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LUNA SEA/GLAY ’The Millennium Eve 2025'に参加して
全国的には寒波押し寄せる2月3連休の初日。LUNA SEA及びGLAYによる対バンイベント、'The Millennium Eve 2025'に参加してきたので簡単に感想を書いておこうと思う。
35周年のLUNA SEA、30周年のGLAYという、現在の邦楽シーンでは大ベテランの2バンドによる、まさかの対バンが実現した。
言ってみれば同門出身の先輩後輩に当たるこの2バンドのみの対バンを、2025年に見ることができることに驚いたファンも多かったのではないか。
この対バン、実は初めてではない。
1999年12月23日、「the Millennium Eve A Christmas present for the people who love live a lot」と銘打たれ、東京ドームでこの2バンドによる対バンが行われているのだ。
今回「The Millennium Eve」となっているのは、この99年のライブタイトルに由来する。
ちなみに「Millennium」とは、西暦の1000年単位、1000年紀のことをいう。
2000年代という次の1000単位へ移行するということで、1999年、2000年でよく使われた言葉で、2000年を迎えたときは「Happy New Millennium」などという使われ方をしたものだ。
さて、今更言うまでもないだろうが、記念碑的イベントにあって、今回の主役である2バンドについて活動歴を振り返ってみる。
LUNA SEAの活動歴を簡単に振り返ると、
1991年にX JAPANのYOSHIKIが主宰を務めていたEXTACY RECORDからインディーズデビューし、1992年にメジャーデビュー。
アンダーグラウンド寄りな存在でありながら、ノンタイアップのシングルで1位を獲得するなど、活発な音源発表やライブ活動を行った。
96年に真冬の横浜スタジアムで「真冬の野外」を行った後、一時活動休止をするも、98年に活動を再開。
その後、99年にはアジアツアーを実施したり、東京ビッグサイトの特設ステージで行われた「LUNA SEA 10TH ANNIVERSARY GIG [NEVER SOLD OUT] CAPACITY ∞」で10万人を動員するライブを開催した。
翌年2000年にアルバムも発表し、活発な活動が期待された矢先、12月に実質的な無期限活動休止である「終幕」を迎える。
そこで終わりだと思われていたLUNA SEAは、その後、2007年の一夜限定ライブを経て、2010年を活動再開。以来結成時と同じメンバーで現在まで活動を続けている。
一方で、GLAYについても活動を簡単に振り返ると、
1994年に先述のEXTACY RECORDでインディーズデビューし、同年メジャーデビュー。
数々のシングルがミリオンセールスとなり、99年には「Winter ,again」がダブルミリオンになり、レコード大賞を受賞。
幕張メッセ駐車場特設ステージでライブ「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催し、国内の音楽史上最大であるで20万人を動員するし、90年代邦楽シーンを代表するミュージシャンとして活躍をする。
その後もコンスタントの活動を続け、途中事務所との法廷闘争などによるトラブルで活動が小規模になった時期はあったが、メジャーデビュー時から現在まで、メジャーデビュー時の4人でコンスタントな活動を継続している。
今回のライブ会場は、99年の対バンイベントと同じく、東京ドーム。
さて、今回はアリーナの大体中央後方での観戦となった。
記憶にあるかぎり、個人的に過去東京ドームで見たライブでアリーナ観戦した経験は無い。
結構後方ではあったが、今回ステージは背面モニタープラス縦型(長方形)のサイドモニターが設置されていて、見る分にはそんなに不自由はしなかった。(肉眼でも全く見えないわけじゃなかったし)
なお、ステージから両翼にかけて花道が伸びていた。
私は現役SLAVEなので、LUNA SEAのライブは定期的に見ているのだが、片やGLAYのライブを見るのは久しぶりである。
確認してみたところ、2019年に西武ドームで開催された「LIVE DEMOCRACY 2019 良いGLAY、悪いGLAY」の2DAYS以来に見ることになった。
開演時間の18:00ほぼ定刻に暗転。
GLAY呼び込み映像(HOTEL GLAY殺人事件)が流れてメンバーがステージに登場し、ライブはスタートした。
【GLAY セットリスト】
WET DREAM
MERMAID
サバイバル
口唇
pure soul
HOWEVER
月に祈る
THINK ABOUT MY DAUGHTER
whodunit *途中JESUS(LUNA SEA cover)を挿入
誘惑
さよならはやさしく
BEAUTIFUL DREAMER
セットリスト自体は、90年代のヒット曲を中心とした構成になっていた。
昨年から行なっていたGLAYのツアーのセトリとは大分離れた、Millennium Eve仕様といったセトリである。
世間的にも超ヒットを飛ばしたスーパーバンドだったわけで、その当時にリアルタイムで喰らった各曲は、もはや遺伝子レベルで刻まれていると言っていい。
一時代を築き上げたポップさを融合させたロックンロールが持つ求心力は、とてつもない力があると再認識した。
ちなみにGLAY曲では、会場モニターには歌詞が表示されていて、SLAVEも大合唱しやすかったと思う。
途中whodunitでは途中演奏が止まり、
「JESUS、Don't You Love Me?」のコールからLUNA SEAのJESUSを披露。
Short Verではあったが、会場のSLAVEを歓喜させた。
個人的に聞いてて改めてHISASHIのギターは、SUGIZO並みに「ああ、HISASHIだなぁ」と思う確立された個性があるなぁと再確認。
久々に見たGLAYのライブは本当に素晴らしく、何よりまたライブみたいと思わされた。
GLAYは5月と6月に、東京ドームと京セラドームで30周年ファイナルのライブを開催するわけだが、元々個人的に参戦予定だったため、今回の対バンでドームライブがより楽しみになった。
【LUNA SEA セットリスト】
STORM
Dejavu
DESIRE
SHINE
IN SILENCE
SEARCH FOR REASON
I for You
SOUL LOVE(GLAY cover)
BELIEVE
ROSIER
GLAYの出番が終了し、20分くらいの転換の時間を経て、会場が再び暗転。
お馴染みのベートーヴェン:ピアノソナタ「月光」第一楽章が流れ、
メンバーがステージに登場し、ライブスタート。
「え、嘘だろ? 本当に?」
「これ、現実なんだよな?」
「・・・待ってたぞ(涙)」
個人的に抱いたこの感想は、昨年のライブツアーに参加してきたSLAVE各位の多くが、程度はともかくとしても、同じように抱いたのではないか。
きっとSTORMの歌い出しまで、不安を抱いていたSLAVEは多かったはず。
RYUICHI、ほぼ自分で歌えていた。
出しにくさは確かにある。でも高音も出ている、声の伸びもある。狂気のようなシャウトもある。
大袈裟ではなく、奇跡を目の当たりにしているようだった。
この点の詳細は、翌日のGRAND FINALを見てから改めて書きたいと思うので、ここではこのセトリ等についての感想を中心に書く。
まずSTORM始まりと言うのは比較的珍しいし、終幕前楽曲を中心としたセットリストであったが、そんな中SEARCH FOR REASONを突っ込んできたのはある種ハイライトだったかも。
99年のMillennium Eveでも披露された曲だが、完全にGLAYファンを置いてけぼりにする選曲ではあったが、SLAVE的には尖ってて好きw。
RYUICHIがMCで「SEARCHを聞いて、GLAYのファンの皆は、LUNA SEA、ちょっと深すぎるんじゃないかなって思ったかもしれないけど」と言っていたが、深いどころか、闇よ(苦笑)。
ただ、この曲のシャウトは、本当に痺れた。
GLAYパートでJESUSがShort Verとして披露されたので、LUNA SEAのパートでもGLAY曲が披露されるのかなと思ったが、まさかのSOUL LOVEをフルサイズで披露。
聞き間違いじゃなければ、冒頭のHISASHIのギターメロは、SUGIZOではなく、INORANが弾いていたような(曲中のソロはSUGIZOだったが)。
GLAYの曲でも、それなりに尖った曲はあると思うのだが、SOUL LOVEというポップな曲をチョイスしたのは意外だったし、先ほどのSEARCH FOR REASONとの振れ幅よw。
その他にもBELIEVEでは、SUGIZOがギターソロにGLAYの「彼女の“Modern…”」ギターソロをしれっと混ぜた粋なアプローチも。
会場的には、もっとGLAYファンの人は棒で観戦することになっちゃうかなと思っていたが、思いの外そうならなかったのは、同じ90年代での活躍である程度把握しているという面もあっただろうし、SHINEなどの一体感を作りやすい曲をチョイスしたことも功を奏したと言えるだろう。
ただとにかく、個人的には目の前で起きている光景への興奮とドキドキが止まらず、ずっと目頭が熱い状況だったと思う。
【アンコール】
◯ バンド1:テナシー
<Vo:TERU Gt:TAKURO、Gt:INORAN、Ba:J>
TRUE BLUE
◯ バンド2:THE★BAND
<Vo:RYUICHI、Gt&Vi:SUGIZO、Gt:HISASHI、Ba:JIRO、Dr:真矢>
BELOVED
◯ バンド3:LUNA SEA&GLAY
WISH
本編が終了した時点で20:45くらいになっていたが、アンコール開始前にLUNA SEAとGLAYの会議映像が流れた。
この企画は、TAKUROが夢を叶えてほしいこととして、LUNA SEAと一緒に演奏したいと提案したもの。
TERUとRYUICHIがバンドメンバーにしたい人物を選び、それ以降は選ばれた人がまた別の人を指名していくという形で、2バンドを構成した。
まず最初にステージに現れたのは、TERUがVoの「テナシー」
「テナシー」はXでもトレンドになったようだが、このバンド名は、昔TERUがLUNA SEAのカバーバンドをした時に、当時のVoの名前をもじって「ヘナシー」と名乗っていたことを受けて、TERUのLUNA SEAカバーバンドということで「テナシー」となった。
なお、このバンドのドラムは、GLAYサポートのTOSHI NAGAIが担当。
曲はTRUE BLUEをチョイスし、TAKUROがギターソロを披露した。
Jが始まる前に、バンド名について、
「TERUちゃん、1つ聞いていい?・・・・カタ仮名!??」と聞いたのには笑わせてもらった。
V系的な文字フォントでデカデカと「テナシー」と表示されているのは、確かにシュールだった。
2組目に登場したTHE★BANDは、SUGIZOが動画内で担当すると言っていたボンゴ、ではなくバイオリンで冒頭BELOVEDのサビを披露してから曲に移行。
SUGIZOはアコギだったのだが、冒頭、音が何か変だったような。
(すぐ持ち直したけど)
まあこちらはギターソロを弾くのはHISASHIなので、原曲に近い感じ。
歌は結構客にも歌わせることで、会場の一体感を生んでいた。
最後はLUNA SEA&GLAY全員で、LUNA SEAのWISHを一緒にやって大団円。
開始前に、
TERU「まるでEXTACY SUMMITですね。」
RYUICHI「まさかYOSHIKIさんいないよね?」
TERU「多分海外だと思います。」
・・・いや、これ一瞬思ったわ。全然出てくる可能性あるなと笑。
ちなみに、いつもWISHで発出される銀テープは、Millennium Eve特別仕様だった。
終了したのは21:15頃。本当に、贅沢な対バンで最高の夜だった。
不思議と、若い頃を思い出すような郷愁というよりかは、現在進行形の今ある素晴らしさを再確認し、未来を見通したくなる気持ちになったように思う。
RYUICHIがGLAYメンバーに対し、
「一緒の時代に生まれてきてくれてありがとう」
と述べた。
それは客も皆同じことを、2バンドに対して思っていたに違いない。
そしてこれからの活躍も願ってやまない。
TERUがMCで、「10年後、またMilennium Eveやりませんか。皆60代になってるけどw」と述べていた。
10年後のMiIlennium Eve、、、いいな、あるとすれば楽しみだな。
それまで一生懸命生きることにしよう。
さあ、次は約6時間後、LUNA SEA覚悟の夜へ。
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