ヌメ皮の手触りが変わっていく感覚

クリーム色のヌメ革製品を時間をかけて色をつけていく作業というのは単純に高価なブランド品を買うことよりも所有する楽しみ、自分のものになっていく楽しみをを与えてくれる。

 ブランド品などと言う物はもともと全く興味がなかったがちょっとしたきっかけで好きになるメーカーもあったりする。


ドイツの革製品ブランド「Bree」。20年ほど前にアルタの並びに小さな店舗があった。


当時は大した知名度も無かったがやはり白いヌメ皮のカバンやサイフは結構な値段であった。

 
ある日ある人からそのBreeのヌメ皮の財布を誕生日プレゼントで貰った。

 

10年以上使ったが、まだ若かった私はその価値をわかっていなかったのであろう。茶色くなり、やがて黒ずんでしまった財布を、古くなってしまったものとして使わなくなってしまった。


「無印良品」をディスっているわけではないが、後に無印の同じようなヌメ皮の財布を買ってしばらく使ってみて「Bree」の価値が解った次第である。
 

皮革製品に限らず、自分の手の油や汗で日に日に色がついて馴染んでいくカバンやサイフを愛おしく思う心。それをを自覚するにはそれ相応の時間と経験が必要なのだろう。


私は15年ほどかかった。



最近の「Bree」は皮革製品だけではない。

 

安価なビニール製品もあるが、やはり購入してから手のかかる商品に魅力がある。

 

エジプト綿にオイルを染み込ませて防水性を持たせたバックパック。

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上質なエジプト綿にオイルを染み込ませた生地といえば英国の王室御用達のバブアーやハーディーのオイルジャケットが元祖で有名だが、このBreeのバックパックもかなり良いものだった。



毎年オイルを塗り足す手間が必要な製品である。

 

これもまた人からの貰い物である。

 

あちこち補修しながら使い続けたが南国の地ではそろそろ限界である。

 

補修しても補修しても加水分解でボロボロになってしまう。



残念だが引退である。

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