Unlucky Morpheus 15周年ツアー2日目@新宿に参加して
まだ夜は肌寒さも残る6月2回目の日曜日にして6月9日。
国内メロディックメタルの雄、あんきも基いUnlucky Morpheusの15周年ライブの2日目にして東京公演に参加してきたので、簡単に感想を述べたいとの思う。
6月9日ロックの日ということで、この日はUnlucky MorpheusのVo、Fukiの誕生日である。
元々メンバーの誕生日イベントを行っているバンドではあるが、今年はバンドの15周年ツアーの一部に誕生日をぶつけてきた形だ。
場所は新宿BLAZE。いわゆるトー横と呼ばれる場所に位置する700人規模のライブハウスだが、この場所は、定期建物賃貸借契約終了のため今年の7月31日に閉館となる。
都内には色々ライブ会場があるにせよ、500~1000人規模のライブハウスとして、少なくとも日本のメタル関係にはとても重宝されていた会場だったし、コロナ禍でも声出しができない段階で、かなり早くから色々なバンドがここでのライブを再開していた貴重な会場だった印象がある。
私もここでGALNERYUS、摩天楼オペラ、TEARS OF TRAGEDYそしてUnlucky Morpheusと数々の素晴らしいライブをこの会場で経験してきたので、そういった会場が無くなってしまうのは実に残念だ。
今回のツアーは、あんきものデスメタルプロジェクトであるUnholy Orpheusがオープニングとしてライブを行い、その後あんきも本編のライブを行うという構成となっている。
とはいえ、演者にFukiがいるかいないかの違いでしかないため、バンド側はいつも以上にハードな演奏の数をこなすという、耐久ライブとなっている。
<Unholy Orpheus セットリスト>
what is DEATH?
Slave Domination
The Other Cosmos
Don't return to sainity
Get out of the cage
Das Rastel der Gotter~Undeveloped Land
want to LIVE
一部ファンの方にとって、あんきもに求めるものの主軸は、あくまでFukiの声であり、デスは不要と考えている人は少なくないかもしれない。
(いつかのライブのMCで、陰陽座ですら瞬火の声はいらないという意見が出るから仕方ないという話をしてた記憶がある)
ただ過去にはParallelism・γというデスオンリーの作品も出しているくらいなので、Unholy Orpheusの話が出た時は個人的にそれほど驚きはなかった。
アルバム「what is DEATH?」自体は、元々アルバム「evolution」のDISC2として一緒にリリースする構想だったため、端々にevolution楽曲を思わせるフレーズが散りばめられている。
で、実際に生で見た感じ、非常に面白い。
12月の時にも感じたことだが、何はなくともJillのバイオリンがポイントで、バイオリンが入るとメロデスでもここまで印象が変わるのかと。
楽曲も観客の相手を入れやすい構成の曲が多いためキャッチーで凄くいい。
Don't return to sanityは特にお気に入りだ。
客入れBGMでずっとChildren of Bodomのアルバム「Hate Crew Deathroll」を流していたが、着想はここに影響を受けているのかな?
チルボドといえば大胆なオーケストラピッチを使ったり、他のメロデスとは1線を画したサウンドでフィンランドの国民的バンドにまで登り詰めたバンドだが、チルボドや、あと明るいメロデス曲の多いArch Enemyなどとはまた全然違うベクトルのキャッチーさがUnholy Orpheusにはあると感じた。
デスメタルへの導入編としてお勧めだと思う。
<Unlucky Morpheus セットリスト>
evolution
"M" Anthem
"M" Revolution
Knight of Sword
Black Pentagram
CADAVER
REVADAC
アマリリス
誰が為に
Drum Solo
Technical Difficalties(QUADRATUM)
La Voix du Sang(Accoustic Ver.)
imagimak
Reincarnation~TRAUMATA(Unholy Orpheus feat. Fuki)
Top of the "M"
Change of Generation
REBIRTH~断罪は遍く人間の元に
(EN)
Make your choice
豪賊
U.F.O -U Feel Overjoyed!-
Carry on singing to the sky
Unholy Orpheusが終了して大体15分くらい経って、いよいよ本編のあんきもがスタート。
結論として、ライブは非常に素晴らしいものだった。
楽曲自体は全時代横断的なもので、MCでFukiも言っていたが、振れ幅の大きいバラエティに富んだ構成。
今回のCADAVER、REVADACの枠が各会場日替わりになりそうだ。
なんだかんだ今年最初のUnlucky Morpheus。目の醒める至高のメロディックスピードメタルを久々に堪能できた。
楽器帯は相変わらず寸分違わぬプレイだったが、
やはりオープニングから異常な手数で叩き、ツーバスを踏み続けるFUMIYAは完全に修羅そのもの。終了後「ふーみん、お疲れ!」と言わずにはいられなかった。
FUMIYAは最近「行けないけど応援してます、みたいなのいらないからライブに来てくれ」的なXの投稿をしていたが、ここまでの内容をやるには、確かに声援を馬力にして叩かないともたないだろう。
一方で、最初2曲を聴いてすぐ気づいたが、
Fukiの声が掠れており、声が伸びていない。
というかハイトーンでキーに声が当たっていない。
喉の調子は明らかに悪そうで、中盤ぐらいまでは声は出しにくそうだった。
もっとも、途中から持ち直したようで、後半はハイトーンもちゃんと出ていたのは流石プロとしか言いようがない。
公式から発表されていた名古屋のセトリと比較するとアコースティック曲が1曲減り、Fuki、紫煉以外のあんきもメンバーによるQUADRATUMパートが挿入されたのも、Fukiの声の調子を踏まえてということなのかなと思ったり。(アコースティックパートに入る頃にはFukiの声も持ち直してきてはいたが)
アンコールの最初は、紫煉と小川の二人が出てきてソロバトルから曲に繋がるという構成。そしてここから豪賊までは撮影O Kパートで、SNS掲載許可も出た。
豪賊は久しぶりに聴いたが、掛け合いが凄く楽しかった。
今後あんきもは10月まで全国ツアーを回り、その間に対バンなども予定されている。
15周年のツアーをどのように深化させ駆け抜けていくのか楽しみだ。