学芸大学のパチンコ屋で働いてみた_1
※201x年ごろのお話し
2015年の暮れ、薄暗い家の中で一人考える・・・
俺は、俺は、このまま終わるのか・・・
俺にはSASUKEしかないんですよ・・・
と呟いた。
私は家賃とガス代を滞納し、切羽詰まったていた。
無職になってからは、毎日パチスロ、パチンコ三昧。
メッシュキャップをエロ被りし、データカウンターをポチポチと押す。
気分は旅打ちのBOSSだった。
2015年の9月に仕事を辞めた当初は、とりあえずパチスロ・パチンコで生活費を稼ごうと企んでいたが、ものの2ヶ月あまりで素寒貧。
ガスは止められたが温かいシャワーを浴びたい。
どうにかならないかとネットで検索し、ようやく見つけた方法を紹介する。
ライフハック
1,電気コンロで湯を沸かす。
2,沸かした湯を2リットルのペットボトルに、半分ぐらい注ぐ。
3,あとはお湯が入ったペットボトルに水を入れ、温度を調整する。
4,温度調整が終わったら洗いたい場所から、お湯をかけて洗う。
以上となります。
体感的に2リットルのペットボトルを4本ぐらいあれば、綺麗に洗えます。
冬場にガスを止められたら、この方法がオススメです!
話はそれたが、どちらにしても働かないとやっていけないので、学芸大学のパチンコ店にアルバイトの応募連絡をしたところ、すぐにでも面接に来てほしいとのことだった。
場所
面接
パチンコ屋アルバイトの、面接採用率はどれぐらいだろうか?
可愛くて若い
ギャルなら、ほぼほぼ100%近くで採用でしょう。
面接日がやってきたので、お店がある学芸大学まで行く。
初めて降りる土地ではなく、私が上京したての頃、学芸大学の居酒屋の面接で来たことがあったので不安はない。
高架下沿いを進んでいくとパチンコ屋が見えてきた。
Vシネに出てくるような場所。
常連のおばさんが台を叩いてそうな雰囲気だ。
店に入ると、ガラガラだった。
黄色いYシャツに、チョキをきた少し頭が薄い年齢不詳の男が、ニコニコしながら玉を運んでいた。
『すいませーん!』
パチンコ屋の空間は、ジャラジャラ、ガヤガヤして聞こえないらしい。
大きく身振り手振りをしながら、その年齢不詳の男を近くに呼んだ。
『本日面接させていただくgoochです』
そう言うと年齢不詳の男は、インカム(レシーバー)でゴニョゴニョと話し始め、私を地下1階の事務所と思われる場所に案内してくれた。
もちろん地下1階もガラガラだった。
事務所に入ると、優しそうなおじいちゃんがいた。
私はそのおじいちゃんを見た瞬間、なぜか緊張がとけた。
「履歴書見せて」
『どうぞ、goochです。本日はよろしくお願いします』
「ふむふむ、28歳か」
「君も生活がどうしようもなくて、ここに流れついた訳か」
そう言われると、時間帯の希望、出勤日数と服のサイズを聞かれ、その場で即採用された。
私は店を後にし、駅までの高架線沿いを歩きながら、人当たりがいい人で良かったとホッとした。
ひとまずここのパチンコ屋で生活を立て直そうと自分自身に誓ったことを覚えている。
初出勤
時給1250円。
パチンコ屋の早番で安いのか高いのかわからない。
しかし面接で店に行ったときはガラガラだったので暇なはず。
暇=楽。
少し混み合った東横線に乗り、学芸大学までいく。
肌寒い朝だったことを覚えている。
働く店に到着し、担当者に電話した後に店の事務所まで案内された。
「制服これだから」
「あと携帯、スマホは事務所に置いて、帰るとき回収ね」
「最近写真を撮ってネットにあげるヤツがいるからねー」
と言われ、制服とロッカーの鍵を受け取り、スマホを事務所に置き、さらに深い地下2階へと案内された。
地下2階へ進んでいくと、だんだん硫黄の匂いがしてくる。
地下2階には、ロッカーが15台ほど並んである大きな空間で、従業員であろう若者がそこにはいた。
全く仕切りがないので、着替えが丸見えだった。
派手なトランクス姿の若者の太ももには、ビッシリと生え揃った毛があることがわかった。
続く
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