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読書エッセイ③『さみしい夜にはペンを持て』 そうだ、noteに書いてみよう

この本を読んで抱いたのは、「書いてみたいなあ」という、シンプルな思いだった。

●この本との出会い


初めて訪れた書店でのこと。少し離れたところにある書棚がなぜか気になり、近づいてみる。飾られている本の表紙に引き寄せられたようだ。青を基調とした海の中。その中央に赤いタコが描かれている。古賀史健さんの『さみしい夜にはペンを持て』(ポプラ社)だった。

●本の概要


主人公は、タコである自分が嫌いな中学3年生のタコジローくん。公園で出会ったヤドカリのおじさんと、10日間、毎日日記を書く、あるいは日記を開く約束をした。その10日間が描かれている。

二人が出会った日に、おじさんは言った。

ぼくたちにとって最大の謎は『自分』だって。ぼくたちは自分という謎を解くために、日記の扉を開く。ペンを片手に、扉を開く。言わばペンは、秘密の扉を開く、鍵みたいなものさ

『さみしい夜にはペンを持て』

書くことは考えることで、考えることは答えを出そうとすることだという。表現力やボキャブラリーを身に着け、自分を客観的に見つめられるようになると、ありのままの自分が見えてくる。

3年後、高校生のタコジローくんのことばが印象的だ。

ぼくは、ぼくのままのぼくを、好きになりたかった。そして日記を続けることですこしだけ、それができている気がする。

『さみしい夜にはペンを持て』

●ああ、そうか!


私は子どもの頃から、本が好きで、書くことも嫌いではなかった。ただ、読書感想文や興味のないテーマの作文などは苦手だった。
この本にその理由が書かれていた。私は先生に読んでもらうことを前提に、「いいこと」を書こうとしていたのだ。しかも、あまり考えずに、よくあることば、借りてきたようなことばを並べて。これでは、自分が読んでもつまらないことしか書けないはずだ。

この本を読むと、「書く」ということが理解できる。何を書くのか。なぜ書くのか。読み進めると、これまで漠然と理解しているつもりになっていたことが、「ああ、そうか!」と、腑に落ちてくる。

そして、何かを書いてみたくなる。
でも日記はちょっと、ね。ということで、今、こうしてnoteに書いている。
ただ、書くことが分かったからといっても、思うように書けるようになるわけではない。
まあ、継続は力なり。ゆるゆると続けてみようと思う。

お読みいただき、ありがとうございました。


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