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Like-an-Angel "CLUB CIRCUIT 2024 L'Arclassic"@東京 夜の部に参加して

大分気温的にも涼しくなった10月の平日木曜日。
Like-an-Angelのツアーファイナル夜の部に参加してきたので簡単に感想を書いておこうと思う。

まずLike-an-Angel(以下「ライク」とする。)とは何という話だが、端的にいうと「L'Arc〜en〜Ciel」(以下「ラルク」とする。)のコピーバンドである。
とは言え、ただのコピーバンドではなく、ベースはラルクメンバー本人であるTetsuya。
位置付けとしてはTetsuyaのソロの一角という扱いになると思われる。
数年前に突然この企画が立ち上がり、単発のライブが行われていたが、今回は全国ツアーという形で展開された。
Tetsuya以外のメンバーは以下の通り。

Vo:Jekyll
Gt:Reno(ex:ViViD)
Gt:Saki(Mary's Blood、ex:NEMOPHILA)
Dr:響(摩天楼オペラ)

ヴォーカルのJekyllは、タイのCruxというバンドでVoをしているのだが、ラルクのhydeとそっくりな歌声ということで、抜擢になったとのこと。
それ以外の楽器隊は、各界隈では実力派の面々。
Renoは一時期Kamijoの音源やライブに参加していたので知ってはいたが、LIVEパフォーマンスを見るのは初めて。
Sakiについては、そもそもMary's BloodのLIVEをよく見ていたが、生で見るのは数年前のMary's Bloodの活動休止ライブ依頼となるため、久しぶりではある。なお、Sakiに関しては今回のツアーから参加である。
響はビジュアルメタルバンドの摩天楼オペラで活躍中。それこそ加入当時からずっとライブを見ているので、個人的にはお馴染み。
ここに本家本元のTetsuyaがベースを弾くのだから、ワクワクしかない。

ちなみに東京公演だけ10月3日木曜日という平日の微妙なタイミングではあったが、この日はTetsuyaの誕生日であるため、まあバースデーライブとしてこの日が設定されたというところだろう。
 
場所はSpotify O-EAST。
先月のCREATURE CREATURE復活ライブ以来である。
ただ今回夜の部についてはSOLD OUTである。
超満員のO-EASTは本当に久しぶりだ。
人数が多いせいか、今日の会場内のチケットもぎりは2階席のところにあっtが、これも初めての体験で、2階から入って1階に降りる形だった。
このような対応が必要なくらい、この日は大入りだったということだろう。
900番台ということでまともに見えないかもなぁと思ったが、
下手側の思いの外ステージ全体が見渡せるポジションに行くことができた。

開演予定時刻の19:00から15分程度経ったところで、客入れBGMが不自然に切られてエアロスミスの「Angel」が流れはじめ、程なくして暗転。
セトリ(メニュー)は以下の通り。(ちょっと並び怪しい)

Don't be Afraid
Inner Core
The Rain Leaves a Scar
Be destined
Pretty girl
DAYBREAK'S BELL
海辺
砂時計
Cureless
風の行方
いばらの涙
風に消えないで
bravery
Blurry Eyes
GOOD LUCK MY WAY

(EN)
I’m so happy(with Sakura)
賽は投げられた
LINK
瞳の住人

このバンドプロジェクトが始まったこと時からの特徴として、ただでさえライブ本数が少ないラルクのライブにおいて、やる気配すらない過去曲がライクで惜しみなく投下されているというのがある。
今回もその傾向は引き継がれ、冒頭Inner Core〜Be destinedは全部レア中のレア曲と言えるし、セトリ自体は王道とレアをバランスよく散りばめている感じ。
ちなみに昼間の公演ではAS ONEやEXSISTENCE、Brilliant Yearsなどが披露されていた。
ちなみに、本家ラルクの方でもMMXXやUNDERGROUNDで少しづつレア曲の披露がされるようになってきているので、今回のライクのセトリを見ると、Tetsuyaの意向が大きいのかもしれないと感じるところ。
もちろんレア曲が聴けたことは大きいことではあるが、これによって、王道と呼ばれる曲たちもどこか新鮮に感じられたり、より強い輝きを放つように思えた。(これはLUNA SEAのリバイバルツアーでも同じことが言えた。)

VoのJekyllは確かにかなりの割合をHydeを想起させる歌い方で驚かされた。何より日本人じゃないのに、日本語曲をここまでしっかり覚えて発音もおかしくないのは凄い。(MC見る限り、日本語が喋れる訳でもちゃんとわかる訳でもなさそうだし。)
歌を聞いていて、ハイノートの抜けが本家Hydeと比べると少し出しづらいのかなぁと思っていたのだが、どうやらこの日Jekyllは点滴を打ってライブに臨んでいたようで、本調子ではなかったのかもしれない。

ちなみにこの日のPAバランスは、個人的にはすごく良かった、というか好みだった。
ツインギター+響のパワフルドラムと言う編成にも関わらず、ベースが良く聞こえる、でも出過ぎない、全体のバランスの取れたPAで、演奏を十二分に楽しむことができた。
ツインギターについては、音源でオーバーダブで2本以上重ねられているギターフレーズを2人でうまく割っていて、いいバランス。
Inner CoreなどでSakiが早弾きしていたが、Sakiはメタル界隈の人間なので流石お手のものといった感じ。ただここもRenoと上手くソロを割っていて、構成が興味深かった。

今回参加してみて、このライブの一番の旨味やメリットは何かと言われれば、
「いつもだと考えられないほど近い距離で、TetsuyaのL’Arcの曲の演奏及びその運指をはっきりみることができること」
やはりこれかな、と。
楽器を手にしたことのある界隈の人は、大なり小なり同意してもらえる部分じゃなかろうか。
思えばTetsuyaは、ベースは単調なリズム楽器であるという概念をぶっ壊して、スライドや複雑なフレーズを駆使して演奏の前に出るスタイルを確立した1人だと個人的に思っている。
その演奏に感化され、ベースを手に取ったキッズ(特に男性)は相当数いたはずだ。
そういった経験のある人からすれば、肉眼でわかる距離で、あんな複雑な運指を見せられたら垂涎ものである。
もはやラルクはアリーナ級でしかライブをやらなくなってきているため、よく考えるとこの近距離でTetsuyaがL’Arcの曲だけを弾くということ自体レアなのだ。
と、言うことで、本日個人的に8割ほどTetsuyaの手元ばかり見ていた。
もう常にうごめいていて凄すぎたし、昔挫折した曲にもう1回チャレンジしてみようかなと思うくらい、あの頃憧れたTetsuyaの立ち振舞い、テクニックが目の前にあることが幸せそのものであり、ただただ格好良かった。
もしTetsuyaオンリーアングルでライブ全編の映像作品が出ても、普通に買うって。
 

さて、アンコールではサプライズで元L'ArcのSakuraが登場。
入ってきた時は、Tetsuyaと漫才したり、何故かここにいないIKUOの話を長時間すると言う面白話を展開していたが、
Tetsuyaが昔からバンド人選が優れているところ話になり、そこからSakuraが「足で砂かけるような結果になっちゃったけど、あの時は、ごめんなさい」と述べ、加えて「ずっと友達でいてくれてありがとう」と確か言ったと思う。
それを聞いてTetsuyaがアンプのところに行ったのだが、最初は冗談でちょけてるのかなと思っていたが、本当に泣いていたようだ。
Tetsuyaの意外な涙からして、脱退当時本当に色々な思いがあって、今まで抱えてきたんだろうなと。何か凝り固まった心の奥の何かがフッと溶けた瞬間になったんだろうなと。
Sakura脱退から約20数年越しにこの光景を見て、涙した観客も多かったのではないだろうか。
 

ライブ終了後、Sakuraが再度登場して、Tetsuyaの誕生日セレモニーが行われて終了したのだが、終わったのは22:00ちょうどくらいだった。
長丁場ではあったが、多幸感に包まれた充実のライブだったと言える。
最後には、ライクが来年4月にEX THEATER ROPPONGIでライブを行うことも発表された。
個人的にこの日は病み上がりで少し体調が良くない部分もあったから、今回は回避しようかなとも思っていたのだが、本当来て良かった。

「脇をギュッと締めると・・・」の話の最中


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