建築生産マネジメント特論講義3──在来構法と工務店、その未来
本稿は、東京大学大学院にて開講された権藤智之特任准教授による講義『建築生産マネジメント特論』を、一部テキストベースで公開するものです。
前回の講義ではプレハブ住宅の技術史的展開を概観した。それは部品の互換性技術に裏打ちされた「大量生産」という夢の実現であった。戦後の住宅不足を解決し、高度な住宅のプレハブ化に成功した日本は、世界的にも稀な工業化住宅先進国といえる。
しかし、改めて日本の住宅市場を見てみれば、売り上げが一兆円を越すような巨大なハウスメーカー(プレハブ住宅メーカ