語学留学をしようと思っている君たちへ
渡米して最初の3年間語学学校に通っていた頃、僕はあまり良い生徒ではなかったと思う。 30歳になる前にニューヨークに住まないと後悔すると思った僕はまず学生ビザを取って渡米した。何らかの学校に属して勉強する者に与えられるビザなのだが、経済的にも大学などはチョイスから外れ語学学校に通い始めたわけだ。外国に住むからにはその国の言葉を学ばないと生活できないので一石二鳥である。
しかし僕は学校をキックアウト(退学)させられないギリギリの出席率だけをキープし、セッションやストリートなど演奏の方にばかり時間を使っていた。学校からすれば典型的な「アレなやつ」である。
アーティストビザを取ったいまでこそ、アメリカ人ミュージシャンとコミュニケーションを取って演奏の仕事をできるようになったけれど自分のことを流暢だなんて思わないし、もっと真面目に学校通っときゃよかったなと思うこともしばしばで英語はずっと勉強しなきゃなと感じている。
今日天気予報を見ると昼過ぎから雨が降るというので早めに外で練習しなければと思いウッドベースを持って裏庭に出た。うちは楽器の音を出してOKな物件なのだがパンデミックの影響で上の階のクレーマーが平日でも昼にいるので不愉快な思いをするのを避けるためだ。毎日の日課の基礎練習がひと段落し顔を上げると、フェンスの向こう側の家の窓からおばあちゃんが顔を出してこっちを見ている。
「やべっ、うるさかったかな?」少し焦った。
「Hi.」僕が声をかけると彼女は「Are you playing with school band?」と聞いてきた。アジア人は若く見られる上に僕は小柄なのでよくあることだ。
「いやー、仕事でジャズをやってるんだけどこの状況でギグが全部なくなっちゃったんだ。でも練習は毎日しないとね。」と答えた。
彼女は一言
「Good Luck.」
そして僕は
「Thanks. Stay Healthy.」
と応えおたがい微笑みあった。
そうこうしてるうちに小雨が降り出したので僕は急いで楽器を片付けて家に入った。
「いいことがあるといいね。」「ありがとう。貴女も体に気をつけてね。」
このなんでもないやり取りをするために僕はサボりながらも学校で英語を勉強してきたんだなと思った。大変な状況の社会の中でおたがいを気遣いそれを言葉で伝えられる、なんと素晴らしいことだろう。雨降ってるけど今日はいい1日だ。
この世界情勢のためいますぐには難しいと思うけれど、平穏が戻った頃に学生ビザをとってアメリカで勉強したいなと思っている人のために学生ビザの取得方法についての動画を作ってYouTubeにUpしました。
なんか最後だけ自分のYouTubeの宣伝になってしまいごめんなさい。でもそんなひとたちに一つだけ言わせてください。
「I-20はめちゃくちゃ大切だから絶対無くさないようにね!持ってないと入国できないどころか日本を出発するときに飛行機にも乗せてくれないからね!!」
以上です。Good Luck。