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東京大学 権藤智之研究室

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建築構法を研究する、東京大学権藤智之研究室のnoteマガジンです。 権藤智之研究室のHPはこちら http://gonlab.com/
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2019年10月の記事一覧

日本の高層建築における施工技術の変遷第3回 プレファブ化

この記事は「建築士2019年2月号」(日本建築士会連合会)に掲載された原稿の文章・図を修正したものです。 サイトプレファブトップの写真は1950年代にフランスで開発され、オランダでも施工実績のあるポルトデリラ工法の建て方である(「Systems Building」, Thomas Schmid, Carlo Testa, 1969, Pall Mallより転載)。写真では10階建て程度の鉄骨造建築であるが、全階分の鉄骨柱と梁(2層ずつ)を地上で組んでしまい、一気に建て起こす

2019年度HEAD研究会・ビルダーTF第3回 部品化

初回(前々回)は戦後の住宅生産を概観し、工務店が依存してきたオープンな資源が今後も持続できるのかを取り上げました。前回はそうした資源のうち、職人という人的な資源を取り上げ、職人と機械のトレードオフの関係やそれに合わせた構法の変化について考えました。今回は、モノ側の部品について考えたいと思います。 パイロットハウスとパイロット部品まず、住宅の部品化が出てくる流れについて、何度も言っていますが戦後の日本の住宅生産は終戦時の420万戸という住宅不足から始まります。住宅の大量供給の