主任さんは鶴亀算が苦手という話
【主任】課長さん クイズ出していいですか?
【課長】だめだよ。
裏庭には2羽、庭には2羽、鶏がいますが、...
何勝手に始めてんだよ。それに、それクイズじゃなくて早口言葉だろ。
あれ、そうでしたっけ。でも、そんなにクイズを嫌がるところを見ると、さては課長、脳年齢に自信がないんですね。
クイズがいやなんじゃなくて、主任さんとじゃれ合うのがいやなんだよ。
時にはじゃれ合うのも脳の活性化には重要ですよ。
『じゃれ合う』ほうじゃなくて『主任さんと』のほうを強調したつもりなんだけどね。
頭のいい人と付き合うことは脳の活性化には効果がありますよ。
誰が頭がいい人なんだよ。それに、さっきから脳脳脳脳ってうるさいな。
最近は脳に関する話題が多いですよね。
確かに、脳に関する本がものすごく出ているのは確かだけど、テレビや雑誌でよく見かけるのはボケ防止ブームって感じがするよね。
高齢化社会だから仕方ないですよ。ボケるのは怖いですからね。
主任さんでも怖いんだ。ボケるの。
美しければ美しいほど年を取るのが怖いように、賢ければ賢いほどボケるのが怖いものなのです。
・・・・
ところで、確かにボケ防止ブームはあるんですけど、勉強ブームにもなってますよね。
まぁね。これは完全にテレビ番組主導だよね。だれも勉強したいなんか思ってないもの。それに、勉強って言ったって、昔勉強したことを思い出して懐かしがってるだけだから、懐メロみたいなもんだよ。
でも、あれを見て子供たちが多少勉強を好きになる可能性があるんだったら悪いことじゃないじゃないですか。
誰も悪いとはいってないよ。
僕も小学生の頃、鶴亀算で引っかからなけりゃもっと算数が好きになっていたのにな〜。
へぇ〜鶴亀算できなかったんだ。主任さん。
課長、口元が笑ってますよ。 今考えれば簡単なんですけどね。どうしてできなかったんだろう。
あの問題はおもしろいよ。何年生で習うものなのかよく知らないけど、できない理由はなんとなく分るよ。
なんでできないんですか。今更ですが、参考までに教えてください。
あの問題は、『もしも』の世界を扱わなければならないから小さな子供には難しいんじゃないかな。それまでの問題は、太郎君がミカンを3個持っていて、花子さんがリンゴを5つ持ってきてみたいに、事実をベースにした問題が多いよね。仮に、『もしも』があったとしても問題の中で、『もしも××なら』っていう風に明示されてるから扱えるんだけど、鶴亀算の場合は、『もしも、全部亀だったとしたら』っていう風に自分でもしもの世界を作って、現実との差を認識して修正していくっていうプロセスが必要だから慣れていないとハードルは高いよね。ちょっとした仮説検証プロセスだもんね。
そんな大層なことやってたんですかね〜?
まぁ説明すると大層だけど、やり方を覚えてしまえば簡単だよ。でも、そのぐらいの時期に、『もしも』の世界をうまく使ってリアルな世界での問題を解くことを実感できればすごいことだと思うけどね。
・・・私は今だに仮説検証で物事を進められないということを、遠まわしに、言いたいわけですね。
そんなこと言ってないじゃん。主任さん、頭の中の変な世界からのメッセージあんまり真に受けないほうがいいと思うよ。
なんでもいいんですよ。脳年齢さえ若けりゃ。