
ド初心者によるキーボード作り体験記 基盤設計編
自作キーボードという沼がある。
市販されているキーボードに飽きた人達が、
自作キーボードのキットを買い、自分の手で組み上げる。
そしてさらにレベルアップすると、
基盤を一から設計して作る猛者もいるという。
と、いうことで今回は自作キーボード沼に片足突っ込んだ人間が
基盤を設計するところからキーボードを作った話です。
最初に
・ド初心者なので、慣れてる人からするととんでもないことを
やっている可能性があります。
・お見苦しいところが多いかと思いますが、生暖かい目で読んで
いただけると嬉しいです。
・作り方解説ではありません。
レイアウトを考える
一から自作キーボードを作ったことなんて無いので、
まずは作り方から勉強することにした。
まずキーボードはコンセプトを固めると作りやすいとのことだったので、
どんなキーボードを作ろうか考える。
実はすでにコンセプトは決まっている。それは「音ゲー専用キーボード」だ。もちろん探せば売っているが、今回作るのは「4キー専用キーボード」という、たぶん需要は0のキーボード。
8キーとか出来る気しないので…
レイアウトはKeyboard Layout Editorというサイトで作れるとのこと。
最初回転とか位置の移動が分からなかったが、下の方に設定項目があった。
レイアウトはこんな感じ

最初なので簡単なのにした。
ソフトはKiCadという無料のソフトが自作キーボード界隈ではメジャーとのことで、それをインストール。
最初は回路図というものを作るらしいので、BOOTHで買った「自作キーボード設計入門」と「GL516設計手順書」を参考に作る。
作るというか、本通りにシンボル(マークみたいなやつ)を置いていった。

左の6つ並んでる配置はキーマトリクスと呼ばれ、このように配置する
ことでスイッチの数を節約しつつ、ダイオードを置くことで同時押ししたときに意図しない挙動になるのを防ぐ意味があるのだとか。
回路図が出来たら、次は回路図のシンボルにフットプリント(PCBエディターで使うパーツ)を割り当てていく。

サイトなどに載ってたライブラリが見当たらなかったので代用品のを割り当てた。
回路図が出来たら次は基盤の設計をする。
ちなみにここまでで3時間。
基盤の設計
基盤を設計する前に、回路図をネットリストというファイルに変換して
それをPCBエディターで読み込む。
そうすると割り当てたパーツが表示されるので、
それを配置していく。
本だときっちり19.05mmに合わせるやり方が解説されていたが、
調べてみると先程のKeyboardLayoutEditorの情報を元に枠組みを作ってくれるサイトがあったので、それを利用することに。

枠組みを作ったらPCBエディターで読み込み、
穴にそってスイッチを配置し、ダイオードをいい感じになるように配置する。
ダイオードは
・スイッチの近くに置く
・全部同じ形(1つだけ縦とかにはしない)で置く
など置き方にもポイントがあるらしく、参考にしながら置く。
そして全て置き終わったら、次は配線をしていく。
ここが一番大変で、パーツが多く密度が高いほど難易度が高くなるらしい。
だが今回は数が多くないので楽勝、楽勝。と思ってたら
3時間ぐらいかかった。
配線は最短距離で結ぶとか、直角に曲げないなどのルールがあり、
やってて「こんなゲームあったよな」と思った。
で、出来たものがこちらになります。

とりあえずデザインルールチェッカー(配線が問題ないか確認するやつ)に引っかからなかったので大丈夫だとは思う。
正直動くのか不安。
ソフト上で基盤の3Dモデルが見れるので、見てみた。

テンション上がった。
で、最後はこれを製造業者に発注する。
今回は下の記事を参考にしつつ、JLCPCBというサイトで発注した。
まずガーバーファイルをZIPファイルに圧縮し、
それをサイトにアップロード。
成功すると上に基盤の3Dモデルが表示されて、メニューが表示される。
何言ってるか分からないので、サイト通りに指定した。

表面仕上げのところ、最安のやつだとHASLという鉛を使った方法で、
鉛は人体に有害とか書いてあって怖くなったが、自分しか使わないのであればこれで良いらしい。
あと、オプションで基盤上に部品を実装してくれるサービスもおすすめ!みたいなことがサイトに書いてあったので、追加した。
メニューの下の方にPCB組み立てという項目があるのでそのトグルメニューを有効化して、次へを押す。
そしてBOM/CPLというファイルをダウンロード(ファイルアップロード画面下のサンプルBOM/CPLを表示をクリックするとダウンロードできる)して、情報を入力。
CPLについてはKiCadから情報を出力して、それをコピペするので楽だった。
両ファイルの編集が終わったらアップロード。すると、3Dモデルが表示されれるので、指定した位置にダイオードが来てるか確認する。

次へを押して、商品情報のプルダウンメニューからオフィス用品→キーボードを選び、カートを保存を押す。
あとは安全な決済を選び、支払い情報と住所を入力するだけ。
値段は送料込みで6,227円だった。
これで基盤の設計は終わり。
次はケースを…となったのだがこれまた大ボリュームなので次回に回す。
基盤設計した感想
感想としては思ったよりは簡単だった。
ちゃんと本を読みながら、手順通りにやっていけばいいので
設計するだけなら、そこまで難しくは無い…とは思う。
ただ覚えることは多い。
まとめ
2000文字を超える超大作になりました。
最後までお読みいただきありがとうございました!