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CYNTIA,Aldious ’Queen of the Night’@川崎に参加して

気づけば11月ももう終盤の最終金曜日。
CYNTIAとAldiousの対バンに参加してきたので簡単に感想を書いておく。
 
CYNTIAは2012年にデビューしたガールズメタルバンド。
これまで5枚のアルバムを発表し、硬派なメタルサウンドだけでなく、ポップさも併せ持つ楽曲、そしてSAKIのハイトーンボイスも魅力的なバンドだ。
だが、CYNTIAはギターのYUIのジストニアを理由に2017年に無期限活動休止に入った。(CYNTIAは解散したと勘違いしている人も多いようだが、当時から、あくまで病気を理由とした無期限活動休止である。)
実のところ、YouTubeのビクター公式チャンネルで10ヶ月ほど前くらいにCYNTIAのPVが複数フルでアップされたため、近々何か動きがあるのではないかと噂はされていたところにこのライブが発表されたわけだ(ただの偶然かもしれないが苦笑)。

今回のライブはCYNTIA主導のものであるが、MCで語られていたところでは、そもそもこのライブ自体は事務所主体で決定されたもので、会場を押さえてからメンバーにライブをやると事務所が伝えたという経緯があった模様。
CYNTIAは今回フルメンバーではなく、正規メンバーのキーボーディストAYANOが不参加で、X上でも憶測が飛んでいたが、事務所が話をメンバーにした時点でAYANOは既に別の仕事が入っていて都合がつかなかったということのようだ。
というわけで、今回キーボードには望月ヒカリ、ドラムにはviviがサポートを従えてのライブとなっている。
加えて、どうやら当初案ではクラブチッタでワンマンという企画だったようだが、SAKIが誰か呼びましょうと提案した結果、白羽の矢が立ったのが、かつてレーベルメイトだったAldiousだったそう(この辺りはMCでサラッと言っていたことなので、どの程度正確なのかはわからないが)。
ちなみに同レーベルの時は、CYNTIAはAldiousの妹分という位置付けもあった。

さて、対バンの白羽の矢が立ったAldiousも、現在色々な苦難を抱えている状況。Voは相変わらず正式メンバーが決まっていないことに加え、約6年間一緒に活動したDrのMARINAが病気により脱退した。
そんな中で今回のライブ参加にあたり発表がサプライズで、なんとVoに2代目のRe:NOを、そしてDrに初代のArutoを起用するという3rd、4thアルバム時期のラインナップでライブを行うという。
まあこの辺り、Re:NOは耳の病気で、Arutoは結婚して家庭に入るということで脱退しており、特に仲違いとか音楽性がどうとかいう理由で脱退しているわけではないので戻ってくる可能性はゼロではなかったろうが、まさか昔のラインナップでのライブが今見られるなんて、ファンには夢のようだし垂涎ものだろう。
ちなみにMCによれば、Re:NOにとっては、Aldiousとして歌うのは6年ぶり、今回のラインナップの演奏は10年ぶりになるのだそう。

個人的には、活動休止した2017年に行われたWORLD GUITAR GIRLS COLLECTION Vol.0と冠された、Mary's Bloodとの2マンライブで初めてCYNTIAを見たのだが、そこからまさか7年ぶりにCYNTIAを見ることができるとは思わなかった。
余談だが、2017年当時、どこかの雑誌媒体で、Unlucky MorpheusのFuki、Mary's BloodのEYE、CYNTIAのSAKIによる日本を代表するガールスメタルボーカリストの3者対談みたいな記事があった。
その後Mary's BloodもCYNTIAも活動休止してしまい、寂しくも思ったものだ。(そういえばMary's Bloodの曲にQueen of the Nightという曲があったなぁ)
一方で、Re:NOを擁するAldiousは、PURE ROCK JAPAN LIVEで見た以来なので、よく考えるとそれも2017年のことなので、やはり7年ぶりに見ることになるという偶然。


場所はクラブチッタ川崎。
この日は平日の夜だったが、AldiousのYoshiのXによれば、客の入り自体は800人を超えていた模様で、仕事終わりに駆けつけた自分は開演直前くらいに会場の中に入ったのだが、後ろの方まで客がギチギチで、このライブへの期待感の高さが伺えた。
ちなみにこの日は珍しく2階席も販売されていたからか、関係者席が一階スタンディングの後方に設置されていた。

定刻18:30になると速やかに暗転。
既にYoshiのXでも告知されていたとおり、先手はゲストのAldious。
セットリストは以下の通り。

Luft
Ground Angel
Misty Moon
die for you
Sweet temptation
Get Away
We Are
Ultimate Melodious
megalomaniac
Red strings

先述の通り、このラインナップは3rdと4thのアルバム時代のラインナップなので、その辺りの楽曲がメインになるのかなと勝手に思っていたのだが、蓋を開けてみると、全時代横断のセットリストといった感じで、ライブでも頻出の曲が多く選出されている印象。
ということで、Re:NOはともかく、ArutoがMarina時代の曲もたくさん叩くという、これまたレアな感じにもなった。
ただやはり元々2バスを踏み倒し、速い曲を難なく叩いていただけあって、die for youで「何かあった(笑)」くらいで、全編を通して存在感のある安定したドラムを鳴らしていた。
そしてRe:NOの歌唱。
個人的に、昔のPURE ROCK JAPAN LIVEで一度聞いたことはあるのだが、その時は正直ピンとこなかった。
ただその後、R!N、SAKI、大山まきといったVoでのAldiousを一通り見た上で改めてRe:NOが歌うAldiousをみると、纏う雰囲気や曲の表現、ステージでのアクションなどは、一つ抜きん出ているなとは感じた。
最後にRed Stringsを持ってくるのは、このラインナップでの再集結にあって、歌詞的になかなかニクい。

Aldiousの堂々のライブが終了すると、特に暗幕もせずにそのままステージ上でセットチェンジ作業が行われた。
セットチェンジの間、SHOW-YAの曲などが流れていたが、ここのBGMはCYNTIAのAZU選曲とのこと。
15分くらいして再び暗転し、CYNTIAのライブ開始。
セトリは以下の通り。

深愛エゴイズム
暁の華
Run to the future
勝利の女神 -gonna gonna be hot!-
SSS
Through the fire and desire
Voice
Urban Night
Ride on time
閃光ストリングス
(EN)
The Endless World(feat.Yoshi)

7年ぶりのCYNTIAのセトリだが、全アルバムから満遍なく選出されているが、少しニッチな感じのセトリになったかなという印象。
ただ、CYNTIAのメタリックな部分とポップな部分、シリアスな部分を多面的に体験できる内容であったと思う。
Voiceはソロライブでもやってたはずなので、かなり思い入れがある曲なんだろう。
昔から結構な安定したハイトーンを軽々出している印象で、昨年のAldiousとTEARS OF TRAGEDYの2マンの前座でハイトーンをかましていたのは確認していたが、CYNTIA楽曲でもハイトーンは健在。
FukiやLOVEBITESのAsamiなどとはまた違ったタイプで、やや甘い声質でスコーンと抜けてくるハイトーンは非常に魅力的。やはりSAKIの声は素晴らしかった。
確か昔のSAKIのインタビューで、CYNTIA以外でバンド活動するつもりはないと言っていたと記憶しているが、のんびりとしたソロ活動はあるにしても、CYNTIAが動かないことでこの声を浴びる機会が少ないのは実にもったいないなぁと思う。
演奏も安定していて、YUIの演奏も特に支障はなさそうだった。全体的にAZUのベースが抑え気味になっていたり、閃光ストリングのイントロでキーボードが全然聞こえなくて、一瞬何の曲をやってるかわからなかったり、PAバランスは少し微妙な気がしたかな。
アンコールではAldiousのYoshiを呼び込んで、The Endless Worldを披露。インディーズ時代の楽曲でPVも作成された曲で、これが最後に来るのは意外だったが、逆にやってくれるとも思わなかったので個人的には歓喜。

21時過ぎにライブは終了。
2大ガールズメタルバンドのライブを十二分に堪能できた夜だった。
そういえば、「CYNTIAを今日初めて見た人、手をあげて」という呼びかけに対し、会場の前方半分くらいで手を上げた人が相当数いたように記憶している。おそらくこの7年の間にCYNTIAを知って見にきた人もいるだろうし、Aldiousに引っ張られて見にきた人もいるだろう。
この日のMCでは、「またどこかで会いましょう」と最後にSAKIが言ったくらいで、今後のCYNTIAの活動について特に語られることはなかった。
このライブの開催経緯を考えても、本人達がFIXの活動として再開するつもりであるようには感じられなかったが、ここはいかに。
個人的にはCYNTIAの再動を期待したい。


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