梅雨の晴れ間

 亡くなった友人の夢を見た。目覚めは悲しいというより寂しい。それだけの時間が過ぎている。

 起きたらコップ一杯の水を10分かけてゆっくり飲むのが私の習慣で、その間に次々と亡くした友人たちの顔が連なる。

 みんながもうこの世界のどこにもいないなんて。それなのに私はこうして朝を迎えて、世界は事も無げに動いている。不思議だ。

 まるで銀河鉄道の夜。世界という列車に乗って私は進む。一人また一人と友人たちは途中下車して、思い出すのはホームに残る彼らの姿。これが人生というものか。

 カーテンを開くと久しぶりの青空が目に鮮やかだった。

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