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