読書記録1 「四月になれば彼女は」 感想 ネタバレあり
まず、この本を読んだきっかけは、BOOK OFFで110円で売っていたからである。
というのも、私は現在大学四年生であるが、大学入学以来本をほぼ読まなくなっていた。法学部なので文字には触れていたものの、両親によるスマホの利用制限も解除されたことで見事にネットの海に沈み、読むのに時間がかかる(私は一冊を一気に読みたい派)読書は、手軽なYouTubeという存在の影に隠れ、視界にも入らなくなっていたのである。
ただ、ここ最近、就職も迫り生活を見直そうとした結果、読書をしようということになった。(詳細は省略)
しかし、長らく本を読んでいない身では長時間の読書をする集中力を保てるかおおいに疑問であった。そこで、安く買えるBOOK OFFでページ数の少なめな本を買おうと考えたというわけである。
なぜ、この本を選んだかというと、著者の川村元気さんの「世界から猫が消えたなら」を読んだことがあり、なんとなく読みやすそうだったからである。
さて、結論としては個人的にはまあまあ読みやすく集中が切れることもなかった。ただ、内容的には読者にストーリーを独自に解釈?推測?させるような部分も多く、それはブランクのある私にとっては何度もページを戻す原因になった。(それでも理解しきれたとはいえない)
それでは以下感想を記していくが、なにせ中学校の読書感想文以来の作文である。読みづらいこともあるかもしれないが、ご容赦願いたい。
感想1 大枠のテーマとあらすじ
話のテーマとしては、『「恋」、「愛」とは何なのか。』ということについて大人からの目線で探っていくような感じであろうか。
主な登場人物は社会人であり、大学生時代の回想は多々あれど、そこでは思い出話がされるだけなので、甘酸っぱい要素などほぼなく、それぞれの抱えている心情(問題)がかなりリアルなものに感じた。
主人公の元カノとの思い出と9年ぶりの手紙を通じて「恋」とは何かについて、現在の彼女や周囲の人間関係を通じて「愛」について語られていく。
ただし、明確な答えが出ずにひたすら迷ってたりするので、正直もやもやが積もりやすい。
そこが合わない人には合わない小説かな、と思った。
個人的良かった点
・具体的な環境描写
主人公たちのいる場所がかなり具体的に描写されていた。特に海外は実際に現地に行かないとわからないのではレベルで、読者としても頭で想像しやすかった。恐らく著者が映画監督をしているからここまでなのではと考えた。
・人物の感情描写
上記の通り、登場人物の心情やその言動もかなり現実的だと感じた。はっきりと答えずに、窓の外をみたり、苦笑でごまかしたりなど無理な答えをつくらず、人として一貫していないところが個人的にはおもしろい部分だった。
個人的うーんな点
・心に刺さる部分が(個人的には)あまりない
良かった点と表裏一体なところであるが、THE映画向きな小説、という感じではあった。土地などの背景描写がはっきりする一方で、人物のセリフは登場人物間で消化されず、読者側に問いかけるばかりだった。あと、ひたすら第三者視点。
いまいち入り込みにくい感じではある。
・独立しすぎてる各ストーリー
これは一番残念なところであった。というか、こういう書き方をしているだけで自分の好み云々であるかもしれないのだが、
1、元カノ今カノの直接のからみなし
2、今カノの妹は姉の隠している弱さを主人公に伝えたり、一定の役割を果たしてはいるものの、主人公を誘惑したりなどの難ありな性格だと描写する必要が無いように感じた。(ないはないで場面としての話が薄くなる気もするが)
・突然の展開
元カノが突然病院にいて、死んでるのは「君の膵臓を食べたい」的なビックリ展開だった。別れて9年という月日だから何か前兆があったとも示していない(たぶん)ので、伏線大好き人間としては残念というよりは、え、いきなり!?といった感じだった。
疑問点
これはほかの読者がどう解釈したか気になる部分なのだが、ラストに主人公が今カノを見つけ走りだすシーンは再会のハッピー?エンド的なのものなのか、元カノが先輩の大島の幻影をみたシーンのデジャヴと見るべきか。
個人的には後者が好みだが、どっちか示唆するような場面などあっただろうか。教えていただけるとありがたい。
まとめ
全体的には、好みのタイプではある、ただはっきりしない描写も多くもやもや、といった感じでしょうか。
一回では理解できていない部分もあるでしょうし、文章の中に何か矛盾点やここはこうだからこう、みたいなところがあれば教えて頂きたいです。
映画版もありますし、もう何回か読んでおこうかなと思っています
最後の方は疲れてきて語彙力がグダグダになってます。すいません。
読者はやっぱり久しぶりだとネット記事みたいに流し読みみたいになりそうになるのでリハビリが必須ですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。