さいたまさん、嘘つくのやめてもらっていいですか

またオタク女性への巧妙なdisがはてなブックマークでバズっていました。
ちなみに女性オタクとは女性に興味関心を持っていろいろ考察したり調べたりする人、つまりさいたまさんのことです。

3.女性消費者特有のイタコ論法
・キャラクターには独立的な自我(魂?)や心が存在する。
・私はキャラの自我と通じ合っており、作者はそうではない。
・私はただそのキャラの自我を心配し代弁してあげている。
・特定の設定は作者による”押し付け”であり、キャラの意志に反している。
大変特異な前提が何重にも噛まされた批判の論立てです。そしてこれは男性ならばまずやらない論立てです。そしてこれは男性ならばまずやらない論立てです。相当な粘着アンチでもイカレポンチクレーマーでも、その人が男性である限りこういうことは言いません。

何故なら男性にはこういう発想が無いからです。



これは女性特有ではないし、もっというとありふれた思考回路の一つです。

私の記憶している限りでも実例がいくつもあります。


遊戯王の高橋和希がキャラクターに政治思想を言わせた

遊戯王作者の高橋和希が、遊戯王キャラに自民党は売国政権だと言わせて激しく非難されていました。遊戯がこんなこと言うはずないから作者が勝手に言わせてるだけ、ということです。

個人的にもこれはかなり嫌です。遊戯王世界の住人である彼らは現実日本の政党を知らないはずです。……はい、私は遊戯王のキャラクターには独立した意思が存在していると信じて(思い込んで)おり、それをわかっていなそうな作者に代わって彼らの意思を代弁しています。

ギルティギアのブリジットの性自認


長いこと「女のように育てられた男」という設定だったブリジットが続編のストーリー中で女と自認したようです。
背景事情についていろいろ言われていますが、どこかの思想団体がゲームをハックしてセリフを変えたわけではありません。女だとしたのはあくまで原作側です。
それにもかかわらずブリジットの性自認が歪められていると心配して代弁している人はかなりいました。
ブリジットが女だと決めつけるなんて作者は間違ってる、ということです。
(私はブリジットをあまり知らないのでこの展開の良し悪しはわかりません)

男女共同参画ちゃん

大阪府の表現ガイドラインで人格のないダメなキャラの例として提示されたピンクの髪の少女の絵ですが、「人格のないキャラ扱いされてるこの人かわいそう」と思った人が多かったようでいくつもファンアートが描かれていました。
作者がこの少女に自我がないと決めつけているが本当は自我がある、自分はそれをわかっているという考えからくるものです。
個人的には、人格がないんだと言われると「ほんとにそうかな?」とむしろあれこれ想像する気持ちはわかります。ピンクのペンギンのことを考えるなと言われると逆にピンクのペンギンについて考えてしまう現象に近いです。

玉袋ゆたか

男女共同参画ちゃんとほぼ同じ事例です。
作者は「玉袋ゆたかの毒親」、作者が禁じた二次創作を作るのは「毒親からの解放」だと言っている人がたくさんいました。自分たちは玉袋の理解者で、作者はそうではないということです。
いくらなんでも作者がかわいそうだと思いました。これが毒親なら描いた絵を捨てた人間は嬰児殺しですし、絵を発注する人間は奴隷商、玉袋のような可愛い子だけを拾い上げてかわいがり自らの欲を満たすのに使う彼らはジャニー喜多川です。
もちろんそんなわけはありません。キャラクターは実在しないのです。(仮にキャラクターの魂が実在したとしても現実世界に住む人々の所業は創作界に住む彼らに影響を及ぼさないのではないか、とも思います。私がこの世界の神の行いを知らないのと一緒です)
また、創作者と人の親はよくよく考えるとたいして似ていません。

作者が禁じているのに二次創作を作っていた人とそれを高評価していた人は、「虐待された子供を救う」という嘘のストーリーを作り上げることで絵の盗人から子供のよき理解者に変身しました。彼らはきっと他人の描いた漫画を勝手に脚本化して発表することにも抵抗がないのでしょう。漫画家は登場人物たちの毒親であるということにすれば済みます。

LGBTのおばけ


海外の例も出してみましょう。
これも男女共同参画ちゃんに似たケース。
倒すべき怪物として描かれたLGBTおばけですが、LGBTの間で予想外に人気が出てコラや二次創作が作られました。
作者は悪者として描いたこのおばけは実は悪者ではない、私たちはわかってる、ということです。
絵をコピペして作者の意図しない形で使うのは単純に著作権侵害ではないかと思ったもののスペインの著作権法がわかりません。デザインが簡素(偶然で似る範囲)ですから二次創作イラストは法的に問題なさそうな気がしますが、やはりよくわかりません。



いろいろ実例を出しました。これらの主張をしていた人が全員女性だったのであれば、なるほど確かに「イタコ論法」は女性の奇習でしょう。


原作者は神ではない

漫画においてはその世界も登場キャラクターも全ては一人の作者が創造主として作り上げたものであり、山田杏奈というキャラの肉体も精神も環境も運命も全ては神により決定されたものです。

原作者は神ではありません。
正確に言うと作品を作っているときは確かに神で創造主なのですが、作り終えて作品を誰かに見せた途端に人間になります。神通力が消えて人間としての力(法律など)しか残りません。
学校が荒れているからこそ校則が厳しくなるのと同様、原作者が神だなんて思ってないからこそ言い立てられるのです。
多神教の神話における創造主はほとんどの場合死ぬか隠れるかして影が薄いもの。
消費者は創造主が見せた世界を簒奪して主神になります。週刊漫画なら毎週簒奪します。
あなたが目をつむり耳をふさぎながらでも作品について考えられるのは、その世界をあなたが所有し運営しているからです。


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