こどものおもちゃの奥深さ
先日2歳になった娘の誕生日プレゼントを買いに出掛けたときの話
数日前から2歳の女の子がもらって嬉しいものは何だろう?といろいろ考えていたが結局何がいいか決まらないままとりあえず出掛けることにした
向かった先は自宅アパートから車で40分くらいの隣町にある小さなおもちゃ屋さん
到着してお店に入ろうとすると、入り口に一枚の貼り紙を発見
「靴を脱いでお入りください」
土足禁止???そういうお店もあるのね
書いてある通り靴を脱ぎ入店してみる
店内に入るとまず目に入るのが入り口付近にある、自由におもちゃで遊べるコーナー
こじんまりとした店内には某ト○ザらスのような玩具量販店に売っているおもちゃは一つもなく、あまり見たことのないおもちゃが丁寧に並べられている
どうやらドイツとスイスの木製輸入玩具をメインに取り扱っているお店のようだ
店の奥にはおじいさん(店主)が一人静かに座っている
私たちを見ると一言「いらっしゃい」とだけ
私と妻と娘以外他にお客さんは誰もおらず静かな店内で、並べられているおもちゃを見てみるものの海外のおもちゃなのでいまいちどうやって遊べばいいのかわからない物が多い
私たちがあるおもちゃの前で足を止めていると、いつの間にかおじいさんが隣に
そしてまた一言
「このおもちゃはすごくいいですよ」
警戒しながらも話を聞いてみると、ヨーロッパのおもちゃは子どもが長く遊べる工夫が至るところにされているという
色や形、寸法まで細かく計算され、一つのおもちゃだけで完結せず他のどんなおもちゃとも組み合わせて遊べる仕組みになっている
一つのおもちゃだけでも何通りもの遊び方があり、それを子どもが自分で発見していくことで考える力が身に付く
それをさらに他のおもちゃと組み合わせることによって、もっと考えるようになるし新しい遊びを子どもが自分で発見する喜びも味わえる
ほーなるほど
とても興味深いなと思い、もっとおじいさんの話が聞いてみたくなった
それからおじいさんはお店にあるおもちゃの遊び方を一つ一つ丁寧に説明してくれた
「このおもちゃは強弱の感覚が自然に身に付けられるんです。ハンマーでやさしく叩いたり強めに叩いたりすることでおもちゃの反応が変わるんですよ。この感覚を身に付けることでお友達をこのくらいの強さで叩いたら痛いだろうな、とかがわかってくるようになります。その感覚がわかるだけでも世の中のいじめっ子は減っていくんですけどね……」
そうなんだ~、おもちゃでそんな感覚まで養えるのか。そんなこと今まで考えたこともなかった
「その他にもこのおもちゃはこんな遊び方もあるんですよ」「ほら、こんなことも出来るんですよ」といろいろ教えてくれるおじいさん
「一番大事なのは子どもが自ら遊びを発見するまで大人は辛抱強く待ってあげることです。大人は良かれと思ってすぐにおもちゃの遊び方を子どもに教えてしまうことが多いですが、そうしてしまうと子どもは自ら考えようとせず型にはまった遊びしかできなくなります。一つのおもちゃで一つの遊びしかできないとわかってしまうとすぐに飽きて次のおもちゃに移ってしまいますよね」
確かに、我が家はおもちゃで溢れかえっているけど娘が一つのおもちゃで長時間遊ぶことってほとんどないかも
次から次に違うおもちゃを出してはすぐに飽きてる気がする
「大人は子どもが困っているときだけ、そっとヒントを与えてあげるだけで十分なんです。そして子どもが自分で何かを発見したり上手にできたときはしっかり誉めてあげてください。その経験が子どもの記憶に植え付けられていきます。あと、子どもが散らかしたおもちゃはそのまま放置せずに大人がちゃんと片付けてあげてくださいね。これが片付けだと認識できるようにまずは大人が見本を示してあげないといけませんからね」
正直とても参考になる話ばかりだった
私と妻はこのお店で娘の誕生日プレゼントを買おうと決め、おじいさんに相談してみた
2歳になる女の子の誕生日プレゼントってどんなおもちゃがいいですかね?
「それならこのおもちゃなんかどうですかね?これはPLUS10(プラステン)というおもちゃです。5本の棒に赤、青、黄、緑、白各10個の木製のリングを刺していくだけの単純なおもちゃに見えますが、実はものすごくたくさんの遊び方ができてお嬢さんが成長しても何年も遊べますよ。」
おじいさんはそのPLUS10というおもちゃのたくさんの遊び方を私たちに教えてくれた
すごいなPLUS10!
私たちはその一見シンプルな見た目のおもちゃで娘がどうやって遊ぶのかその姿がものすごく見たくなった
結局、私たちは「PLUS10」と「スタックバケツ」という2つのおもちゃ(2つともドイツのおもちゃ)を買うことにした
PLUS10
スタックバケツ
買うおもちゃを決めたあともおじいさんは丁寧にラッピングしながら話してくれた
「子どもにとって”遊び=学び”なんですよね。どんな些細な事でも、子どもにとっては初めての体験で失敗することもあれば達成感も味わえます。子どもは毎日それを繰り返しながら少しづつ成長しているんです。それぞれの人格を形成し、自立を促すのが子どもの遊びなんです」
「あとこれも一緒に入れておきますね」と手作りの説明書も付けてくれた
なんという心配り
このお店(おじいさん)と出会えて本当によかった
おじいさん、また来年来ますね
※私たちがおじいさんと話している間、娘はお店のおもちゃで夢中になって遊んでいた。土足禁止の理由がわかった気がする
そして帰宅後、遊びに没頭する娘
また明日から頑張ろう、おやすみなさい
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