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東京大学 権藤智之研究室

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建築構法を研究する、東京大学権藤智之研究室のnoteマガジンです。 権藤智之研究室のHPはこちら http://gonlab.com/
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2022年2月の記事一覧

ディスカッション 真田純子×森田一弥  (司会:河野直)

真田純子氏・森田一弥氏の2名をゲストとして迎えた本レクチャーには、全国各地から約74名の参加者が集まった。参加者にはレクチャーを聞きながら、2者の取組みに「共通すること」を探してもらった。発見した共通項はチャットボックスで投稿してもらい、30余りのキーワードが出揃った。後半は、これらの中から深堀りしてみたい共通項を選定して、ディスカッションを行った。 「原始的な技術」と「農地の技術」の共通点と相違点河野:皆さん、たくさんの共通点の提起、ありがとうございます。森田さん、真田さ

森田一弥氏レクチャー「左官職人から建築家へ、京都の土壁技術を現代建築に」

本稿は、2021年9月27日に東京大学建築生産マネジメント寄付講座主催のレクチャーシリーズ「つくるとは、」の第三回「技術伝承」における、森田一弥氏(京都府立大学准教授)による講演(研究・活動紹介)の内容から構成したものになります。 学生の頃から、職人の世界や「つくる」世界にかかわることを考えてきました。入学当時はバブルの絶頂の頃で、京都では高松伸さんのポストモダン建築が大々的に取り上げられていましたが、凄いなと思う反面、こんな建築がどうやったら設計できるのかまったくわかりま

真田純子氏レクチャー「石積みの風景と、それを支える技術を継承する」

本稿は、2021年9月27日に東京大学建築生産マネジメント寄付講座主催のレクチャーシリーズ「つくるとは、」の第三回「生活文化」における、真田純子氏(東京工業大学准教授)による講演(研究・活動紹介)の内容から構成したものになります。 私は現在、土木・環境工学系というところにいますが、もともとは社会工学科出身で都市計画史や緑地計画史が専門でした。2007年に徳島大学の土木系分野へ勤めてから土木史研究を始め、農村景観や農村の活性化、そして石積みの研究を始めました。 石積みの研究