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暗闇に浮かぶ「ねこバス」の猫みたいな顔

酷いことをする人間がいるもんだと
呆れるより悲しくなった。
どんな事情があったのかわからないが
こんな最期が待っていたとは
不憫でならない。


21時頃、スーパーで買い物した帰りに
自転車のライトが照らす歩道の前方に
紙袋に入った白黒の成猫らしき姿が見えた。
ぬいぐるみではない!
多分、もう亡くなっている。

明らかに投げ捨てたと思われる置かれ方だ。
身体が半分出ていた。
車道ではなく歩道だった。
車で轢かれた訳ではなさそうだが
こんな最期って(涙)

目が開いたまま息を引き取ったのか、
その目と目が合ってしまった。

「おい、オマエ、まさか俺を
スルーする気じゃないだろうな・・・
何とかしろ!」
と哀願されたような気さえした。

自転車を停めた。

たまたま反対側を通りかかった
親子連れがいたので
車道を挟んで大声で事情を話してみた。

「あのー!すいませーん!」

「こういうのってどこに連絡すれば
いいんですかね?警察?保健所?」

お母さんらしき方が
快く、自分のスマホで検索してくれた。
自分もスマホを持っていたのに感謝だ。

「〝道路緊急ダイヤル〟に電話すれば
いいみたい」とご親切に教えてくれた。
最寄りの国土交通省地方整備局に繋がる。
感謝感謝!

早速、電話し引取り(回収)を依頼した。
24時間対応で助かった。
名前と連絡先を聞かれて正直に答えた。

「あなたはもうそこを
 引き上げてください」と言われたが
「可哀想なので
 なる早で来てください」とお願いした。

「ちゃんと天国に行ってね。
もうすぐ役所の人が来てくれるからね。」
手を合わせてその場を去った。

そこから300mほど先の橋を渡った時だ。
右の空をふと見上げた。
漆黒の闇に白っぽい雲でできた
大きな大きな猫の顔があり、
それが笑って見えた。
ジブリのねこバスの猫みたいな顔。

え、うそでしょ・・・😱

「きっと、これは気のせいだ。
そう、見えただけだ。
雲は如何様にも見える時がある。
私はきっと疲れているんだ。
猫の顔が空にあるはずがない。
3ヶ月前に愛犬が亡くなったばかりで
ナーバスになってるだけだ。」と
自分に言い聞かせた。

だとしても、なんかね・・・
ホッコリしたのはホントで。

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