学芸大学のパチンコ屋で働いてみた_2
※第二話です
第一話はこちらから
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勤務開始
地下2階で制服に着替える。
黄色いYシャツに黒いチョキ。スラックスと革靴は自前だ。
実は無職の期間毎日と言っていいほど、酒を飲んでいたので、体感的に太ったなと感じていた。
そのため黄色いYシャツのサイズはXL、黒いチョキも一番大きいサイズを借りたが、
「まずい、、、黒いチョキの前のボタンが閉まらない、、、」
無理矢理ボタンを閉めることはできるが、ボタンがパッツンと、飛び出していきそうなぐらい苦しい。
どうにかならないかと、派手なトランクスを履いた太ももにビッシリと毛が生えた若者に相談した。
「はっっは、そんな人初めて見た、ぶっっ」
と吹き出された。
黒いチョッキのボタンを閉めずに、事務所に他のサイズがないか聞いたところ、これ以上サイズはないと言われたが、事務所の奥の方から過去に特注で作成したチョッキを持ってきてくれた。
少しカビ臭い特注のチョッキを着てみると、さほどサイズに変化がないことがわかった。
このまま
「いやーキツイっすねー、他のサイズないっすか?」
と言うこともできたが、
周りのブタを見るような目が面倒になったので腹を凹ませ、なんとかボタンを閉めてやり過ごすことにした。
ほどなくして地下1階のカウンター前に集合の合図が出た。
薄暗くタバコ臭い、装飾されたネオンがどこか寂しい空間。
この空間でいくつもフリーターたちが、汗と涙を流しながら働いていたと思うと考え深い。
メガネを掛けたひょろっと細長いスーツを着た長髪の男性が、前に立ち朝礼を始めた。
・・・・・
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・・
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何を言っているかわからない、、、
滑舌が悪いとかそういうのではなく、ボソボソと独り言を言うように何かを言っている。
決して人に伝えるように物事を話しているのではなく、どこか自分に酔っているような、俺の音楽を聴きたいやつだけ聞けっと言わんばかりなバンドマン風だ。
「本日もよろしくお願いします!!!」
他のスタッフがそう言ったので、私も同じようによろしくお願いします!と言っておいた。
さぁ業務開始だ。
インカム(レシーバー)を渡され装着する。
私の担当は1階のパチンコエリアだ。
続く
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